CPO レーベル~2018年11月発売予定新譜情報(8タイトル)
知られざる名曲の発掘、古楽から現代まで幅広く揃えたコレクション、高品質の録音で人気を誇るドイツのCPOレーベル。知られざる名曲の発掘、古楽から現代まで幅広く揃えたコレクション、高品質の録音で人気を誇るドイツのCPOレーベル。11月はCD7タイトル、LP1タイトルがリリースされます。
今回はオーストリアの作曲家ヘルツォーゲンベルクの“劇的カンタータ「コロンブス」”、フェルディナント・リースの『弦楽四重奏曲集 第3集』、オルフェウス弦楽四重奏団によるドイツの作曲家ヴォルデマール・バルギールの『弦楽四重奏曲と弦楽八重奏曲全集』、テレマンの『道徳的カンタータ全集&ヴィオラ・ダ・ガンバのためのファンタジア集』、クロアチアの作曲家ボリス・パパンドプロの『協奏曲と歌曲集』など、興味深い作品が揃っています。
ハインリヒ・フォン・ヘルツォーゲンベルク(1843-1900):劇的カンタータ「コロンブス」(2枚組)
ディルク・カフタン(指揮)グラーツ歌劇場合唱団、グラーツ・フィルハーモニー管弦楽団
1870年12月4日、グラーツ音楽協会で初演された大規模なカンタータ「コロンブス」。作曲家であるヘルツォーゲンベルクは当時27歳。20代始めまではワーグナーの音楽に熱狂していたヘルツォーゲンベルクでしたが、バッハを通じてブラームスの魅力に目覚め、作風も古典派寄りに変化してきた時期に書かれています。とは言え、自身で書いた台本につけた音楽は劇的であり、まだまだワーグナーの影響から完全に脱しているとは言えない過渡期の作品と言えるでしょう。作品は大きく2部に分かれており、壮大な合唱によってコロンブスのエピソードが歌われていきます。近現代歌劇を得意とするカフタンの指揮、シャーデら名歌手をソリストに迎えた堂々たる演奏です。
(ナクソス・ジャパン)
フェルディナント・リース(1784-1838):弦楽四重奏曲集 第3集
シュパンツィヒ弦楽四重奏団
ベートーヴェンやリースとも親交があり、ラズモフスキー伯爵の私設弦楽四重奏団のリーダーを務めたイグナーツ・シュパンツィヒ。彼の名を冠した「シュパンツィヒ弦楽四重奏団」は、ピリオド楽器を用いて古典派作品を演奏することで定評のあるアンサンブルです。彼らは作曲家としてのリースの重要性に着目、弦楽四重奏曲を通して「ベートーヴェンの弟子」としてではなく、「独創性豊かな作曲家」としてのリースを伝えることに力を注いでいます。これまでにリリースされた2枚のアルバムも高く評価されていますが、第3作となるアルバムでは、ヴィオラ奏者マサデスを招いて弦楽五重奏曲も演奏。充実した響きを持つ革新的な作品は、まさに作曲家リースの本領発揮と言えるでしょう。
(ナクソス・ジャパン)
ヴォルデマール・バルギール(1828-1897):弦楽四重奏曲と弦楽八重奏曲全集(2枚組)
オルフェウス弦楽四重奏団
近年再評価が高まるベルリン生まれの作曲家バルギール。その名前はほとんど知られていませんが、実は彼の母親マリアンネの前夫はフリードリヒ・ヴィークであり、この2人の間の娘がクララ・ヴィーク。従って、彼はクララの異父弟となります。彼は長年にわたり、ベルリン高等音楽学校作曲科の教授を務め、後進に作曲を教えるとともに、シューマンとショパン作品の校訂を手がけました。蒐集家としても知られ、彼の遺品の中には1500点を超える書簡や、切り抜きや論文、旅券など日常生活で集めたちらしなどがあり、これらは彼の生涯を研究するにあたり貴重な資料になっています。そんな几帳面な性格のバルギールの作品は、メロディよりも曲の構成が重要視されており、弦楽四重奏曲はベートーヴェンにも似た厳格さを備えています。
(ナクソス・ジャパン)
ボリス・パパンドプロ(1906-1991):協奏曲と歌曲集
ティーモ・ハントシュ(指揮)南西ドイツ・プフォルツハイム室内管弦楽団
20世紀の作曲家パパンドプロの作品集。ギリシア系の血を引いていますが、生まれも育ちもクロアチア、ザグレブで、地元の音楽院を卒業後は、オーストリアの「新ウィーン音楽院 Neues Wiener Konservatorium」(1938年、オーストリア併合により廃校)で作曲と指揮を学びました。400曲を越える多くの作品は十二音も含む新古典派主義の作風の中に、クロアチアの民族音楽と、ジャズの要素が融合されたユニークなもの。作品における楽器の選び方も独特で、このアルバムでもピッコロ協奏曲とチェンバロ協奏曲、弦楽オーケストラとハープ伴奏による歌曲を聴くことができます。なかでも「チェンバロ協奏曲」は、トッカータ風の音形による第1楽章、牧歌的な旋律を持つ第2楽章、再度トッカータ風の音形が登場する第3楽章で構成された古典的な性格を持つユニークな作品です。また、ハープの絶妙な響きが用いられた歌曲は印象派風の味わいを持っています。
