不死身のブルースマン、ファンタスティック・ネグリート(Fantastic Negrito)のセカンド・アルバム『Please Don't Be Dead』
オークランドのシンガー・ソングライター、ファンタスティック・ネグリート、本名エクセイヴィア・ディフレッパレズ(Xavier Dphrepaulezz)。二度、死にかけたという波瀾万丈の人生を送ってきた男。1995年に本名のエクセイヴィア名義でインタースコープからネオ・クラシック・ソウル・スタイルのアルバム『X-Factor』をリリースしたものの、ふるわず。その後、1999年に交通事故に遭って以降、音楽から離れていたが、2014年に“ブラック・ルーツ・ミュージック”を標榜し、音楽活動を再開。2016年にリリースしたデビュー作『ザ・ラスト・デイズ・オブ・オークランド』が見事、2017年にグラミー賞を受賞する。同年4月には初来日も果たした彼が満を持してリリースするセカンド・アルバム。
よりいっそうのディープなブルース・フィーリングを湛えたエモーショナルな歌声がなによりもまず、すばらしい。前作以上にロック色濃厚なサウンドも途方もなく刺激的だ。ますますの冴えを見せる、プリミティヴなブルース臭を全編に漂わせながらも、あくまでも現在進行形の表現に打ちのめされる。トレードマークとも言えるヘヴィ・ロック・チューンやシアトリカルな楽曲はもちろん、ディープなバラードもファンキーなナンバーも格段に進化している。前作以上の衝撃を与えること間違いなしの傑作。
掲載: 2018年06月29日 16:00