Naxos~2018年5月発売予定新譜情報(17タイトル)
[naxosvideos 公式チャンネルより]
今月はボリス・ギルトブルグによる『ラフマニノフ:ピアノ協奏曲 第3番』、ダレル・アン&ベルリン放送響による『スメタナ:祝典交響曲』、中川岳のハープシコードによる『テレマン:6つの序曲集』や、『ポール&ポーリーヌ・ヴィアルド:ヴァイオリンのための作品集 第2集』、『ピエール・ローデ:ヴァイオリン協奏曲 第11番&第12番』、クラシック・ギターの名手フラヴィオ・クッキによる『チック・コリア作品集』などCD13タイトル、映像作品4タイトルの17タイトルがリリースされます。
ラフマニノフ(1873-1943):ピアノ協奏曲第3番 ニ短調 Op.30、他
ボリス・ギルトブルグ(ピアノ)、カルロス・ミゲル・プリエト(指揮)ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団
ピアノ協奏曲第2番(8.573629)で、冴え渡る技巧と考え抜かれた解釈を披露したボリス・ギルトブルグ。この第3番でも極めて個性的な演奏を聴かせます。第2番よりも演奏的に困難な箇所が多く、至るところに即興的なフレーズが散りばめられるとともに、曲の雰囲気が刻々と変化していく第3番ですが、完璧に弾きこなすと、これ以上演奏効果のあがる曲はありません。
ギルトブルグはこの作品を徹底的に研究し、冒頭に現れる主題の役割は「全体をまとめるもの」として捉え、冷静に弾くことで作品全体にメリハリをつけています。そして第1楽章の後半に用意されているカデンツァも聴かせどころの一つ。ギルトブルグはもちろん「難しいヴァージョン」をやすやすと演奏、聴き手の心をしっかり掴みます。また彼は、この曲と「徹夜祷」Op.37との関連も指摘。こちらも興味深い解釈を聴かせます。
同時収録の「コレッリの主題による変奏曲」でも変奏が進むごとに多彩な世界を見せてくれます。今作でもギルトブルグ自身のブックレット解説(英語)と、彼が撮影した写真をジャケットに使用。アルバム全体が一つの完成された作品として成立しています。
(ナクソス・ジャパン)
スメタナ(1842-1884):祝典交響曲、歌劇《売られた花嫁》より4曲
ダレル・アン(指揮)ベルリン放送交響楽団
昨年来日、颯爽とした姿と高い音楽性で聴衆を魅了した指揮者ダレル・アン。レパートリーも幅広く、これまでNAXOSからはデュティユーの交響曲と中国の作曲家、周龍と陳怡の作品集、マイアベーア、オッフェンバックの序曲集など、珍しい作品の録音をリリースしています。
今回彼が取り組んだのは、やはり珍しいスメタナの「祝典交響曲」。1854年、当時のボヘミアを支配していたオーストリア=ハンガリー帝国の皇帝フランツ=ヨーゼフ1世の婚礼が挙行された際、スメタナはこれを祝して交響曲を作曲し献呈しようと目論みました。しかし残念なことに「(被支配民族である)ボヘミア人の作品は婚礼にふさわしくない」と却下されてしまい、また、作品中に頻繁に現れる「皇帝賛歌」はボヘミアの人々の共感を得ることができず、結局、スメタナは作品をしまい込んでしまいます。しかし1881年に作品を改訂、スメタナの唯一の交響曲として作品はようやくカタログに残ることになりました。若き作曲家の意欲溢れる華やかな交響曲をどうぞお楽しみください。
(ナクソス・ジャパン)
テレマン:6つの序曲集
中川岳(ハープシコード)
幼い頃からピアノを学びながら、独学でチェンバロ、クラヴィコード、オルガンを弾いていたという中川岳。東京大学在学中に、2014年に開催された「第27回国際古楽コンクール」(山梨)の鍵盤楽器部門で第1位を獲得、一躍注目を浴びました。2016年からはヴュルツブルク音楽院でグレン・ウィルソンにハープシコードを師事、その音楽性に一層の磨きをかけています。
このテレマンの作品集は「Ouverture=序曲」とタイトルが付けられているものの、実質は第1曲目の序曲と、2つの舞曲が組み合わされた小さな組曲です。作品中にはイタリアやドイツ、フランスの舞曲が散りばめられ、多彩な表情を見せています。中には、テレマンが一時期滞在したポーランドの民族音楽から影響を受けたと思われる曲もあり、実に興味深い曲集として構成されています。
(ナクソス・ジャパン)
ポール&ポーリーヌ・ヴィアルド:ヴァイオリンのための作品集 第2集
レート・クッペル(ヴァイオリン)、ヴォルフガング・マンツ(ピアノ)
19世紀の芸術界におけるマドンナ的存在であったポーリーヌ・ガルシア=ヴィアルド。ショパン、シューマン、ツルゲーネフなど高名な芸術家たちと親交を持った彼女は、また素晴らしい作品を書いた作曲家でもありました。
ここで聴ける「6つの小品」はどこまでも甘く優しい抒情性に彩られた佳曲です。そして、彼女の息子ポールも音楽的才能を受け継ぎ、いくつかの作品を残しています。このアルバムに収録されているポールの作品のほとんどはサロン風の小品ですが、どの曲も世紀末から1920年代のパリの雰囲気を色濃く宿しており、その瀟洒な曲想からは、彼の友人だったサン=サーンスの影響も感じられます。
(ナクソス・ジャパン)
ローデ:ヴァイオリン協奏曲集第11番、第12番、他
フリーデマン・アイヒホルン(ヴァイオリン)、ニコラス・パスケ(指揮)イエナ・フィルハーモニー管弦楽団
ヴァイオリニスト、アイヒホルンが取り組むピエール・ローデのヴァイオリン協奏曲全集の最終巻。このアルバムには最高傑作である第11番と第12番、そして2曲の魅力的な「エアと変奏」が収録されています。ヴィオッティの愛弟子であり、またナポレオンの宮廷音楽家として活躍したローデの作品はどれも優雅で、かつ当時最高難度の演奏技術を駆使したもの。
13曲あるヴァイオリン協奏曲は、ヴィオッティ作品と並ぶ、初期ロマン派時代の傑作です。当時の出版社は往々にして日付に無頓着であったため、協奏曲第12番の正確な出版日はわかりませんが、少なくともローデの生前最後に出版された作品であることは間違いなく(第13番は彼の死後に出版)、ロシア皇帝に献呈されたため、第4楽章にはロシア民謡が主題として使われています。躍動的な第11番も充実した書法を見せる作品。カデンツァはアイヒホルンの自作であり、伸びやかで技巧的なフレーズがふんだんに使われています。
(ナクソス・ジャパン)
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カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2018年04月25日 00:00