(ナクソス・ジャパン)
クリストフ・グラウプナー(1683-1760):ソロ&ダイアローグ・カンタータ(2枚組)
ルドルフ・ルッツ(指揮&チェンバロ)キルヒハイム・バッハコンソート
バッハの良きライバルでもあったグラウプナー。生前はバッハを凌ぐ人気を誇っていたのですが、彼の死後、雇用主であったヘッセン=ダルムシュタット方伯が総譜を独り占めし、自身の城にしまい込んでしまったため、作品の演奏機会がほとんどなくなり名前も忘れられてしまいました。しかし、それが結果的に彼の作品の散逸を防ぐことにつながり、20世紀になって研究が進むことになりました。1990年に設立された古楽器アンサンブル「キルヒハイム・バッハコンソート」はグラウプナーを積極的に紹介しており、このcpoへの録音は2作目となります。前作は「公現祭カンタータ集」でしたが、今回はソロ・カンタータとダイアローグ・カンタータです。イエスと魂の対話が表現されているという「ダイアローグ(対話)・カンタータはバッハの作品が良く知られていますが、グラウプナーの作品はオペラの二重唱を思わせる華麗な曲が多く、とても聞きごたえがあります。指揮をするのは、バッハのカンタータ全曲録音が進行中のルドルフ・ルッツです。
(ナクソス・ジャパン)
テレマン(1681-1767):道徳的カンタータ全集&ヴィオラ・ダ・ガンバのためのファンタジア集
ベンノ・シャハトナー(カウンターテナー)、ジモーネ・エッケルト(指揮)ハンブルク・ラーツムジーク
1720年から1750年にかけての数十年間、ヨーロッパ中で普及していた「啓蒙主義」の影響により、中産階級の人々は道徳教育と学術、文学の追求に力を注いでいました。1735年に作曲されたテレマンの「道徳的カンタータ」もその流れを汲んだ作品で、6曲のカンタータはそれぞれ性格的なタイトルを持ち、D.シュトッペによるウィットに富んだ歌詞と、平易ながらも示唆に富んだ音楽が付けられています。このアルバムではドイツを中心に活躍するカウンターテナー、シャハトナーが瑞々しい声で全曲をお楽しみください。各々の曲間には同時代に作曲されたヴィオラ・ダ・ガンバのためのファンタジアが挟み込まれています。
(ナクソス・ジャパン)
マンドリンとフォルテピアノ
アンナ・トルゲ(4コース・ヒストリカル・マンドリン)、ゲラルド・ハンビッツァー(フォルテピアノ)
「イタリアのマンドリンとヴァイオリン」(555050)に続くマンドリン奏者トルゲのアルバム。今作では古典派の4人の作曲家の作品を選び、ガット弦を使用し、豪華な装飾が施された19世紀仕様の楽器を用いて、名手ハンビッツァーとともに魅力的な演奏を披露しています。古典派のマンドリン曲の中で最高傑作とされるフンメル、ギャラント様式(装飾が少ない典雅な作風)で書かれたレオーネ、ポルトガルの知られざる作曲家フェリシアーノ、この3人のソナタと、20代のベートーヴェンが伯爵夫人ジョセフィーヌのために書いたマンドリンのためのソナチネ、どれもマンドリンとフォルテピアノの音が解け合った優美な作品です。
(ナクソス・ジャパン)
【180g 重量盤LP 2枚組】
J.S.バッハ(1685-1750):フーガの技法 BWV1080(F.グレーフによる4本のサクソフォンのための編曲版)
ベルリン・サクソフォン四重奏団
ベルリン・サクソフォン四重奏団によるバッハの名作「フーガの技法」。バリトン・サクソフォンを担当するグレーフが編曲したこの演奏は、CD(999058)発売時に「様々な解釈が存在するこの作品に、また新たな光を当てた」として話題となりました。サクソフォンの音色に溶け合うバッハの幻想的な旋律は、聴き手を瞬時に魅了します。今回は180gの重量盤ヴァイナルLPとして再登場、臨場感に溢れる音質をたっぷりお楽しみいただけます。
(ナクソス・ジャパン)
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カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2018年10月01日 00:00