『激ロック』スペシャルコーナー【2月レコメンドアイテム】
BRING ME THE HORIZON / 『Amo』
GENRE:ALTERNATIVE ROCK, POST HARDCORE
ジャンルを飛び越え、真のオルタナティヴな存在へ――
2019年の音楽シーンを揺るがすセルフ・プロデュースで挑んだ意欲作!
激烈なデスコア・スタイルを武器に10代で颯爽とデビューしたBMTHが、大きな進化を遂げた。格段に歌唱力を増したOliver Sykes(Vo)が歌い上げる美麗なメロディと、多彩なギター・リフの面白味、緩急自在のリズム隊が繰り出すグルーヴ、生音も打ち込みも自在に操り、細部にまでこだわりを見せる緻密なバンド・アンサンブルを肝としたドラマチックな音世界は衝撃的だ。現代的なヒップホップも、ニューメタル風のヘヴィ・ギターも、ブラス・サウンド(!)も、すべてがBMTHの名のもとに集結し、クロスオーバーし、付け焼刃ではない自らの音楽として昇華し、素晴らしい楽曲群を生み出している。表面的な変化に戸惑う前に、先入観なしで本作と向き合ってほしい。
井上 光一【ライター推薦】
DREAM THEATER / 『Distance Over Time』
GENRE:PROGRESSIVE METAL
プログレッシヴ・メタルの最高峰、DREAM THEATER!
ヘヴィ&メロディックに原点回帰したレーベル移籍第1弾!
プログレッシヴ・メタルの代表格、DREAM THEATERによる、レーベル移籍第1弾の14thアルバム。オーケストラを従えた2時間超えの前作『The Astonishing』とは打って変わって、ヘヴィ且つテクニカル、そしてメロディックという“原点”に立ち返り、アンサンブルの一体感を保ちながら各メンバーのポテンシャルを十二分に発揮した作品に。名盤『Images And Words』を彷彿させる雰囲気のTrack.1、哀愁を帯びたピアノとギター・ソロが心揺さぶるTrack.4、アッパーなリフにエモーショナルなヴォーカルが乗ったTrack.6、真骨頂のスリリングなインストが聴き応え抜群のTrack.9と粒揃いの楽曲を収録。歴代でもコンパクトながら濃密な1枚だ。
菅谷 透【ライター推薦】
QUEENSRŸCHE / 『The Verdict(邦題:評決)』
GENRE:PROGRESSIVE METAL
プログレッシヴ・メタル・レジェンド、QUEENSRŸCHE!
およそ3年ぶりに復活の狼煙を上げるニュー・アルバム!
Todd La Torre(Vo)を含む新5人体制で初となる“LOUD PARK 16”のライヴを観て、新作に期待を寄せた人も多かっただろう。今回もメンバーが一丸となった曲作りが功を奏し、QUEENSRŸCHEらしいヘヴィネスとメロディアスな要素は研ぎ澄まされた印象だ。従来のファンを納得させながら、新たな高みに到達した貫禄の作風は眩しいかぎり。前作を経て、確実にグルーヴ感が高まり、エネルギッシュなサウンドが全編に漲っている。守りに入るのではなく、攻めの姿勢で作り上げた楽曲群はどれもライヴで力を発揮しそう。しかもソングライティングも練り込まれているので、聴けば聴くほど心に沁み入る。それも、前作に引き続きプロデュースを務めたZEUSSの手腕も大きいに違いない。
荒金 良介【ライター推薦】
BUCKCHERRY / 『Warpaint』
GENRE:HARD ROCK
ハード・ロック魂を貫き続ける孤高のバンド BUCKCHERRY!
荒々しく、華やかなThis is ROCK 'N' ROLL!
約3年半ぶりとなるアルバムは、まさに“ロックンロールとはかくあるべき”というスタイルはブレることなく、それを強調するような、よりプリミティヴな音作りが印象的だ。シンプルだからこそ、セクシーなグルーヴや軽やかなギター・ソロなど、ひとつひとつの要素が際立って華やかに聴こえる。特に「Warpaint」は、誰もが期待するようなBUCKCHERRY節のヒリヒリするハード・ロック・ナンバーで、聴く者の心を鷲掴みにする。そして、注目のNINE INCH NAILSカバー「Head Like A Hole」は、原曲の攻撃的な部分が抽出されたパワフルなナンバー。バックグラウンドにあるパンク・ロックの要素が前面に出た楽曲もあり、彼らの荒々しい本性が剥き出しに表現された作品となった。
山本 真由【ライター推薦】
Avril Lavigne / 『Head Above Water』
GENRE:POP, ROCK, EMO
Avril Lavigne、5年ぶりの新作完成!
