シフ&ハイティンクのベートーヴェン、ブッフビンダーのディアベッリ変奏曲全集、プレヴィン&ルプーのモーツァルトが復活!
ワーナー・クラシックスの“オリジナル・ジャケット・シリーズ”より、上記3つの名盤が復活します。前2タイトルはテルデック・レーベルの録音。シフとハイティンクは90年代後半の定盤、ブッフビンダーは有名なベートーヴェン作だけではなく、「様々な作曲家によるディアベリのワルツの主題による50の変奏曲」も収録した1973年録音のレア盤でした。プレヴィン&ルプーは先にLPレコード(品番:9029546098)で復活して好評だった録音です。
(タワーレコード 商品本部 板倉重雄)
アンドラーシュ・シフ/ ベートーヴェン:ピアノ協奏曲全集 & 熱情
王道の名演!アンドラーシュ・シフ&ハイティンクのベートーヴェン協奏曲全集
1996年に、ハンガリー出身の大家シフが満を持して取り組んだベートーヴェンのピアノ協奏曲全集。その気になればバルトークを誰よりも先鋭に弾きこなすことなど造作も無い技巧の冴えを持ちながら、常に作品本来の美質を抽出することに意を傾け、鋭利な知性を厳しくコントロールしてふくよかな音楽を形成するこのピアニストならではの、あらゆる点で高度きわまりないベートーヴェン演奏。ここで聴き手を虜にするのは何よりも作品の威容であり、気品のある美しさ。細部に至るまで慎重に吟味され、納得のいくまで練り上げられた完成度の高いアプローチによる名演です。余白にピアノ・ソナタ『熱情』も収録。
【収録曲】
ベートーヴェン:
1) ピアノ協奏曲第1番ハ長調Op.15
2) ピアノ協奏曲第2番変ロ長調Op.19
3) ピアノ協奏曲第3番ハ短調Op.37
4) ピアノ協奏曲第4番ト長調Op.58
5) ピアノ協奏曲第5番変ホ長調Op.73「皇帝」
6) ピアノ・ソナタ第23番ヘ短調Op.57「熱情」
【演奏】
アンドラーシュ・シフ(ピアノ)
ベルナルト・ハイティンク(指揮)ドレスデン・シュターツカペレ[1-5]
【録音】
1996年3, 11, 12月、ドレスデン、聖ルカ教会
ルドルフ・ブッフビンダー/ ディアベリのワルツの主題による変奏曲全集
ブッフビンダーによる、2つのディアベリ変奏曲の大名演
作曲家・楽譜出版人として活動したアントン・ディアベリ(1781-1858)はハイドンの弟子で、音楽教師として生計を立てていましたが、一念発起して1824 年、楽譜出版社ディアベリ商会を設立。そこで思いついたのが、フンメル、ツェルニー、シューベルト、リスト…など、約 50 人の音楽家にディアベリが自作した 32 小節のワルツ主題をもとに作曲してもらい、彼らの名前を冠した「変奏曲集」を出版するという企画を思いついたのです。そしてそれらを集大成し出版したのが「ディアベリのワルツの主題による50の変奏曲」なのです。ベートーヴェンは当初この主題を酷評し、依頼に応じませんでした。しかし、交響曲「第九」の作曲中に気休めで筆を走らせ、1時間近くの大作を仕上げてしまったのが「ベートーヴェン:ディアベリ変奏曲Op.120」だったのです。
1946年生まれで、神童と呼ばれた名ピアニスト、ルドルフ・ブッフビンダー(ウィーン音楽院に5歳で入学し、音楽院ホールに11歳でデビュー)は、ベートーヴェンのソナタ全曲を、何十年も勉強し演奏し続けています。さらに1970年代のはじめから、32曲のソナタ全曲演奏を50回もおこなっています。ベートーヴェンの〈ディアベリ変奏曲〉を最高の難曲と指摘し、「技巧的にも、知的な理解の面でも肉体的な面でも難度が高い」「登頂がむずかしい巨大な山」と、ブッフビンダーは語っています。そのベートーヴェンと、様々な作曲家による50の変奏曲を、1973年に録音した名演アルバムの再発売です。
《様々な作曲家によるディアベリのワルツの主題による50の変奏曲》の作曲家
主題:アントン・ディアベリ - Anton Diabelli (1781-1858)
第1変奏:イグナーツ・アスマイアー - Ignaz Assmayer (1790-1862)
第2変奏:カール・マリア・フォン・ボックレット - Carl Maria von Bocklet (1801-1881)
第3変奏:レオポルト・オイスタッシュ・ツァペク - Leopold Eustache Czapek
第4変奏:カール・ツェルニー - Carl Czerny (1791-1857)
第5変奏:ヨーゼフ・ツェルニー - Joseph Czerny (1785-1831)
第6変奏:グラーフ・モーリツ・フォン・ディトリヒシュタイン - Graf Moriz von Dietrichstein (1775-1864)
第7変奏:ヨゼフ・ドレスクラー - Joseph Drechsler (1782-1852)
第8変奏:エマニュエル・アロイス・フェルスター - Emanuel Aloys Forster (1748-1823)
第9変奏:フランツ・ヤコプ・フライシュッテトラー - Franz Jakob Freystadtler (1761-1841)
第10変奏:ヨハン・ゲンスバッハー - Johann Gänsbacher (1778-1844)
第11変奏:ヨーゼフ・ゲリネック - Josef Gelinek (1758-1825)
第12変奏:アントン・ハルム - Anton Halm (1789-1872)
第13変奏:ヨハン・ホフマン - Johann Hoffmann (1770-1814)
第14変奏:ヨハン・ホルツァルカ - Johann Horzalka (1798-1860)
第15変奏:ヨゼフ・フグルマン - Joseph Huglmann (1768-1839)
第16変奏:ヨハン・ネポムク・フンメル - Johann Nepomuk Hummel (1778-1837)
第17変奏:アンセルム・ヒュッテンブレンナー - Anselm Hüttenbrenner (1794-1868)
