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マトー&ティボリ・バンドによる『「ザ・ピンク・レディ」~第一次大戦中のベルギー都市派音楽』

ティヴォリ・バンド

このアルバムのリリースからちょうど100年遡った1918年11月は、4年以上におよぶ膠着状態で多くの犠牲者を出してしまった第一次大戦がついに休戦協定を迎えた月。

2014年から欧州各地で展開がみられた第一次大戦前後の芸術を再検討するプロジェクト「1914-1918」にとくに熱心だったのは、ドイツ対フランスの戦役のさなか国土荒廃にさらされたベルギーでした。

イザイやジョンゲンをはじめ、大戦で疎開を余儀なくされたことで実績をあげた作曲家たち、あるいは戦火の犠牲となってキャリアを中断されてしまった作曲家たちの復権に力をあげてきたフランス語圏ベルギーのレーベルMusique en Wallonieはいま、企画の最終年を飾るにふさわしく「大戦期間中のベルギー」に着目、20世紀初頭までに欧州随一の文化大国となっていたはずの自国が大いに荒れてゆくのを横目に、たくましく人々の心に潤いをもたらしつづけた音楽家たちの偉業を世に問うアルバムを制作。

音楽院的クラシック王道とはやや一線を画した、サティやシェーンベルクらを育てた大都市圏ならではの音楽世界を「いま」に甦らせるのは、コープマン、ヘレヴェッヘ、ドンブレヒトら古楽先進地オランダ&ベルギーを代表する指揮者たちが絶大な信頼を置いてきた古楽系コントラバス奏者エリック・マトー率いるサロン楽団。

1843年製プレイエル・ピアノのまわりに集う室内楽の名手たちが、ソプラノとテノールの甘い歌を交え、ワルツやラグなど「ジャズ前夜」のヨーロピアン・サウンドを艶やかに、本場奏者ならではの共感とともに甦らせてゆきます。
国内仕様盤は詳細解説・歌詞日本語訳付。ドビュッシーやラヴェル、R.シュトラウスやシェーンベルク、プロコフィエフなど同時代の周辺諸国の作曲家たちとの比較も面白そうな1枚と言えるのではないでしょうか。
(ナクソス・ジャパン)

『「ザ・ピンク・レディ」~第一次大戦中のベルギー都市派音楽』
【曲目】
1.ラウウェレインス:ホリデイズ(休暇)~アメリカ風行進曲(1914)
2.ラウウェレインス:恋の季節だ(『春のバレエ』より)~ヴァルス・ラント(1919)
3.パーンス:褐色のワルツ~ヴァルス・ラント(1914)
4.アッケルマンス:大幻想曲「不可解な魅力」作品160~同題のオペレッタによる(1917)
5.エーへリクス&マイ:ラ・カノネット(砲手女子)~舞曲(1915)
6.エーヘリクス:ジープ男爵殿~笑劇歌(1917)
7.アッケルマンス:大幻想曲「女性弁護士」作品92~同題のオペレッタによる(1917)
8.シルー2世:いとも麗しき参政権~ニュー・ラグタイム(年代不詳)
9.アッケルマンス:ラ・サボティーヌ(オペレッタ『不可解な魅力』より)~当世風刺歌(1917)
10.パーンス:それは在りし日のワルツ~ヴァルス・ラント(1917)
11.ラウウェレインス:エル・オペラ・タンゴ~タンゴ(1914)
12.キャリル:幻想曲「ザ・ピンク・レディ」~同題のオペレッタによる(1911)
13.アッケルマンス:魔法のカブリオレ(軽馬車)~個性的小品(年代不詳)
【演奏】
ジョエル・シャルリエ (メゾソプラノ)
マクシム・メルニーク(テノール)

「ティヴォリ・バンド」
メンバー:
エリック・ロッベレヒト(ヴァイオリン)
ハンス・カンマールト(ヴァイオリン)
ヒセラ・カンマールト(ヴァイオリン)
カミーユ・フェイェ=ピコー(ヴィオラ)
ラファエル・フェイエ(チェロ)
イェンス・シミロクス=タホン(コントラバス)[2][10][11]
エリック・マトー(コントラバス)
アラン・バジョ (ピアノ)[パリのプレイエル1843年製オリジナル]
エレーヌ・ラガディティス(フルート)[4-7][12-13]
マリー・ラガディティス(フルート)
デインフナ・ファンデンアベーレ(オーボエ)
ヘールト・バーケラント(クラリネット)[1-7][12-13]
ジャン=フィリップ・ポンサン(クラリネット)
ダニエル・ドムスティエ(バスーン)
マルク・ド・ヴレース(トランペット)
ジャン=ミシェル・モナール(ドラムス)
エリック・マトー(コントラバス&総指揮)

【録音】
2017年12月、ヘント(ベルギー)、ミレイ音楽堂

輸入盤

 

国内仕様盤

日本語解説付き
解説日本語訳・補筆、歌詞日本語訳:白沢達生

 


カテゴリ : ニューリリース

掲載: 2018年10月25日 00:00