ザニージ&ソッリマ~ヴァイオリンとチェロのデュオ・アルバム『海から来たレディ~ヴァイオリンとチェロによる二重奏、18世紀から21世紀へ』
[Cappella Mediterranea 公式チャンネルより]
今をときめくソッリマが、バロックの異才と解き明かす「異形のデュオ」の系譜
2019年の来日でも大きな話題を呼んだイタリアのチェロ奏者=作曲家ジョヴァンニ・ソッリマ。弦楽器の機能を知り尽くしたうえで繰り出される音は精悍にして妖艶、時に異国情緒をはらみつつもクラシカルな端正さを失わず、多方面にわたるリスナーを魅了してきました。
バロック楽器へのまなざしも熱い21世紀型のプレイヤーとしても独特の存在感をあらわしつつあるソッリマが今回、イル・ジャルディーノ・アルモニコやラ・ディヴィナ・アルモニアなどイタリア最前線の古楽器グループであざやかな活躍をみせてきたバロック・ヴァイオリン奏者キアーラ・ザニージとタッグを組み、ヴァイオリンとチェロでバロック・古典・近現代をまたぐ痛快なアルバムを世に問います。
アルバムタイトルの「海から来たレディ」とは彼らも乗船する一艘の外洋艇、レディ・ローレンのこと。
さまざまな事情を抱えた人々と船上生活をともにする彼らのプログラムから生まれた今回のアルバムには、チェンバロなどを伴わずチェロだけが低音部を支えるバロック後期特有の新技法にもとづく曲が多数含まれていながら、時に古典派のブレヴァルや近代ロシアの名匠グリエール、そしてソッリマ自身の新作も織り交ぜた厳選選曲。
18世紀作品では弓を持ち替え、作品の様式に合った古楽奏法も繰り出しながら、デュオとしてはやや珍しいこの編成ならではの音楽美を縦横無尽に堪能させてくれます。
ピリオド奏法がもはや大前提として存在する21世紀ならではの室内楽の形、聴き逃せない欧州音楽の最前線です。
(ナクソス・ジャパン)
『海から来たレディ―~ヴァイオリンとチェロによる二重奏、18世紀から21世紀へ』
【曲目】
1) フランチェスコ・バルサンティ(1690~1770):エイボイン卿の歓待、またの名をカンバーノールド荘
2-4) アントニオ・ヴィヴァルディ(1678~1741):第2ソナタ・ダ・カメラ ト長調 RV 71
5) ジョヴァンニ・ソッリマ(1962~):パンの歌 ~連作『スーツケース』より
6-8) ジョヴァンニ・バッティスタ・コスタンツィ(1704~1778):二つのチェロまたはヴァイオリンとチェロのための第1ソナタ
9) レインホリト・グリエール(1875~1956):間奏曲第5番 ~『八つの小品』作品39より
10) ブレヴァル:第4二重奏曲
11) ソッリマ:死ぬのか、それとも殺されるのか ~『マケドニアの歌』より
12) バルサンティ:麗しのマレイ伯
13-15) ジョヴァンニ・ベネデット・プラッティ(1697~1763):ヴァイオリンとチェロのための第3リチェルカータ I 202
16) ダミアーノ・ダンティ(1970~):アダージョ・モルト
17) ジャン=バティスト・ブレヴァル(1753~1823):第3二重奏曲
18-20) コスタンツィ:二つのチェロまたはヴァイオリンとチェロのための第2ソナタ
21) グリエール:間奏曲 第6番~『八つの小品』作品39より
22) バルサンティ:カニーデンのエニシダは知っている
23-25) カルロ・テッサリーニ(1690頃~1766):ヴァイオリンとチェロのための第2の誘惑
26) ソッリマ:レディー・ローレン号 ~連作『スーツケース』より
【演奏】
キアーラ・ザニージ(ヴァイオリン)
使用楽器:ナポリのヨーゼフ・ガリアーノ1761年製オリジナル
弓:ロルフ・アシュミード(バロック仕様)、グイード・デ・ヴェッキ(古典派仕様)、ジョヴァンニ・ルッキ(現代仕様)
ジョヴァンニ・ソッリマ(チェロ)
使用楽器:クレモナのフランチェスコ・ルッジェーリ1679年製オリジナル
弓:ロルフ・アシュミード(バロック仕様)、アンドレアス・グリュッター(古典派仕様)、ジャック・プーロ(現代仕様)
【録音】
2019年3月18~21日
コルタッチア文化館(イタリア北部ボルツァーノ地方)
[日本語解説付]
解説日本語訳:白沢達生
カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2019年12月26日 00:00