CPO レーベル~2020年9月発売新譜情報(6タイトル)
知られざる名曲の発掘、古楽から現代まで幅広く揃えたコレクション、高品質の録音で人気を誇るドイツのCPOレーベル。知られざる名曲の発掘、古楽から現代まで幅広く揃えたコレクション、高品質の録音で人気を誇るドイツのCPOレーベル。
今回はウルフ・シルマーが指揮するレオ・ファルの喜歌劇《イスタンブールのバラ》に、ゲオルク・シューマンのピアノ作品集、デンマークの作曲家ニルス・ウィルヘルム・ゲーゼの室内楽作品集第5集、世界初録音となるハッセの歌劇《カオニアのエネア》などCD6タイトルがリリースされます。
レオ・ファル(1873-1925):喜歌劇《イスタンブールのバラ》全3幕(2枚組)
ウルフ・シルマー(指揮)ミュンヘン放送管弦楽団
トルコ人の娘ギュルは、フランス人作家「アンドレ・レイ」が描くヨーロッパの情景に憧れて、手紙をやりとりしています。ある日、彼女は父カメク・パシャからトルコ国務大臣の息子であるアハマド・ペイとの婚約が決まったことを知らされます。しかし彼女はアンドレ・レイへの思いを断ち切ることができません。結婚式の夜、夫であるアハメド・ペイに「私は家族の伝統のためにあなたと結婚しただけだ」と告白したギュルに「アンドレ・レイならスイスにいるはずだ」と教えるアハメド・ペイ。スイスまで出かけたギュルを待っていたのは、なんと夫その人。実は「アンドレ・レイ」はトルコを改革したいと考えたアハメド・ペイのペンネームだったのです。2人はあらためて愛を誓い合うのでした。
レオ・ファルは、レハール、カールマン、オスカー・シュトラウスと並ぶほどの人気を博したオペレッタの作曲家でした。トルコを舞台にしたこの作品、東洋風の旋律とワルツが美しく融合した甘いメロディに満ちています。1916年にウィーンで初演され大成功を収めましたが、第一次世界大戦による国際情勢の悪化から次第に忘れられてしまい、現在ではほとんど演奏されることがありません。今回の上演は、名指揮者シルマーの指揮のもと、芸達者な歌手たちが素晴らしい歌唱を聴かせます。極上の旋律をお楽しみください。
(ナクソス・ジャパン)
ゲオルク・シューマン(1866-1952):ピアノ作品集
ミヒャエル・ファン・クリュッカー(ピアノ)
ドイツのザクセン州出身の作曲家ゲオルク・シューマン。ライプツィヒ音楽院でピアノと作曲を学び、指揮者として経験を重ねた後、1907年にベルリンのプロイセン芸術アカデミーに招かれて、ブルッフの後任として作曲科の教師に就任。1934年から45年まで院長を務めつつ、ベルリン・フィルにソリスト及び指揮者として繰り返し出演、ベルリン音楽界の大立て者として活躍しました。葬儀の際はベルリン・フィルが演奏したと伝えられています。現在では主に教育者としての功績が知られているゲオルク・シューマンですが、若い頃にはピアニストとして才能を発揮、演奏困難な作品を次々と弾きこなすヴィルトゥオーゾとしてヨーロッパツアーをするほどの名声を得ていました。彼の作風は後期ロマン派に属しており、オーケストラ作品ではワーグナーの強い影響が感じられますが、ピアノ曲からはショパン、リスト風の優しい響きが聞こえてきます。
ケルン・ピアノ・デュオのメンバーとして知られるミヒャエル・ファン・クリュッカーは、知られざる作品の復興に力を注ぐピアニスト。ここでも各々の作品の持つ個性を引き立てる巧みな演奏を披露しています。
(ナクソス・ジャパン)
ニルス.W.ゲーゼ(1817-1890):室内楽作品集 第5集
アンサンブル・ミッドヴェスト
アンサンブル・ミッドヴェストによるデンマークの作曲家ニルス・ウィルヘルム・ゲーゼの室内楽作品集。全集を締めくくる第5集には、弦楽五重奏曲と四重奏曲、クラリネットとピアノのための小品が収録されています。
弦楽五重奏曲は、彼の代表作の一つであるカンタータ「コモラ」と同時期の1845年頃に作曲された堂々たる風格を持つ作品。4つの楽章で構成された古典的な佇まいを持っています。1880年代後半に書かれた弦楽四重奏曲ニ長調はゲーゼの最後の室内楽作品で、柔らかく美しいハーモニーが特徴的。クラリネットとピアノのための「幻想的小品」はシューマンを思わせる素朴な旋律に彩られた短い曲集です。