成熟をアピールし内面では闘志も燃やす、“聴かせる”ニュー・アルバム!
ダンサブルでアップビートな「Dumb Blonde」をはじめ、例外はあるものの、ピアノを主体としたしっとりしたものからダイナミックに迫るロックなものまで、5年ぶりとなる6thアルバムは、バラード作品と言ってもいいほどじっくりと聴かせる曲が大半を占めている。それは曲に込めた想いをじっくりと聴いてほしいからに他ならないが、歌詞をガイドに、なぜ彼女がこういう作品を作ったのかしっかりと受け止めたうえでもなお、期待していた作品じゃないと言えるのかどうか? そこはリスナーが試されているようにも思える。歌詞も含めクラシックなソウルに挑んだ「Tell Me It's Over」など、表面上は実年齢に相応しい成熟をアピールしながら、彼女の内面では闘志がめらめらと燃えている。
山口 智男【ライター推薦】
BORN OF OSIRIS / 『The Simulation』
GENRE:PROGRESSIVE METALCORE, DJENT
仮想現実をテーマにシリアスで高強度な楽曲凝縮した
BORN OF OSIRIS渾身のニュー・アルバム到着!
Djent系のリフにシンフォニックなシンセ・サウンドを織り交ぜたスタイルがここ日本でも人気のBORN OF OSIRISが、アルバムとしては約3年ぶり5枚目となる『The Simulation』をリリース。映画“マトリックス”のような機械の生み出した仮想現実をテーマにしている今作では、Track.1からテクニカルで激重なグルーヴが炸裂。過去作ほどの派手さはないが、そのぶんシリアスで高強度な楽曲を30分足らずの作品にこれでもかと凝縮している。サイバーパンクを思わせるアジアンな旋律のシンセにディレイの効いたアルペジオが幻想的なTrack.4も変化球的で面白いし、無機質なリフにキャッチーなサビ、スリリングなギター・ソロが組み合わさり屈指の完成度を誇るTrack.7は必聴だ。
菅谷 透【ライター推薦】
RHAPSODY OF FIRE / 『The Eighth Mountain』
GENRE:SYMPHONIC POWER METAL
新ヴォーカル Giacomo Voli加入!
本家“RHAPSODY”のあるべき姿を示す新体制初アルバムをドロップ!
約21年間ヴォーカルを務めたFabio Lioneが脱退(※元ギタリストのLuca Turilliと2018年にTURILLI / LIONE RHAPSODYを結成)し、後任としてGiacomo Voliが加入したRHAPSODY OF FIRE。彼らの新体制初となるオリジナル・アルバムは、新たなサーガの幕明けに相応しい、本家“RHAPSODY”としてあるべき姿を示すかのような作品になった。持ち味の壮大なシンフォニック・サウンドを残しつつも、ストレート且つスピード感溢れる楽曲が並び、そこにGiacomoの正統派でパワフルな歌唱が見事にマッチしている。ぜひ先入観なしで聴いていただきたい1枚だ。Giacomoが日本語詞(!)で歌ったボーナス・トラックも要チェック。
菅谷 透【ライター推薦】
【激ロック】
ラウドミュージックに特化したフリーマガジン、ポータルサイトの運営、そして国内外のバンドを招聘してのライブイベント、13年間続くROCK DJパーティーの企画、運営を行っている。さらには渋谷宇田川町に位置する「Music Bar ROCKAHOLIC」と同じく宇田川町にあるロックファッション・ショップ&通販サイト「GEKIROCK CLOTHING」の運営など、クロスメディアを超えたクロスカルチャー展開をシーンに仕掛けるラウドミュージック専門のクリエイティブ集団である。
タグ : ハードロック/ヘヴィメタル(HR/HM) PUNK/EMO
掲載: 2019年02月22日 19:12