Curtis Mayfield(カーティス・メイフィールド)初期スタジオ・アルバム4作最新リマスター『Keep On Keeping On: Curtis Mayfield Studio Albums 1970-1974』
1942年にシカゴで生まれ、58年にその後のシーンに大きな影響を与えることとなったソウル/ゴスペル・グループ、インプレッションズを結成、その後1970年にソロ・アーティストとして活動をスタートし、緊張感あふれるソウル/ファンクなサウンドにのせて、社会問題の告発や人類への愛情を歌い、ソウル・シーンのみならず全ての音楽/エンターテインメントに大きな影響を与える、Gentle Geniusとしても知られるアーティストが、このカーティス・メイフィールドだ。
カーティス・メイフィールドは、インプレッションズとして、そしてソロ・アーティストとして2度も「ロックの殿堂」入りを果たし、アーティストとしてだけではなく、ソングライターやマルチ・インストゥルメンタリスト、プロデューサーとしてもその手腕を発揮してきた、まさに「伝説」の名にふさわしい存在感を持つアーティストだ。20年前に惜しくもこの世を去ってしまった彼だが、彼が遺した音楽は、永遠にこの世に光を照らし続けている。
彼がこの世を去ってから20年、そして彼がソロ・アーティストとしてのキャリアをスタートさせてから50年という節目の年を迎える2019年、彼が1970年から1974年の間に発表したスタジオ・アルバムに新たなリマスターが施され、再び強く輝き始める作品となって生まれ変わることになった。それが、70年の『CURTIS』、71年の『ROOTS』、73年の『BACK TO THE WOLD』、そして74年の『SWEET EXORCIST』という4枚のアルバムの最新リマスター音源をセットにした、この『KEEP ON KEEPING ON: CURTIS MAYFIELD STUDIO ALBUMS 1970-1974』だ。この作品は、4枚組CDと、4枚組アナログ盤という複数形態でのリリース。
インプレッションズ時代
56年に後のインプレションズへとつながるコーラス・グループに参加した時、カーティスはまだ14歳だった。当時はジェリー・バトラーがリード・シンガーを務めていたのだが、彼の脱退後カーティス自らがヴォーカルを担当するようになり、「Gypsy Woman」や「It's All Right」、「People Get Ready」といった大ヒット曲を発表、68年には自身のレーベル、カートムを始動させるなど、多彩な才能を発揮してきた。
『CURTIS』(1970年作品)
70年にカーティスはインプレッションズを離れ、ソロ・キャリアとしてデビュー作となる『CURTIS』を発表。全米R&Bチャートで堂々1位を、ポップ・アルバム・チャートでもTop 20を記録し、ニュー・ソウル運動の中心人物として新たな次元へとその歩みを進めることとなった作品だ。シンセ・ベースとコンガ、そしてワウ・ギター・カッティングが凄まじい緊張感を生み出す「(Don't Worry) If There's A Hell Below, We're All Going To Go」や、多くのアーティストにカヴァーされてきた彼の代表曲であり永遠の名曲「Move On Up」などを収録。
『ROOTS』(1971年作品)
71年にはセカンド・アルバム『ROOTS』を発表。ファンクの躍動感や深い歌詞、そしてドライヴするソウル・サウンドが渦巻く今作は、カーティスの崇高な音楽的野心が漲る、隠れた名盤だ。R&Bチャート6位を記録した今作には、切れ味鋭いビートと唸るシンセ・ベースが印象的な重厚なファンク・トラック「Get Down」や「Beautiful Brother Of Mine」、高揚感溢れるサウンドにのせて平和を歌う「We Got To Have Peace」といった楽曲を収録。ちなみに本作のタイトル『KEEP ON KEEPING ON』は、このセカンド・アルバムに収録されている楽曲からつけられたものだ。
『BACK TO THE WORLD』(1973年作品)
72年に映画『SUPER FLY』のサウンドトラックを手掛け、世界的な成功を手にしたカーティスが73年に発表したサード・アルバムがこの『BACK TO THE WORLD』だ。同朋への深い愛を込め、社会を歌で告発するソウル&ファンクの聖人、カーティスの創造性が頂点に達したこの70年代において、今作を最高傑作だとする声も多いほど強力な存在感を持つ作品だ。ソリッドなビートで切り込む「Future Shock」や「Can't Say Nothin'」、そして軽快なソウル・サウンドがたまらない「If I Were Only A Child Again」などを収録した今作は、全米R&Bチャートで1位を、全米アルバム・チャートでも16位を記録。
『SWEET EXORCIST』(1974年作品)
74年に発表されたこの『SWEET EXORCIST』は、ジャケットの世界観が今までとはがらりと変わっているものの、サウンド的にはシャープに磨き上げられたファンクネスや意識の高いメッセージ性など、カーティスの才能をいかんなく発揮した作品となっている。全米R&Bチャート2位を記録。「Kung Fu」や「Sweet Exorcist」、またダニー・ハサウェイとの共作楽曲「Suffer」などを収録。
【収録曲】
CD ONE: CURTIS
01. (Don't Worry) If There's Hell Below We're All Going to Go
02. The Other Side of Town
03. The Makings of You
04. We The People Who Are Darker Than Blue
05. Move on Up
06. Miss Black America
07. Wild and Free
08. Give It Up
CD TWO: ROOTS
01. Get Down
02. Keep On Keeping On
03. Underground
04. We Got to Have Peace
05. Beautiful Brother of Mine
06. Now You're Gone
07. Love to Keep You in Mind
CD THREE: BACK TO THE WORLD
01. Back to the World
02. Future Shock
03. Right on for the Darkness
04. If I Were Only a Child Again
05. Can't Say Nothin'
06. Keep On Trippin'
07. Future Song (Love a Good Woman, Love a Good Man)
CD FOUR: SWEET EXORCIST
01. Ain't Got Time
02. Sweet Exorcist
03. To Be Invisible
04. Power to the People
05. Kung Fu
06. Suffer
07. Make Me Believe In You