豪エロクアンス~ベイヌム、アンセルメ、ドイリー・カート・オペラ・カンパニーの名盤が復活!
[Eloquence Classics 公式チャンネルより]
DG、Deccaの名盤復刻シリーズとして絶大なる人気を誇る「オーストラリア・エロクアンス」シリーズ。今回もベイヌム&ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団によるラヴェル&フランクの管弦楽作品集に、メンデルスゾーンの交響曲第4番、アンセルメ&スイス・ロマンド管によるムソルグスキー、ラヴェル、レスピーギ:管弦楽作品集、ドイリー・カート・オペラ・カンパニーによるギルバート&サリヴァンの喜歌劇3タイトルなど名盤揃いの6タイトルです。
[ドイリー・カート・オペラ・カンパニーによるギルバート&サリヴァンのオペラ]
19世紀後期のヴィクトリア朝イングランドで発展したコミック・オペラの1形式「サヴォイ・オペラ」。この名前は、興行主リチャード・ドイリー・カート(1844-1901)がギルバート&サリヴァンのオペラを上演するために建てた「サヴォイ劇場」から取られています。この劇場は1915年にカートの息子ルバートら、子どもたちが運営を引き継ぎ、ドイリー・カート・オペラ・カンパニーが1982年に活動を停止するまで、多くの「サヴォイ・オペラ」を上演しました。
ドイツ指揮者によるフランス作品の理想的な演奏
エドゥアルト・ファン・ベイヌム~ラヴェル、フランク:管弦楽作品集
珍しいフランク作品とラヴェルの傑作3作をカップリングしたエドゥアルト・ファン・ベイヌムのアルバムが、新規リマスタリングされてエロクァンス・シリーズに堂々の仲間入りです。
ファン・ベイヌムはモーツァルトからマーラーにいたるオーストリア=ドイツの作曲家の演奏で特に知られるドイツの指揮者ですが、オーケストラの幅広い音色を操る達人で、フランス作品の理想的な演奏も実現しています。彼はウィレム・メンゲルベルクの優れた後継者で、1945年からその14年後に早すぎる死を迎えるまでの間ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の音楽監督を務めました。
交響詩『プシュケ』は、初めブルックナーの第7交響曲とともに発売されましたが、ここでは1943年にゲザ・アンダのソロで録音されドイツ・グラモフォンから発売されたフランクの人気曲、ピアノのための協奏作品『交響的変奏曲』とカップリングされています。
『スペイン狂詩曲』は、アムステルダムのコンセルトヘボウで戦後初めてデッカに行われた録音の一つで、今でもファン・ベイヌムの優秀録音として注目を集めているものです。この『スペイン狂詩曲』録音の12年後に録音されたのがラヴェルによる管弦楽作品『ボレロ』と『ラ・ヴァルス』で、10インチLPでPHILIPSから初めて発売されました。今回最新デジタル・マスリングにより、驚くほど生き生きとした演奏で聴くことができます。
(ユニバーサルミュージック)
【曲目】
フランク:
1) 交響詩『プシュケ』
2) 交響的変奏曲
ラヴェル:
3) スペイン狂詩曲*
4) ボレロ*
5) ラ・ヴァルス*
*DECCA初CD化
【演奏】
エドゥアルト・ファン・ベイヌム(指揮)
ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
ゲザ・アンダ(ピアノ)(2)
【録音】
1943年5月17-21日(2)、1946年9月10日(3)、1953年5月19日-6月1日(1)、1958年6月30日(4)、9月25日(5)
アムステルダム、コンセルトヘボウ
2つの楽団で聴くメンデルスゾーンの管弦楽名作集
エドゥアルト・ファン・ベイヌム~メンデルスゾーン:交響曲第4番、夏の夜の夢
