全て初出!ニッポン放送伝説の名演シリーズ~山田一雄とNFC交響楽団(5タイトル)
ニッポン放送で1955年から2005年まで続き、音楽ファンから支持を受けていた「新日鉄コンサート」(1970年まではフジセイテツ・コンサート)。
既成のレコードを放送するのでなく、内外の名演奏家の実演を公開収録する趣旨だったゆえ、貴重音源が多数作られました。
今回は現在も根強いファンを持つ名指揮者山田一雄がNFC交響楽団と共演した貴重な音源で、すべて初出。NFC交響楽団はニッポン放送のN、フジセイテツのF、コンサートのCの頭文字から由来し、在京オーケストラから選抜した奏者による非常設団体。演奏技術は高く、60年以上前日本とは思えぬ見事な演奏を繰り広げています。初出音源のみならず、山田一雄のディスコグラフィにない作品も多く含まれ、ファン狂喜の内容となっております。
*古い音源を使用しているため、テープ劣化によるお聴き苦しい点もございます。予めご了承下さい。
(キングインターナショナル)
山田一雄の真骨頂、
昭和30年代初頭の日本の音楽ファンを圧倒した
第9が蘇る!
フジセイテツコンサート放送1周年記念として1956年9月29日に産経ホールで、ベートーヴェンの交響曲第9番の終楽章が演奏されました。当時最高の独唱陣、オーケストラはもちろん山田一雄指揮NFC交響楽団でした。
山田一雄の第9は数種の録音が残されていますが、1956年当時はまだ第9を実演で頻繁に楽しめる時代でなかったこともあり満場の聴衆も熱狂、44歳の山田も後年には見られない強烈なエネルギーを発散させています。翌年の第8番も活き活きとした推進力にあふれ、山田一雄壮年期の芸術を明瞭に伝えてくれます。
KKC 2517(CD)
モノラル
日本語帯・解説付
ニッポン放送開局65周年記念
伝説の名演シリーズ 山田一雄NFC響幻の演奏
ベートーヴェン:(1)交響曲第8番 ヘ長調 Op.93 (1957.6.1放送)
(2)交響曲第9番 ニ短調 Op.125「合唱」~第4楽章 (1956.9.29産経ホール 1956年10.6放送)
山田一雄(指揮) NFC交響楽団
三宅春恵(ソプラノ)、川崎静子(アルト)、柴田睦陸(テノール)、秋元雅一郎(バリトン)、
玉川学園合唱団
山田一雄の壮麗な「ジュピター」と
ロマンティックなショパン
山田一雄はモーツァルトの交響曲第40番「ジュピター」を得意とし、録音も数種残っていますが、さらなる名演が加わることとなりました。いずれの録音よりも若々しいはつらつさに満ち、大きな音楽性を聴かせてくれます。
注目の珍品がショパン作品をオーケストレーションしたバレエ音楽「レ・シルフィード」。細かい記録が残っておらず。放送日から1950年代後半の収録とされています。名ピアニストでもあった山田は、あたかもオーケストラを弾くかのようにロマンティックな情感たっぷりの世界を聴かせてくれます。
KKC 2518(CD)
モノラル
日本語帯・解説付
(1)モーツァルト:交響曲第41番ハ長調K.551「ジュピター」 (1969.6.7放送)
(2)ショパン(ダグラス編):レ・シルフィード
山田一雄(指揮) NFC交響楽団
マーラーの先取りを思わせさえする、
山田一雄のハイドン「軍隊」
巌本真理を迎えたヴァイオリン協奏曲
明快で推進力あふれるハイドンの音楽は山田一雄の音楽性と合っているように思われます。しかし残念なことに交響曲第101番「時計」などしか録音が残されていませんでした。ここに3作が登場、その魅力を垣間見ることができます。
「軍隊」は想像以上のきびきびした快演ですが、古典派ながらどこかマーラーの音楽さえ想像させるのが興味津々。ヴァイオリン協奏曲は巌本真理が独奏を務めているのに注目。説得力満点です。フィルアップは名曲「セレナード」で、山田一雄ならではのたっぷり歌いこんだ美演となっています。
KKC 2519(CD)
モノラル
日本語帯・解説付
ハイドン:
(1)交響曲第100番ト長調「軍隊」(1956.7.20放送)
(2)ヴァイオリン協奏曲第1番ハ長調(1961.9.30放送)
(3)セレナード (1961.9.30放送)
山田一雄(指揮) NFC交響楽団、巌本真理(ヴァイオリン)(2)
オーケストラも雄弁。
ハウツィヒと潮田益子、
山田一雄との貴重な共演が日の目を見る
山田一雄は協奏曲の指揮でも定評があり、フジセイテツコンサートでも名人技を残していました。グリーグのピアノ協奏曲は懐かしの名手ワルター・ハウツィヒが独奏を務めています。ハウツィヒといえばピアノの名作集で知られており、本格的な協奏曲は珍しいと申せましょう。
グラズノフのヴァイオリン協奏曲は同(1963)年にエリザベート王妃国際コンクールに第5位入賞を果たした潮田益子(1942.2013)の独奏。全曲でないのが残念ですが、新鮮かつ真摯な演奏。山田一雄のバックもグラズノフの色彩的なオーケストレーションを見事に再現しています。フィル・アップのシベリウスの「フィンランディア」は山田一雄ならではの爆演が聴きものです。
KKC 2520(CD)
モノラル
日本語帯・解説付
(1)グリーグ:ピアノ協奏曲イ短調Op.16(1956.12.29日本青年館 1957.1.19放送)
(2)シベリウス:フィンランディアOp.26 (1961.12.16放送)
(3)グラズノフ:ヴァイオリン協奏曲イ短調Op.82より第1部 (1963.6.15放送)
山田一雄(指揮)NFC交響楽団、
ワルター・ハウツィヒ(ピアノ)(1)、潮田益子(ヴァイオリン)(3)
語りも見事。
子供から大人まで満足できる
「ピーターと狼」と「管弦楽入門」
プロコフィエフの「ピーターと狼」とブリテンの「青少年のための管弦楽入門」はともに子供も親しめる名作ですが、プロコフィエフが歿したのは当コンサートの3年前、ブリテンは山田より1歳年少という、まさに同時代の音楽でした。
両作品とも語りが重要ですが、「ピーターと狼」を佐藤美子、「青少年のための管弦楽入門」を高岡尞一郎が務めているのも注目。佐藤美子(1903.1982)は往年の名ソプラノ歌手。「カルメン」が当たり役で「カルメンお美」と称されるほどでした。母はフランス人で海外生活も長かったにもかかわらず、古風な日本語の美しさに驚かされます。高岡尞一郎はニッポン放送アナウンサーで長くフジセイテツコンサートのナレーションを務めましたが、1967年に開始された「オールナイトニッポン」の初代パーソナリティとしても人気を誇りました。山田一雄の音楽の語り口の巧さともどもプロの至芸を再認識させてくれます。
KKC 2521(CD)
モノラル
日本語帯・解説付
(1)プロコフィエフ:ピーターと狼(1956年5.19放送)
(2)ブリテン:青少年のための管弦楽入門(1961.12.16放送)
山田一雄(指揮)NFC交響楽団、佐藤美子(1)、高岡尞一郎(2)(語り)
カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2020年04月27日 18:15