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Anaal Nathrakh(アナール・ナスラック)|イギリスのエクストリーム・メタル・バンド新作『Endarkenment』

Anaal Nathrakh(アナール・ナスラック)『Endarkenment』

イギリスのエクストリーム・メタル・バンド、アナール・ナスラックによるニュー・アルバムが登場。ブラック・メタルとグラインドコアを掛け合わせた疲労感を覚えるほどの暴虐性の中に、突如現れる美しすぎるメロディのコントラスト。彼らの音楽は、あらゆるスタイルのエクストリーム・メタル・ファンを黙らせる力を持っている。

アナール・ナスラックはイギリスのエクストリーム・メタル・バンド。98年に、ヴィトリオール(Vo)、イルメイター(G, Programming等)を中心に結成された。01年に『Codex Necro』でアルバム・デビュー。当時はメイヘム等に影響を受けたロウなブラック・メタルをプレイしていた彼らだが、フランスのシーズン・オブ・ミストへ移籍してリリースしたセカンド・アルバム『Domine Non Es Dignus』(04年)で、一気にグラインドコア色を強める。同じく04年には、ニック・バーカー(元クレイドル・オブ・フィルス、元ディム・ボルギル等)、シェイン・エンバリー(ナパーム・デス)をヘルプに迎え、ピール・セッションに登場しているが、これこそブラック・メタルとグラインドコアの邂逅を象徴する出来事と言えるであろう。その後もほぼ2年おきにアルバムをリリースし続けて来た彼ら。前作『A New Kind of Horror』(18年)から2年となる今年、11枚目となるニュー・アルバムをリリースする。

『エンダーケンメント』と題された本作について、ヴォーカリストのヴィトリオールことデイヴ・ハントは、「フィーリング的には以前の作品よりも明るく、オープンでダイレクト。と言っても、もちろん能天気な内容ではないけれど」と語っている。聴いているとグッタリと疲弊してしまうような、ブラック・メタルとグラインドコアの暴虐性を掛け合わせたサウンドが売りのアナール・ナスラック。そんな彼らが「明るい」という表現を使うこと自体が意外ではあるが、そこはあくまでアナール・ナスラック基準。確かにメジャー・キーで明るく感じられる部分もあるが、やはりその暴虐性にはいささかの陰りもない。お得意の朗々と歌い上げるパートにもますます磨きがかかり、暴力の嵐の中のオアシスかのように、見事なコントラストが紡ぎ出されている。アナール・ナスラックのファンならば、一発で気に入ること間違いなしの本作。彼らを聴いたことがないという人も、ぜひこの作品を手にとってみて欲しい。ブラック・メタル、デス・メタル、グラインドコア。アナール・ナスラックの音楽は、いずれのファンをも黙らせる説得力を持っている。


・国内盤CD(日本語解説書封入/歌詞対訳付き)


・輸入盤CD


・輸入盤LP


【収録曲】
01. エンダーケンメント
02. ザス、オールウェイズ、トゥ・タイランツ
03. ジ・エイジ・オブ・スターライト・エンズ
04. リビディナス(ア・ピッグ・ウィズ・コックス・イン・イッツ・アイズ)
05. ビヨンド・ワーズ
06. フィーディング・ザ・デス・マシーン
07. クリエイト・アート、スルー・ザ・ワールド・メイ・ペリッシュ
08. シンギュラリティ
09. パニッシュ・ゼム
10. レクイエム
《日本盤限定ボーナストラック》
11. エンダーケンメント(トータル・ネクロ・ヴァージョン)

【メンバー】
ヴィトリオール(ヴォーカル)
イルメイター(ギター、プログラミング)

Anaal Nathrakh(アナール・ナスラック)

photo by Marie Korner

 

HARD ROCK/HEAVY METAL

タグ : ハードロック/ヘヴィメタル(HR/HM)

掲載: 2020年10月02日 11:03