メルニコフの最新作はドビュッシー!“前奏曲第2集”に1台4手連弾の“交響詩「海」”を録音!
ドビュッシー・イヤーの今年、ハルモニア・ムンディは特別なリリースを数本用意しています。その第一弾はメルニコフによる「前奏曲集第2集」。メルニコフの独特な解釈はもちろん、彼所有の1885年頃製のエラール・ピアノを用いている点も注目です。
一聴して驚かされるのはその響き。「海」も「前奏曲集第2集」もドビュッシーが印象主義的作風を確立した作品として名高く、茫漠とした響きで再現されることが多いですが、ここでは明快かつ明るい音色でくっきりと輪郭線を描いています。とはいっても即物的なものではなく、たっぷり歌っているのも特徴です。「ビーノの門」「花火」の激しい部分も決して叩かずに凄まじい効果をあげているのがさすが。ドビュッシー自身の演奏はこのようなものだったかと妄想させられます。
カップリングはドビュッシー自身がピアノ4手用に編曲した交響詩「海」。手の接近や交差、複雑なトレモロの多用など演奏は極めて難しく、これまでの録音も2台のピアノを用いることばかりでしたが、ここでは若手女流のオリガ・パーシチェンコとエラールの銘器を連弾。1986年生まれのパーシチェンコはリュビモフ門下で、フォルテピアノ、チェンバロ、オルガン奏者として非常に注目されています。この「海」もクリアで推進力に満ち、ドビュッシーが頭で描いていたであろう日本の浮世絵のように鮮やかでクリアな色彩に目から鱗が落ちること間違いありません。
(キングインターナショナル)
【曲目】
ドビュッシー:
1.前奏曲集第2集(全12曲)
2.交響詩「海」(作曲者編による4手版)
【演奏】
アレクサンドル・メルニコフ(ピアノ)
オリガ・パーシチェンコ(ピアノ)[2]
【録音】
2016年10月19-22日、2017年6月6-7日、テルデックス・スタジオ(ベルリン)
カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2018年05月02日 00:00