シンフォニア・ヴァルソヴィアによる現代ポーランド作曲家作品集第3弾!『39'45 VOL.3』
39'45 VOL.3~ポーランド作曲家の近代管弦楽作品集3
ポーランドの室内管弦楽団、「シンフォニア・ヴァルソヴィア」の注目盤。
アルバム・タイトルの「39'45」は、第2次世界大戦の期間である「1939-45」をかけたもので、ポーランドが占領されている期間中に生きたポーランドの作曲家シリーズの3枚目のアルバム。
ポーランドの音楽にかけたソリストと指揮者を迎え、歴史的な音楽的意味を見事にとらえ、それを具現化しています。
ショスタコーヴィチと交友関係であった「ヴァインベルク:チェロ協奏曲」は、1948年に作品を完成させましたが、政府批判の理由から1957年1月にロストロポーヴィチの独奏で初演されるまで日の目を見ることはありませんでした。全編にあふれるユダヤ的な哀愁に満ちたメロディの作品。ユダヤ人の伝統的音楽を含ませながら、幸せな過去の思い出が強調されています。
パヌフニクはワルシャワ音楽院で作曲と指揮を学び、1937年からウィーンでワインガルトナーに学んでいます。第二次大戦中はルトスワフスキとピアノ・デュオを組んでいました。もともとは壮大な合唱付きの「平和への交響曲」でしたが、ワルシャワ蜂起の前に疎開しましたが、その間にこの交響曲含んだ彼のスコアはみな燃やされてしまったため、讃歌のような祈りの音楽にはじまり、スケルツォ風の中間部をへて再び祈りの音楽に戻るという20分の悲歌的交響曲として改作されたものです。恐怖、死と圧制の想起、家族と親しい友人の喪失が込められています。
アンジェイ・チャイコフスキは、別名アンドレ・チャイコフスキーという名前を持つ、個性的なピアニズムと数奇な運命で知られるポーランドのピアニストで作曲家。彼は、ワルシャワでのピアノ教育は第2次大戦の戦乱によって中断されてしまうものの、その優れた才能ゆえに12歳でパリ音楽院への入学を許され、ショパン・コンクールとエリーザベト王妃国際コンクールでの入賞で大きな注目を浴び、1957年からは世界各地での演奏会が目白押しとなり、RCAへの録音も行いました。第2次世界大戦中両親を失いますが、ワルシャワ・ゲットーを抜け出し、2年間潜伏生活を送り生還。しかしそれがトラウマとなり、戦後は鬱病に悩み、さらに同性愛者だったことも共産主義ポーランドでは「好ましからざる人物」とされ、1958年にイギリスへ亡命していますが、その時の苦しみや悲しみ、そして希望への情熱がつぎ込まれた作品です。
(ワーナーミュージック)
【収録予定曲】
1) ミェチスワフ・ヴァインベルク:チェロ協奏曲 ハ短調 Op.43 (1948)
2) アンジェイ・パヌフニク:悲歌的交響曲(第2交響曲:1957, 1966)
3) アンジェイ・チャイコフスキ:ピアノ協奏曲第2番 Op.4 (1966-1971)
【演奏】
マルツェル・マルコフスキ(チェロ:1)
マチェイ・グシボフスキ(ピアノ:3)
イェジー・マクシミウク(指揮:1, 2)
ヤツェク・カスプシク(指揮:3)
シンフォニア・ヴァルソヴィア
【録音】
2018年5月、ワルシャワ、フィルハーモニック・ホール(1,2)
2008年8月17日、ワルシャワ、フィルハーモニック・ホールでのライヴ(3)
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カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2018年09月25日 00:00