(ナクソス・ジャパン)
世界初録音
ヨハン・アドルフ・ハッセ(1699-1783):歌劇《カオニアのエネア》2幕(2枚組)
ステファノ・モンタナーリ(指揮)エネア・バロック管弦楽団
2018年にメゾ・ソプラノ歌手フランチェスカ・アショーティによって設立された「エネア・バロック管弦楽団」。その素晴らしい演奏により、瞬く間にローマ有数のバロック・アンサンブルとして名を上げました。この世界初録音となるハッセの《カオニアのエネア》は世俗カンタータの一種である「セレナータ」に属する作品で、声楽家と器楽グループが主として野外で演奏することの多い、控えめな演出を伴うオペラとカンタータの中間的な存在だったとされています。1725年に同じくセレナータ《アントニオとクレオパトラ》の上演が成功し、人気者となったハッセは次々とオペラやセレナータを作曲。
この1727年に初演された《カオニアのエネア》もハッセの人気に拍車をかけることとなりました。残念な事に、初演後は歴史に埋もれていた作品ですが、モーツァルトを予見するほどにニュアンスに富んだ旋律と活気に満ちた音楽が魅力的です。
(ナクソス・ジャパン)
世界初録音
マルティン・クリスティアン・シュルツェ(18世紀):和声の扱い
アンサンブル・クリンゲクンスト
18世紀に活躍した作曲家シュルツェ。彼に関する伝記情報は、ほとんど伝えられていません。1733年にパリで出版された彼の「Trattamento dell’Harmonia 和声の扱い」と題されたシンフォニア集の表紙には「M・C・Schultze・ D・B」と名前が頭文字で記されており、これは国際的な音楽資料収集組織“RISM”によると「ベルリン出身のマルティン・クリスティアン・シュルツェ」の意味とされています。
6つのシンフォニアは調和のとれた形式で書かれているだけではなく、ヴィオラ・ダ・ガンバの演奏には高い技術が求められており、シュルツェは優れたガンバ奏者であったと推測されます。ヴァイオリン・パートにも同じように高い技術が要求されていますが、フルート・パートは比較的易しく書かれており、アマチュア向けに書かれたものと思われます。バロック期の音楽に造詣の深いアンサンブル・クリンゲクンストによる活気に満ちた演奏で。
(ナクソス・ジャパン)
ミシェル=リシャール・ドラランド(1657-1726):ヴェルサイユの噴水
ボストン古楽音楽祭声楽アンサンブル、ボストン古楽音楽祭チェンバー・アンサンブル
世界中で高く評価されているボストン古楽音楽祭アンサンブル。cpoでは特にフランスものを中心としたバロック・オペラの録音で親しまれています。彼らが今回手掛けたのは、フランス・バロックの偉大な作曲家の一人、ミシェル=リシャール・ドラランド(ド・ラランド)の作品です。
1683年、25歳のドラランドは“太陽王”ルイ14世の宮廷音楽家として召し抱えられると、すぐに王のお気に入りの一人となり、王女の音楽教師を務めながら、1714年には王室礼拝堂(シャペル・ロワイヤル)の楽長となって、亡くなるまでその職務にあたりました。彼は宗教的な作品だけでなく、宮廷の行事のための作品も数多く書き、これらは王族や貴族たちの間で人気を獲得しました。とりわけ『ヴェルサイユの噴水』は、美しく瀟洒な噴水の周りに神々が集まり、素晴らしい庭園の完成を祝うという内容の音楽劇で、この洗練された作品は王を始めとした宮廷人たちを大いに喜ばせたのです。
『アスクレピオスのコンセール』は1683年5月に初演された劇音楽。アスクレピオスとはギリシャ神話に登場する名医で、おそらくルイ14世の病気快癒を祝って上演されたと考えられています。「グラン・ピエス」は王が好んだと言われる技巧的な小品です。
(ナクソス・ジャパン)
2020年8月27日発売分はこちら>>>
2020年8月6日発売分はこちら>>>
2020年7月発売分はこちら>>>
2020年6月発売分はこちら>>>
2020年4月発売分はこちら>>>
2020年3月発売分はこちら>>>
2020年2月発売分はこちら>>>
2020年1月発売分はこちら>>>
カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2020年08月17日 00:00