10代から非凡な才能を現し素晴らしい管弦楽の音の魔術師で巧みな劇作曲家でもあるメンデルスゾーン作品の1950年代のデッカ録音が新規リマスタリングされて発売に。エドゥアルト・ファン・ベイヌムの録音遺産の復刻にあたり、メンデルスゾーンの最も人気の高い3つの管弦楽作品が収録されたアルバムをリリースします。
1945年から亡くなる1959年までコンセルトヘボウ管弦楽団の首席指揮者を務めたファン・ベイヌムは1947年から2シーズン、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団の指揮も行っていました。
このアルバムではその両方のオーケストラによるデッカ録音を収録しています。序曲『フィンガルの洞窟』はロンドン・フィルハーモニー管弦楽団と1949年2月に録音されています。ファン・ベイヌムは『夏の夜の夢』をデッカに2度録音していますが、どちらもコンセルトヘボウ管弦楽団との録音です。最初が1946年で、その時は序曲を省略し、間奏曲をスケルツォ、夜想曲とともに収録、2度目の1952年(このアルバムの録音)には序曲を収録し、間奏曲を省略しています。この指揮者の最後のメンデルスゾーンの録音は1955年の6月、同じくアムステルダムで行われました。きめ細かく作り上げられた、よく知られた原典版の『イタリア』交響曲の演奏です。
(ユニバーサルミュージック)
【曲目】
メンデルスゾーン:
1) 序曲『フィンガルの洞窟』*
2) 夏の夜の夢(序曲Op.21、付随音楽Op.61)
3) 交響曲第4番イ長調Op.90『イタリア』*
*DECCA世界初CD化
【演奏】
エドゥアルト・ファン・ベイヌム(指揮)
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団(1)
ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団(2, 3)
【録音】
1949年2月4日、ロンドン、キングズウェイ・ホール(1)、1952年5月19日(2)、1955年6月2-4日(3)
アムステルダム、コンセルトヘボウ
鮮やかな色彩感のあるレパートリーで定評のある指揮者による注目のアルバム
エルネスト・アンセルメ~ムソルグスキー、ラヴェル、レスピーギ:管弦楽作品集
鮮やかな色彩感のあるレパートリーで定評のあるエルネスト・アンセルメ(1883~1969)が得意とした3つの作品がステレオ録音で登場します。
スイス出身の名指揮者アンセルメは、ストラヴィンスキーとの親交から1915年にディアギレフが主宰した有名なバレエ団「バレエ・リュス」の指揮者となり、このバレエ団に楽曲を提供していた作曲家たちと親しくなります。また同バレエ団でサティの『パラード』、ファリャの『三角帽子』、ストラヴィンスキーの『ナイチンゲールの歌』『プルチネッラ』『狐』『結婚』などを初演したことは有名です。
親交のあったラヴェルも、アンセルメがその作品の紹介に尽くした作曲家のひとりでした。アンセルメは『ラ・ヴァルス』をラヴェルの没後、パリ音楽院管弦楽団と1947年、1953年に、スイス・ロマンド管弦楽団と1958年、1963年に計4度も録音しています。また、ラヴェル編曲の『展覧会の絵』もロンドン・フィルと1948年に、スイス・ロマンド管弦楽団と1953年、1958年、1959年に、やはり計4度録音しています。ともにステレオLP初期から親しまれたのは4回目のステレオ再録音盤でした。
両曲の3回目にあたる1958年ステレオ録音は、日本ではステレオLPとして1979年に初発売され、1995年にCD化済みでしたが、現在何れも廃盤となっています。今回、海外盤では初CD化となる珍しい音源です。
(タワーレコード)
【曲目】
1) ムソルグスキー(ラヴェルによる管弦楽編):展覧会の絵(注1)
2) ラヴェル:ラ・ヴァルス(注2)
