世界初録音!ラファエラ・グロメスによるR.シュトラウス:チェロ・ソナタの初稿版収録!
シュットラウスの若きロマンティシズムの発露——チェロ・ソナタの初稿・世界初録音。
2012年、ガルミッシュ=パルテンキルヒェンにおいて開催された「リヒャルト・シュトラウス・フェスティヴァル」チェロ部門の覇者、ラファエラ・グロメス。1991年ミュンヘンに生まれ、4歳でチェロを学び始め、14歳でグルダのチェロ協奏曲を弾いてソリストとしてデビュー。ライプツィヒ音楽院で2010年から4年間、ミュンヘンでウェン・シン・ヤンに師事し、ライハルト・ラツコ、ペーター・ブルンス、ダヴィッド・ゲリンガス、ヴォルフガング・ベッチャーにも学んでいます。「技術だけでなく、個性的な魅力を持つ勇気ある好奇心とエネルギー」とヨーヨー・マは絶賛しています。またソニー・クラシカルへの3枚のアルバムでは、「完璧なテクニックとイントネーション、高い集中度による、魅力的に仕上がった演奏」と高い評価を得ています。また、2019年に発売した「オッフェンバック:チェロ作品集」は、欧州でのクラシック・チャートのTop20にも入り、ベストセラーにもなりました。
このアルバムでは、リヒャルト・シュトラウスの「チェロ・ソナタ」の初稿版が世界初録音として収録されています。
当時18歳のシュトラウスがミュンヘン大学に入学した頃、1882年から翌1883年にかけて作曲され、1883年10月にミュンヘンのヨーゼフ・アイプル社から出版、同年12月8日にニュルンベルクで、ハンス・ヴィーハンのチェロで初演されました。しかし実は彼がまだ高校生だったときにその初稿版を完成させ、1881年5月5日、同じハンス・ヴィーハンによって初演されていたのです。当時ミュンヘン宮廷管弦楽団の首席チェロ奏者を務めていたハンス・ヴィーハンとの出会いがきっかけで作曲したといわれており、「これらの関係を通じて、シュトラウスはヴィーハンと彼の楽器の慣用的な可能性を知るようになった」と言っており、彼はオーストリアの詩人フランツ・グリルパーツァーの詩を初稿版の原稿に書いていました。また、作曲コンクールに応募していた作品だったのです。この曲は残念ながら受賞は逃していますが、若きシュトラウスのメンデルスゾーンやシューマンの詩人的なロマンを感じさせる作品の初稿版と第2稿版(通常版)の2つ両方を比較できるように、両方収録されています。
また、シュトラウスの有名な歌曲のユリアン・リームによるチェロとピアノのための編曲版も収録されています。
ラファエラ・グロメスとユリアン・リームによる「チェロ・ソナタ」の通常版での演奏は、2012年リヒャルト・シュトラウス・フェスティヴァル・コンクールでのライヴ録音が発売されていますが、ここでは満を持してのスタジオ録音となっています。
(ソニーミュージック)
【曲目】
R.シュトラウス:
1-3. チェロ・ソナタ ヘ長調 Op.6 TrV.115(初稿版)
4. 8つの歌曲 Op.10 より「献呈」(ユリアン・リーム編)
5. 8つの歌曲 Op.10 より「夜」(ユリアン・リーム編)
6. 5つの素朴な歌 Op.21 より「私の心の小さな王冠であるあなた」(ユリアン・リーム編)
7. 5つの素朴な歌 Op.21 より「ああ恋人よ、別れねばならない」 (ユリアン・リーム編)
8. 4つの歌曲 Op.27 より「ツェツィーリエ」(ユリアン・リーム編)
9. 4つの歌曲 Op.27 より「明日」(ユリアン・リーム編)
10-12. チェロ・ソナタ ヘ長調 Op.6 TrV.115(第2稿版)
13. 楽劇『ばらの騎士』より「ワルツ」(ユリアン・リーム編)
【演奏】
ラファエラ・グロメス(チェロ)
ユリアン・リーム(ピアノ)
【録音】
2019年10月9-11日、ミュンヘン、バイエルン放送第2スタジオ
カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2020年01月17日 00:00