“N響”首席クラリネット奏者、伊藤圭によるファースト・ソロ・アルバム『Rêveusement』
「芯が強く目の詰まった響きのサウンドに輪郭のしなやかさと透明感が同居を遂げ、息長く持続される歌のラインでも急速な技巧的走句でも、個々の音符が見事に表面張力を保ちながら肩を寄せ合う。耳に飛び込むパッセージ・ワークは心地よくも安定度が高い。」(木幡一誠・ライナーノーツより)
2010年よりNHK交響楽団で首席クラリネット奏者の重責を担う伊藤圭。日本最高峰のオーケストラの木管セクションの要として、ひときわ大きな存在感を示す稀有な才能によるファースト・ソロ・アルバムの登場です。
満を持しての渾身の一作で伊藤が選んだのは、クラリネットという楽器にとって重要なレパートリーが数多生み出された近代フランスの作品たちです。その圧倒的な技術的安定感に裏打ちされた明晰で繊細な音色は、深い藍を想起させます。各曲がもつキャラクターの違いや美しさが自然と感じられる演奏は、決して押しつけがましくならず、枯淡の境地といえるものです。まさにRêveusement(夢みるような)一枚…ご堪能下さい。
(フォンテック)
『Rêveusement レヴーズマン 藍の歌』
【曲目】
ドビュッシー:クラリネットのための第1狂詩曲
サン=サーンス:クラリネット・ソナタ Op.167
プーランク:クラリネット・ソナタ FP184
タイユフェール:アラベスク
アーン:サラバンドと主題、変奏
トマジ:クラリネット協奏曲
【演奏】
伊藤圭(クラリネット)
冨田 珠里亞(ピアノ)
【録音】
2017年5月17~19日、富士見市民文化会館 キラリ☆ふじみ
<伊藤圭(クラリネット)>
1977年 宮城県出身。
2001年 東京藝術大学卒業。
2004年 第6回日本クラリネットコンクール第1位。
2006年 第74回日本音楽コンクール入選。
2012年 東京オペラシティリサイタルシリーズ「B→C バッハからコンテンポラリーへ」出演。
尾高惇忠「幻想曲」初演。
2014年 東京藝大「創造の森」において「尹伊桑 クラリネット協奏曲」のソリストを務める。
これまでにクラリネットを千石 進、日比野 裕幸、野田 祐介、山本 正治、三界 秀実、村井 祐児の各氏に師事。
現在、東京藝術大学准教授。
NHK 交響楽団首席クラリネット奏者。
カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2018年04月25日 00:00