注目アイテム詳細

世界初録音!エルヴェ・ニケ&ル・コンセール・スピリチュエル~リュリ:抒情悲劇“アルミード”1778年改訂版(2CD+BOOK)


[Alpha Classics 公式チャンネルより]

ニケの手によって史上初めて上演された幻の1778年版、「グルック後」のリュリ改訂稿!

リュリ最晩年の傑作であり、長年タッグを組んだ詩人キノーと最後に完成させることが出来た歌劇《アルミード》。1686年の初演以降、オペラ座の上演の柱として長く君臨し続けましたが、流行の変化もあり1766年を最後に舞台に掛けられる機会はなくなりました。
折しもウィーン皇室から輿入れしてきたマリー=アントワネットの招きで、パリではグルックが新しいフランス語オペラの王者として君臨しつつあった頃。1777年にはリュリ作品をさしおいてグルックが新版《アルミード》を書き成功を収めていました。しかしフランス国粋派のなかにはグルックに猛反発する勢力もあり、彼らは1770年にヴェルサイユ王室歌劇場落成記念で上演された《ペルセー》(ニケによる1770年版の録音あり/ALPHA967)のように、リュリ作品を新時代に合わせて改稿することで復権をねらいます。
当時パリ・オペラ座で活躍していたルイ=ジョゼフ・フランクール(長命作曲家フランソワ・フランクールの甥)による改稿ではクラリネットやホルンなど、古典派時代のフランスならではの楽器が効果的に用いられ驚くほど新鮮な響きでありながら、リュリ作品の魂はそのまま生きた独特の仕上がりになっています。しかしこの改訂版は未完に終わり上演はされず、そのまま忘れ去られてしまいました。

フランスの埋もれた名作を蘇らせることに定評あるエルヴェ・ニケが、史上初めてこの版による上演を行い、その後録音されたのが今回のアルバムです。手つかずだった第5幕第3場以降は、音楽学者ブノワ・ドラトヴィツキとジュリアン・デュブルクが周到に補筆。歌手陣もジャンス、メヘレン、クリストヤニスほかというこの上ない豪華な面々を揃え、作品の真価を問う素晴らしい演奏となりました。またオリジナル版から100年の、フランスに於ける音楽事情の変化を聴くことが出来る点でも、たいへん貴重な録音と言えるでしょう。
フランス語のリブレットとその英訳、多くの資料画像を掲載した80ページ以上におよぶカラーブックレット付き。
(ナクソス・ジャパン)

【曲目】
ジャン=バティスト・リュリ(1632-1687):抒情悲劇《アルミード》プロローグと全5幕
ルイ=ジョゼフ・フランクール(1738-1804)による1778年改訂版
台本…フィリップ・キノー/トルクァート・タッソ『イスラエル解放』による

【DISC 1】…第1幕、第2幕
【DISC 2】…第3幕、第4幕、第5幕
※ 1778年版世界初録音

【演奏】
アルミード…ヴェロニク・ジャンス(ソプラノ)
ルノー…レイナウト・ファン・メヘレン(テノール)
イドラオ、憎悪…タシス・クリストヤニス(バリトン)
フェニス、リュサンド…シャンタル・サントン=ジェフリー(ソプラノ)
シドニー、水の精、快楽…キャスリーン・ワトソン(ソプラノ)
アロンテ、アルテミドール、ウバルド…フィリップ=ニコラ・マルタン(バリトン)
騎士ダノワ…ザッカリー・ワイルダー(テノール)

ル・コンセール・スピリチュエル(合唱と管弦楽/古楽器使用)
エルヴェ・ニケ(指揮)

【録音】
2019年4月 アルセナール音楽ホール、メス、フランス

カテゴリ : ニューリリース

掲載: 2020年07月21日 00:00