第18変奏:フレデリック・カルクブレンナー - Frédéric Kalkbrenner (1785-1849)
第19変奏:フリードリッヒ・アオグスト・カンネ - Friedrich August Kanne (1778-1833)
第20変奏:ヨゼフ・ケルツコフスキー - Joseph Kerzkowsky (1791-)
第21変奏:コンラディン・クロイツァー - Conradin Kreutzer (1780-1849)
第22変奏:ハインリヒ・エドゥアルト・ヨゼフ・フォン・ランノイ - Heinrich Eduard Josef von Lannoy (1787-1853)
第23変奏:マルクス・ライデスドルフ - Marcus Leidesdorf (1787-1840)
第24変奏:フランツ・リスト - Franz Liszt (1811-1886)
第25変奏:ヨーゼフ・マイセダー - Joseph Mayseder (1789-1863)
第26変奏:イグナーツ・モシェレス - Ignaz Moscheles (1794-1870)
第27変奏:イグナーツ・フランツ・バロン・フォン・モーゼル - Ignaz Franz von Mosel (1772-1844)
第28変奏:フランツ・クサヴァー・モーツァルト - Franz Xaver Mozart
第29変奏:ヨーゼフ・パニー - Joseph Panny (1794-1838)
第30変奏:ヒーロニムス・パイヤー - Hieronymus Payer (1787-1845)
第31変奏:ヨハン・ペーター・ピクシス - Johann Peter Pixis (1788-1874)
第32変奏:ヴェンツェル・プラッキー - Wenzel Plachy (1785-1858)
第33変奏:ゴットフリート・リーガー - Gottfried Rieger (1764-1855)
第34変奏:フィリップ・ヤコプ・リオッテ - Philipp Jakob Riotte (1776-1856)
第35変奏:フランツ・ド・パウラ・ローザー - Franz de Paula Roser (1779-1830)
第36変奏:ヨハン・バプティスト・シェンク - Johann Baptist Schenk (1753-1836)
第37変奏:フランツ・ショーバーレヒナー - Franz Schoberlechner (1797-1843)
第38変奏:フランツ・シューベルト - Franz Schubert (1797-1828)
第39変奏:シモン・ゼヒター - Simon Sechter
第40変奏:ルドルフ大公 - Rudolph (Archduke of Austria) (1788-1831)
第41変奏:アッベ・マクシミリアン・シュタードラー - Abbe Maximilian Stadler (1748-1833)
第42変奏:ヨーゼフ・フォン・ツァーライ - Joseph von Szalay (1800-1860)
第43変奏:ヴァーツラフ・ヤン・クルシュティテル・トマーシェク - Vaclav Jan Kritel Tomasek (1774-1850)
第44変奏:ミヒャエル・ウムラオフ - Michael Umlauf (1781-1842)
第45変奏:フリードリヒ・ディオニス・ウェーバー - Friedrich Dionys Weber (-1842)
第46変奏:フランツ・ウェーバー - Franz Weber (1805-1876)
第47変奏:チャールズ・アンゲルス・フォン・ウィンクラー - Charles Angelus von Winkhler (1796-1845)
第48変奏:フランツ・ヴァイス - Franz Weiss (1778-1830)
第49変奏:ヤン・アウグスト・ヴィタ-セク - Jan August Vitasek (1770-1839)
第50変奏:ヤン・ヴァーツラフ・フーゴ・ヴォジーシェク - Jan Hugo Voříšek (1791-1825)
コーダ:カール・ツェルニー - Carl Czerny (1791-1857)
【収録曲】
1) ベートーヴェン:ディアベリのワルツの主題による33の変奏曲 ハ長調 Op.120
2) 様々な作曲家によるディアベリのワルツの主題による50の変奏曲
【演奏】
ルドルフ・ブッフビンダー(ピアノ)
【録音】1973年
アンドレ・プレヴィン/ モーツァルト:ピアノ協奏曲第10 & 20番
洗練・洒脱。若きプレヴィンの爽やかなモーツァルト、2019年24bit/96kHz新リマスター
品格が高く、上質なデリカシーを持つプレヴィンならではのモーツァルト。当時の若手ピアニスト、ルプーを起用し、彼とのコラボレーションによって同質な品格を具えた暖かみのあるデリケートな演奏を展開し、第20番はプレヴィンによるまさにワンマン・プレイ。短調における彼のモーツァルト解釈は、次元の違う音楽的側面を覗かせています。オリジナル・マスターテープより、2019年24bit/96kHzリマスター音源を使用。アナログLP盤、デジタル配信先行発売(2019年6月)でしたが、待望のCDでの再発売です。
【収録曲】
モーツァルト:
1) ピアノ協奏曲第10番変ホ長調K.365(2台のピアノための協奏曲)
2) ピアノ協奏曲第20番ニ短調K.466
【演奏】
アンドレ・プレヴィン(ピアノ&指揮) ロンドン交響楽団、
ラドゥ・ルプー(ピアノ:K.365)、
【録音】
1975年12月、ロンドン、アビイ・ロード・スタジオ(K.365)
1976年7月、ロンドン、キングズ・ウェイ・ホール (K.466)
カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2019年12月06日 12:00