ベヒーモス(Behemoth)、神の言葉をあえて冠した究極の冒瀆作品『I Loved You At Your Darkest』
真性ブラック・メタル・バンドでありながらも、人気の面でもセールス面でも、世界的な存在へと成長したポーランド出身のBEHEMOTH。彼らが、絶対的カリスマ、ネルガル(vo,g)の白血病からの復活作となった前作「THE SATANIST」(2014)以来となる、通算11作目「I LOVED YOU AT YOUR DARKEST」をリリースする。
■神の言葉をタイトルに
新約聖書『ローマの信徒への手紙』の5章8節には、以下のような記述がある。
「わたしたちがまだ罪人であったとき、キリストがわたしたちのために死んでくださったことによって、神はわたしたちに対する愛を示されました」
この記述を表した英語圏では有名な言葉が、「I Loved you at your darkest(和訳:あなたたちが暗闇にいたときでさえ私はあなたたちを愛していた)」であり、今回BEHEMOTHはあえてその言葉をそのままタイトルに冠した。ネルガルは、ブラック・メタルのアルバムのタイトルにこの文句を使うことこそが、キリスト教に対する究極の冒瀆であると考えている。
■エクストリームでありながらロック・オリエンテッド
ネルガルは本作についてこのように述べている。
「『I LOVED YOU AT YOUR DARKEST』は、バンド史上もっともダイナミックなアルバムだ。エクストリームで過激である一方、あらゆるBEHEMOTHのアルバムよりロック・オリエンテッドである」
祖国ポーランドのオーケストラ隊や、子供たちのクワイアを起用し、さらに深みのある作品を完成させた。
■豪華な制作スタッフ陣
本作のプロデュースはバンド自身。ドラムの共同プロデュースには、IN FLAMESなどでお馴染みのダニエル・ベルグストランド。ミキシングは、SLAYERやCHILDREN OF BODOMと仕事をしてきたマット・ハイド。マスタリングは、NINE INCH NAILS、MARILYN MANSONらの作品で手腕をふるってきたトム・ベイカー。
■アルバム冒頭とラストに、悪魔のタトゥーの言葉
アルバムの冒頭“Solve”と、日本盤限定ボーナス・トラックを除く本編ラスト“Coagvla”は、それぞれ「溶解」と「凝固」を意味する言葉。これは、キリスト教に登場する悪魔バフォメットの右腕と左腕に彫られたタトゥーにあるラテン語であり、「物事を分析(溶解)して統合(凝固)せよ」という教えを意味する。中世錬金術で用いられた言葉であるが、人の知の在り方など、広義的に使用される。
■SLAYERのファイナル・ツアーに参加
2018年5月から開始したスラッシュ・メタルの帝王SLAYERのファイナル・ツアーのUS版に、LAMB OF GOD、ANTHRAX、TESTAMENTと共にサポート。そして、BEHEMOTHは、本作「I LOVED YOU AT YOUR DARKEST」発表直後、AT THE GATESをゲストに迎えて北米ツアーを行なう。
【収録曲】
1. Solve / 溶解
2. Wolves Ov Siberia / シベリアの狼
3. God = Dog / ゴッド・イコール・ドッグ
4. Ecclesia Diabolica Catholica / 邪悪蔓延るカトリック教会
5. Bartzabel / 悪霊バルツァベル
6. If Crucifixion Was Not Enough... / 磔が緩かったなら
7. Angelvs XIII / アンジェラス13 ~闇の祈り~
8. Sabbath Mater / 聖母哀傷
9. Havohej Pantocrator / 無能者
10. Rom 5:8 / ローマの信徒への手紙 5章8節
11. We Are the Next 1000 Years / 我ら千年の月日
12. Coagvla / 凝固
13. O Pentagram Ignis / 燃ゆる五芒星よ
Tr. 13: 日本盤のみのボーナス・トラック
タグ : ハードロック/ヘヴィメタル(HR/HM)
掲載: 2018年09月21日 08:48