クリスティアン・ベザイデンホウト、久々のソロ・アルバムはハイドンの鍵盤作品集!
濃厚に漂う芳香、豊かな陰影…ベザイデンホウトがさらなる深みで魅せるハイドン
フォルテピアノの申し子ベザイデンホウト。モーツァルトの全集(2014年完成)以降協奏曲や室内楽、歌曲での録音が続いており、どれも絶賛されましたが、ここで久々に独奏アルバム、ハイドンの登場です。
ハ短調ソナタの冒頭から、濃厚に漂う色、芳香、そして豊かな陰影に驚かれます。弦楽四重奏曲「皇帝」第2楽章のハイドン自身による鍵盤編曲版もベザイデンホウトらしいインスピレーションに満ちた、幻想的な雰囲気のある演奏。
パルティータ(ディヴェルティメント)は、ひょっとしたらハイドンの最初のピアノ曲かもしれないとされているもので、1760年頃の作。既にハイドンが優雅でウィットに富んだ作風を確立していたことを感じさせると同時に、当時ウィーンで流行していたD.スカルラッティをも思わせる、長調と短調の歯切れの良い入れ替わりなどもみられます。初期から後期にわたる幅広いプログラミング。
どの作品も、ベザイデンホウトにしかできない優雅な雰囲気をまといつつ、美しく際だたされた陰影とともに、実に生き生きと響いてきます。
(キングインターナショナル)
【曲目】
ヨーゼフ・ハイドン(1732-1809):ソナタ集
1.ソナタ ハ短調 Hob.XVI:20 (1770頃)
2.「神よ、皇帝フランツをまもりたまえ」の主題による変奏曲 Hob. i, 430(弦楽四重奏曲第77番「皇帝」op.76-3 (1797) の第2楽章のハイドン自身による鍵盤編曲版)
3.パルティータ(ディヴェルティメント)ト長調 Hob. XVI:6 (1760頃)
4.ソナタ ハ長調 Hob.XVI:48 (1789)
5.変奏曲(ソナタ、あるいは小さなディヴェルティメント)ヘ短調 Hob. XVII:6 (1793)
【演奏】
クリスティアン・ベザイデンホウト(フォルテピアノ)
[2009年製ポール・マクナルティ、1805年ウィーン、アントン・ヴァルター&ゾーン・モデル.アレクサンダー・スキーピング・コレクションより]
【録音】
2017年9月
カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2019年01月18日 00:00