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ボルトン&モーツァルテウム管によるモーツァルトの“レクイエム”とハースの“7つの音響空間”を組み合わせた異色作!世界初演盤!

ボルトン

世界初演!

2005年のライヴ録音。首席指揮者に就任して間もないアイヴォー・ボルトンが、モーツァルテウム管弦楽団を振った異色作がCDで登場しました。

ジュスマイヤー版を始め多くの補筆版が存在するモーツァルトの「レクイエム」ですが、こちらの演奏ではモーツァルト自身が残した自筆部分だけを演奏し、その合間に、1953年オーストリアはグラーツ生まれのゲオルク・フリードリヒ・ハースによる、「7つの音響空間 Klangraum(Soundspace)」という作品を挟んでいくというもの。

「レクイエム」の中で、モーツァルト自身がオーケストレーションまで完成出来たのは第1曲のみなので、本人のスケッチだけを演奏すると、特に「怒りの日」以降は管楽器やティンパニがほとんど無くなってしまうという、非常にさびしい音楽になります。
その「レクイエム」部分での音の隙間は通奏低音のオルガンが積極的に埋めていますが、曲間を繋ぐハースの音楽は、音波を解析して倍音を合成するなどの手法を用いるスペクトル楽派と呼ばれる作風だけに、彼自身が「21世紀的」と語るように非常に刺激的。

ハースが用いたテキストは、最晩年(1791年)のモーツァルトがシュテファン大聖堂の楽長レオポルト・ホフマンに請われて副楽長へ就任した際の、無理解に溢れたウィーン議会からの書簡。
このテキストを合唱団が時に唸り、時に叫ぶように繰り返す中、管弦楽は本編の「レクイエム」の要素を全く用いずに、その木霊のような、あるいは予言のような響きを添えていきます。

示唆に富んだ、たいへん挑戦的な試みではありますが、この構成はその後「G.F.ハース版のレクイエム」と呼ばれることもあり、再演も行われています。
(ナクソス・ジャパン)

『モーツァルト:レクイエム、ハース:音響空間』
【曲目】
モーツァルト(1756-1791):レクイエム (未完の断片)
ゲオルク・フリードリヒ・ハース(1953-):モーツァルト「レクイエム」の断片に添える、7つの音響空間 (2005)

1.永遠の安息を Requiem aeternam
2.憐れみたまえ Kyrie
3.怒りの日 Dies irae
4.音響空間I Klangraum(Soundspace) I
5.妙なるラッパ Tuba mirum
6.音響空間II Klangraum(Soundspace) II
7.みいつの大王 Rex tremendae
8.音響空間III Klangraum(Soundspace) III
9.思い出したまえ Recordare
10.音響空間IV Klangraum(Soundspace) IV
11.呪われし者 Confutatis
12.涙の日 Lacrimosa
13.音響空間V Klangraum(Soundspace) V
14.主、イエスよ Domine Jesu
15.音響空間VI Klangraum(Soundspace) VI
16.賛美の生け贄 Hostias
17.音響空間VII Klangraum(Soundspace) VII

【演奏】
ゲニア・キューマイアー(ソプラノ)
サラ・コノリー(アルト)
トピ・レティプー(テノール)
アラステア・マイルズ(バス)
アントン・ホルツァプェル(オルガン)

アイヴォー・ボルトン(指揮)
ザルツブルク・バッハ合唱団
ザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団

【録音】
2005年11月4日 モーツァルテウム大ホール、ザルツブルク(ライヴ録音)
2018年デジタル・リマスタリング

カテゴリ : ニューリリース

掲載: 2019年01月25日 00:00