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首席指揮者に就任するアラン・ギルバートとNDRエルプフィルとの初録音!ブルックナー“交響曲第7番”

エルプ・フィル

アラン・ギルバート X NDRエルプフィル、本流のブルックナーで本格始動。

2019年9月、アラン・ギルバートがNDRエルプフィルの新たな首席指揮者に就任し、このドイツ屈指の名門オーケストラの新たな時代が幕を開けます。
ギルバートはこのポスト就任について、「これは2001年に遡る私たちの共演史における新たな一章であり、私はまさに今が最もふさわしい時期だと感じています。NDRエルプフィルとは、音楽を広く、意義深く共有し、偉大な音楽をより身近に、よりわかりやすい存在にしたいという、現代社会における重要な責務を背負っています。同フィルの音楽家たちは熱意に溢れ、私の考え方や行動と軌を一にしています。この音楽的な冒険が楽しみでなりません」と熱く語っています。

彼らの2019-20シーズンは冒頭に#SOUNDS LIKE GILBERT(ドイツ語では#KLINGT NACH GILBERT)と題した3週間のフェスティヴァルが組まれており、9月6日と7日のオープニング・ナイトには、ブラームスの交響曲第1番に始まり、コンポーザー・イン・レジデンスをつとめるウンスク・チンの初演作、そしてバーンスタインの交響曲第1番「エレミア」、アイヴズ「答えのない質問」、そしてヴァレーズ「アメリカ」という20世紀アメリカの生んだ偉大かつ個性的な3作が一晩で取り上げられることになっています。
その後もリンドベルイ「クラフト」とユジャ・ワンとのショスタコーヴィチのピアノ協奏曲2曲、旧本拠地であるライスハレでのハイドンの夕べ、ギルバートがヴィオラ奏者として参加するブラームスの弦楽六重奏曲2曲、来年生誕250年を記念するベートーヴェンの交響曲第7番とヴィトマンを組み合わせるなど、シーズン早々からギルバート節全開ともいえる華やかさです。
そのほかシーズン中にはヴェルディ「レクイエム」、「マイ・フェア・レディ」(ジルヴェスター・コンサート)なども予定され、ハンブルク音楽祭ではヤナーチェク「グラゴール・ミサ」も取り上げられることになっています。

これまでニューヨーク・フィルを中心に、ロイヤル・ストックホルム・フィルやサンタ・フェ室内楽音楽祭のアンサンブルなどとともに、個性的なディスコグラフィを築き上げてきたギルバートですが、ニューヨーク・フィル時代の充実ぶりを刻んだニールセンの交響曲・協奏曲全集(当代随一の名全集!)などもあるとはいえ、どちらかというと同時代音楽のディスクが多く、ロマン派作品の録音はこれまで数えるほどしかありませんでした。
その意味で、ギルバート初のブルックナーとなる当ディスクは必聴のディスクであり、またこの交響曲を自家薬籠中のものとしているNDRエルプフィル(ヴァントのもとで正規録音がRCAに2種類残されているほか、ヴァント、シュミット=イッセルシュテット、クレンペラーらとの放送録音もCD化されています)の首席指揮者就任決定後の初の録音であることも大きく注目していただくべきポイントと申せましょう。
いわばお互いに将来を約束したコンビが最初に選んだのがこのブルックナーであったわけです。なおこの曲は2019-20年シーズン中、2019年11月にも再演されることになっており、このコンビの作品へのコミットぶりがわかります。

ブルックナーの交響曲第7番について、ギルバートは次のように語っています:
 『ブルックナーに限らず、作曲家は皆そうですが、現実にあるものを曲にしているわけではありません。そこには自由と拡がりがあります。この曲で言いますと、最初のチェロとホルンによる第1テーマが悲しいというより幸せ・・・生きていることそのものへの喜び、人間として生まれてきたことに感謝を感じているかのようです。第2楽章はご存知の通り、ここを作曲しているときに尊敬しているワーグナーが亡くなり、その葬送の音楽として書き進めました。とはいえ、結局は生きる喜びを綴っているように私は感じます。ブルックナーは「生きること」を体験し、模索し、探求しているのではないでしょうか。私がNDRを指揮してブルックナーの演奏を成功させることは、このオーケストラの「質」を問われることに直結すると思っています。偉大な故ギュンター・ヴァントとの伝統もありますし、もちろんこの「第7交響曲」は素晴らしいオーケストラでないといい演奏はできません。』
(2018年11月の日本公演に向けてのKAJIMOTOによるインタビューより)

この言葉通り、2018年11月の来日公演では、両者の息がぴったり合った緊密かつ豪壮な名演を聴かせてくれました。その来日公演の成果を受け、今年6月に収録されたばかりのアルバムです。
オーケストラ配置も、日本公演同様、第1・第2ヴァイオリンを左右に分け、コントラバスを舞台左手に置くいわゆる「クラシカル配置」。
日本でも2018年4月から東京都交響楽団の首席客演指揮者に就任しており、2019年7月にはブルックナーの「ロマンティック」を取り上げ、隅々まで精緻にコントロールしたシリアスな名演を披露し、ギルバートが新たな境地に入ったことを窺わせてくれました。
NDRエルプフィルとはじっくりと腰を据えてブルックナーの交響曲に取り込みたいと意気込むアラン・ギルバート、その最新録音の登場です。
(ソニーミュージック)

【曲目】
ブルックナー:交響曲第7番ホ長調 WAB107

【演奏】
アラン・ギルバート(指揮)
NDRエルプフィルハーモニー管弦楽団

 【録音】
2019年6月25-27日、ハンブルク、エルプフィルハーモニー(セッション録音)

カテゴリ : ニューリリース | タグ : ANTON BRUCKNER

掲載: 2019年08月09日 00:00