3) ロッシーニ/レスピーギ:組曲『ロッシニアーナ』
(注1)メーカー・インフォには「初発売」とありますが、日本ではLP時代の1979年9月にキングよりGT9245の品番でステレオで初発売され、1995年11月にはポリドール(現ユニバーサルミュージック)よりPOCL9704の品番で世界初CD化されています。
(注2)メーカー・インフォには「ステレオ初発売」とありますが、日本では(注1)とのカップリングでLP時代よりステレオでリリースされています。
【演奏】
エルネスト・アンセルメ(指揮)
スイス・ロマンド管弦楽団
【録音】
1958年4月1-23日(1, 2)、1967年2月6、7&14日(3)
ジュネーヴ、ヴィクトリア・ホール
喜歌劇の完全版とヒット作集の贅沢な組み合わせ
ドイリー・カート・オペラ・カンパニー
ギルバート&サリヴァン:喜歌劇『王女アイダ』、「ギルバート&サリヴァン・スペクタキュラー」
新規リマスタリングされた、ドイリー・カート・オペラ・カンパニーによるサヴォイ・オペラ(『王女アイダ』)の初めての完全版の録音が、W.S.ギルバートとサー・アーサー・サリヴァンの無類のパートナーシップから生まれた歌と楽曲を収録したフェイズ4のアルバムとカップリングされた盛りだくさんの2枚組。
『王女アイダ』は二人のテノールの主役がいる、サヴォイ・オペラの中でも珍しい作品で、この録音では二人のトップクラスのテノール歌手がバリトンのフローリアン役ジェフリー・スキッチと素晴らしい三重唱を披露しています。テノールの一人トーマス・ラウンドは情熱的な主役ヒラリオン王子として英雄役を演じ、もう一人レナード・オズボーンはヒラリオンの友人シリルというコミカルな役を演じます。
この録音に先立って行われた2回の録音では多くの箇所がカットされましたが、この1954年の録音はサリヴァンのスコア(彼の最上のもの一つ)のほぼ完全版です。さらに注目に値するのはタイトルロールのソプラノVictoria Sladenの存在です。ドイリー・カート・オペラ・カンパニーのメンバーではありませんが、威厳のある声でギルバート&サリヴァンの作品で最も妥協を許さない感動的なオペラの役の一つを演じました。
『王女アイダ』は40年近くドイリー・カートで音楽監督を務めたイシドア・ゴドフリーにより温かみと威厳を持って指揮されました。一方、サー・マルコム・サージェントのドイリー・カート・オペラ・カンパニーとの関係はゴドフリーより3年遡り、1926年に始まりそのキャリアの間ずっと続きました。サージェント自身も『王女アイダ』の完全版の録音を1965年に行っていますが、その同じ年、ギルバート&サリヴァンのカタログからヒット作を選んで指揮し、デッカのフェイズ4ステレオで録音したのがCD 2の「ギルバート&サリヴァン・スペクタキュラー」です。
(ユニバーサルミュージック)
【曲目】
《CD 1》
アーサー・サリバン、ウィリアム・S.ギルバート:喜歌劇『王女アイダ』*
《CD 2》
[ギルバート&サリヴァン・スペクタキュラー]
喜歌劇『軍艦ピナフォア』『ペンザンスの海賊』『ミカド』『ラディゴア』からのハイライト
*DECCA初CD化
【演奏】
ドイリー・カート・オペラ・カンパニー
イシドア・ゴドフリー(指揮)
ロンドン新交響楽団・合唱団(CD 1)
ジェイムズ・ウォーカー(合唱指揮)(CD 2)
サー・マルコム・サージェント(指揮)
ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団(CD 2)
【録音】
1954年10月-11月、ロンドン、キングズウェイ・ホール(CD 1)
1965年12月3-4日、ロンドン、ウェスト・ハムステッド、デッカ・スタジオ(CD 2)
大人気サヴォイ・オペラの趣あるデッカ・フェイズ4ステレオ録音
ドイリー・カート・オペラ・カンパニー
