ヤンソンス&バイエルン放送響~シューマン:交響曲第1番“春”&シューベルト:同第3番
マリス・ヤンソンスによるロマン派の2つの交響曲が登場。
1815年、18歳のシューベルトがわずか9日間で書き上げた交響曲第3番は、彼の全交響曲中、最も短いながら引き締まった書法を持つ明るい作品です。古典的な様式の中にも様々な試みが見られ、シューベルトが独自の作風を獲得した交響曲としても知られています。
1841年に書かれたシューマンの交響曲第1番も短期間に仕上げられた作品。こちらもスケッチに要した期間は4日間と伝えられています。当時のシューマンは、クララと結婚したばかりであり、溢れる楽想をそのまま総譜に書きつけたのでしょう。若々しい情熱と美しい旋律は、まさに標題の「春」そのものです。
ヤンソンスは、若き作曲家の想いを存分に汲み取り、豊かな響きと細やかな表現で全曲をまとめています。シューマンの交響曲では、第1楽章の第1主題と、流麗な第2主題のコントラストを見事に描き分けます。ゆったりと美しい第2楽章はオーケストラをたっぷり歌わせ、第3楽章では決然とした表情を重視、特徴的なリズムを持つ終楽章の生き生きとした表現は力強い終結部まで途切れることがありません。またシューベルトの交響曲ではリピートを省略することなく、全曲が快活、かつ丁寧に演奏されています。全編に渡ってヤンソンスの統率力とバイエルン放送交響楽団の優れたアンサンブルが際立つ素晴らしい演奏です。
シューマン:交響曲第1番は既発リリース「ロベルト・シューマン:内なる声」(900916、CD4枚組)に収録された音源と同一です。
(ナクソス・ジャパン)
【曲目】
シューマン:交響曲 第1番/シューベルト:交響曲 第3番
シューマン(1810-1856):交響曲 第1番「春」
1.第1楽章:Andante un poco maestoso-Allegro molto vivace-
Animato.Poco a poco stringendo
2.第2楽章:Larghetto-
3.第3楽章:Scherzo. Molto vivace-Trio I. Molto piu vivace-Trio II-
Coda
4.第4楽章:Allegro animato e grazioso
シューベルト(1797-1828):交響曲 第3番 ニ長調 D200
5.第1楽章:Adagio maestoso-Allegro con brio
6.第2楽章:Allegretto
7.第3楽章:Menuetto. Vivace-Trio
8.第4楽章:Presto vivace
【演奏】
マリス・ヤンソンス(指揮)
バイエルン放送交響楽団
【録音】
ヘルクレスザール ライヴ収録
2018年3月21-22日…1-4
2015年1月26-30日…5-8
カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2019年04月30日 00:00