ドメニコ・ノルディオによるイタリア近現代ヴァイオリン協奏曲集シリーズ第3弾はマリピエロ&ブゾーニ:ヴァイオリン協奏曲集!
ヴァイオリニストのドメニコ・ノルディオは、16歳でヴィオッティ国際コンクール優勝。ロン=ティボー国際コンクール、フランチェスカッティ国際コンクールなどで入賞以来、特にイタリアの後期ロマン派から20世紀音楽のスペシャリストとして世界的に知られています。このソニー・クラシカルへのイタリアの近現代ヴァイオリン協奏曲集シリーズ3枚目のアルバムは、マリピエロとブゾーニの作品を収録。
モンテヴェルディやヴィヴァルディの作品全集の校訂で知られるジャン・フランチェスコ・マリピエロ[1882-1973]は、古いイタリアの音楽を筆写することによってその音楽的感性を発揮させました。同年輩のカゼッラとともに20世紀におけるイタリア古楽の復興に尽くしつつ、自身の作品はフランス印象主義音楽、とりわけドビュッシーの影響を受けており、自由な形式と非伝統的な楽章構成、斬新な和声法と線的な対位法を用いた作風で知られています。
「ヴァイオリン協奏曲第1番」は1932年に書かれ、1933年3月にヴァイオリニストのヴィオラ・ミッチェルとピエール・モントゥー指揮によって初演。
そして「ヴァイオリン協奏曲第2番」はマリピエロ晩年の1965年に書かれ、フェニーチェ劇場で初演されました。彼の協奏曲の作風は古典派からのものと同様、ヴァイオリンとオーケストラの対話によるものであり、メロディはややショスタコーヴィチやプロコフィエフ風でもあり、それが複雑化してもロマン主義から決して離れることはない様式となっています。
イタリア出身でドイツを中心に活躍したブゾーニ。このヴァイオリン協奏曲は、10代の頃に書かれたシュトラウスの若書きにして唯一のヴァイオリン協奏曲で、ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲にインスパイアされ作曲されたといわれています。ブゾーニは、ベートーヴェンとブラームスの2つの偉大なヴァイオリン協奏曲のカデンツァも書いており、ベートーヴェンやブラームスと同じニ長調という調性によっています。この曲はヨアヒムの弟子であったヘンリ・ペトリのために書かれた曲で、ピアノのヴィルトゥオジティをヴァイオリンで行うような高度な技巧が要されるものです。初演以後はシゲティやアドルフ・ブッシュが愛奏しましたがレパートリーとしてのものではなかったようです。近年、再評価され、新たなる光が当てられています。
(ソニーミュージック)
【曲目】
1. ジャン・フランチェスコ・マリピエロ:ヴァイオリン協奏曲第1番
2. ジャン・フランチェスコ・マリピエロ:ヴァイオリン協奏曲第2番
3. フェルッチョ・ブゾーニ:ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op.35a
【演奏】
ドメニコ・ノルディオ(ヴァイオリン)
ティト・チェッケリーニ(指揮)
ミラノ・ジュゼッペ・ヴェルディ交響楽団
【録音】
2016年3月8-10日、イタリア、ミラノ、Auditorium Fondazione Cariplo
カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2018年06月15日 00:00