アンナ・マリコヴァと新鋭ベレヌスSQによるシューマン、ショスタコーヴィチ/ピアノ五重奏曲集
アンナ・マリコヴァは1965年、ウズベキスタンのタシュケント生まれ。タシュケントの音楽学校でタマラ・ポポヴィッチに師事し、モスクワ中央音楽院とチャイコフスキー音楽院ではレフ・ナウモフに師事しました。ちなみに、悲劇の死を遂げたアレクセイ・スルタノフ(1969~2005)、アメリカで美人ピアニストとして活躍中のローラ・アスタノヴァ(1985~)もポポヴィッチ→ナウモフの順に学んでいます。
マリコヴァは1990年のショパン国際ピアノコンクール第5位入賞、1993年のミュンヘン国際音楽コンクールピアノ部門では12年ぶりの第1位獲得など、輝かしいコンクール歴をもっています。
レコーディングでもサン=サーンスのピアノ協奏曲全集(Audite)、チャイコフスキーの《眠りの森の美女》&《くるみ割り人形》ピアノ版(Farao)、ブラームスのピアノ協奏曲第2番、スクリャービンのピアノ・ソナタ集(Acousence)など、大曲やロシア物に名演を聴かせています。
近年は、ヨーロッパ、南アメリカ、アジアの各地でソロ・リサイタルや室内楽で活躍するほか、アジア、モスクワ、ワルシャワでのショパン国際ピアノ・コンクール、ヴィアナ・ダ・モッタ国際ピアノ・コンクール、慶南国際音楽コンクール、フランスでのヨーロッパ国際ピアノ・コンクール等の審査員を務めるなど、ピアノ教授としても名高く、2018年1月に雑誌「ショパン」の表紙を飾ったのは記憶に新しいところです。
「ショパン」誌の表紙を飾ったマリコヴァ
当CDで共演しているスイスのベレヌス四重奏団は モザイク四重奏団やアマティ四重奏団に学び、2011年にはスイス・オルフェウス室内楽コンクールで優勝、その後も様々なコンクールに入賞している新進気鋭の団体です。ヴェテラン・ピアニストと新鋭クァルテットの注目の共演盤と言えるでしょう。各楽器が響きあった豊かな和声の再現性に拘るACOUSENCEレーベルの録音も注目されます。
(タワーレコード 商品本部 板倉重雄)
ベレヌス四重奏団
【曲目】
1. シューマン:ピアノ五重奏曲 変ホ長調 op.44
2. ショスタコーヴィチ:ピアノ五重奏曲 ト短調 op.57
【演奏】
アンナ・マリコヴァ(ピアノ) ANNA MALIKOVA
ベレヌス弦楽四重奏団 BELENUS QUARTET
セレナ・プフェニンガー(第1ヴァイオリン) Sera Pfenninger
アンナ・バテガイ(第2ヴァイオリン) Anna Battegay
エスター・フリッチェ(ヴィオラ) Esther Fritzsche
ヨナス・ヴィシー(チェロ) Jonas Vischi
【録音】
2018年2月3-6日、ドイツ、クレーフェルトでの録音
使用ピアノ:SHIGERU KAWAI EX
カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2018年10月15日 00:00