ギルバート&サリヴァン:喜歌劇『軍艦ピナフォア』
オーストラリアの音楽家ジェイムズ・ウォーカーの作品はエロクァンスで多く発売されていますが、ここでは今まであまりなじみのない姿で登場しています。ウォーカーは生地オーストラリアでも、ロンドンのロイヤル・アカデミー・オブ・ミュージックでもピアニストとしての教育を受けましたが、しばらくしてバレエと映画の有名な音楽監督であるアーネスト・アーヴィングのアシスタントになりました。1947年からこの国際的なバレエ・カンパニーの監督となり、1953年に解散するまで務めました。その年、彼はできたばかりのデッカ・レコードにレコーディング・エンジニアとして参加しました。その能力を生かして、ロンドン、ジュネーヴ、ベオグラードなど各地でステレオ・エンジニアの開拓者として仕事をし、多くの録音がデッカ・カタログの定番となりました。しかし、1968年に長年務めていたイシドア・ゴドフリーの引退を機にドイリー・カート・オペラ・カンパニーの音楽監督として指揮台に戻り、その時にこの『軍艦ピナフォア』が録音されました。
(ユニバーサルミュージック)
【曲目】
《CD 1&2》
アーサー・サリバン、ウィリアム・S.ギルバート:喜歌劇『軍艦ピナフォア』
【演奏】
ドイリー・カート・オペラ・カンパニー
ドイリー・カート・オペラ・コーラス
ジェイムズ・ウォーカー(指揮)
ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団
【録音】
1971年2月14-15日、ロンドン、ウェスト・ハムステッド、デッカ・スタジオ
ヴィクトリア朝イギリスの「軽歌劇」2作をカップリング
ドイリー・カート・オペラ・カンパニー
ギルバート&サリヴァン:喜歌劇『魔法使い』『ユートピア株式会社』(抜粋)
イギリスの「軽歌劇」史上最も成功したパートナーシップからの2作品をデッカ録音の新規リマスタリングで。
W.S.ギルバートとサー・オーサー・サリヴァンとのオペラのコラボレーションの初めての完全版である『魔法使い』は、直後の作品『軍艦ピナフォア』ほどの人気作とはなりませんでしたが、ヴィクトリア朝イギリスの慣習の(その後の作品よりも穏やかな)風刺を楽しむことができます。
実際、1953年に初めての完全録音が行われたこの時、『魔法使い』は第二次世界大戦の前からドイリー・カート・オペラ・カンパニーのレパートリーからはずれていて、1971年まで日の目を見ることはありませんでした。それでもこの初版は多くの際立った特徴を持っています。その一つが1951年から1959年までドイリー・カート・オペラ・カンパニーの主役コメディアンだったピーター・プラットによるタイトルロールが鮮やかにドラマティックに描かれていることです。
『ユートピア株式会社』が上演されていた1893年頃は、ギルバート&サリヴァンの大成功の時期も終わりに近づき、しばしば二人の関係が悪くなることもありました。この喜歌劇は245公演上演されたにもかかわらず、ドイリー・カート・オペラ・カンパニーのレパートリーに入ることはかく、実際初めて完全版の録音が行われたのは1975年のことでした。それまでファンを楽しませたのがこの1963年8月録音の抜粋版でした。
(ユニバーサルミュージック)
【曲目】
アーサー・サリバン、ウィリアム・S.ギルバート:
1) 喜歌劇『魔法使い』
2) 喜歌劇『ユートピア株式会社』(抜粋)
【演奏】
ドイリー・カート・オペラ・カンパニー
イシドア・ゴドフリー(指揮)
ロンドン新交響楽団(1)
コヴェント・ガーデン・ロイヤル・オペラ・ハウス管弦楽団(2)
【録音】
1953年7月8、10、16、21、23、24、29&30日、ロンドン、ウェスト・ハムステッド、デッカ・スタジオ(1)
1963年8月28-31日、ロンドン、ウォルサムストウ・アッセンブリー・ホール(2)