Naxos~2020年11月第2回発売新譜情報(12タイトル)
今回は、室内楽編曲版ベートーヴェンの“ピアノ協奏曲第1番&交響曲第2番”、モルテンセン&コンチェルト・コペンハーゲンによるクリスマス協奏曲集、サルヴィ&マルメ響による劇付随音楽集、マイアベーア作曲の歌劇“ロミルダとコンスタンツァ”全曲盤、ロマン派から近代にかけて活躍した女性作曲家たちの作品集、クララ&ロベルト・シューマンのヴァイオリンとピアノのための音楽集など世界初録音を含むCD12タイトルがリリースされます。
ベートーヴェン(1770-1827):ピアノ協奏曲第1番&交響曲第2番(室内楽編曲版)
ハンナ・シバイエヴァ(ピアノ)、アミナート弦楽四重奏団
最近、注目を集めるベートーヴェン作品の室内楽編曲版。今作にはロマン派の作曲家ヴィンツェンツ・ラハナーによる「ピアノ協奏曲第1番」のピアノと弦楽五重奏版と、ベートーヴェン自身による「交響曲第2番」のピアノ三重奏版を収録。
協奏曲を編曲したラハナーは、モーツァルト作品の編曲で知られるイグナーツの4歳下の弟であり、ブラームスとクララ・シューマンに高く評価された音楽家として歴史に名を遺しています。このアレンジはドイツのピアニスト、教師ジグムント・レーベルトの提案でラハナーが学習用として作ったものであり、ソリストの学生は第2ピアノの伴奏、もしくはこのオーケストラよりも簡潔な響きを奏でる弦楽五重奏版の伴奏を選ぶことができたというものです。
ベートーヴェン自身の編曲による「交響曲第1番」は当時流行したビーダーマイヤー(身近で日常的なものに目を向ける活動)の流れにのり、大きな編成の音楽作品を家庭で気楽に演奏するためのもの。原曲とは違う味わいを持っています。ミンスクで生まれ、オランダで活動するシバイエヴァがピアノを担当しています。
(ナクソス・ジャパン)
イタリア・バロックのクリスマス協奏曲
ラース・ウルリク・モルテンセン(指揮)コンチェルト・コペンハーゲン
18世紀に入る頃、イタリアのクリスマス協奏曲に特別の伝統が生まれました。これはイエスが生まれ、飼い葉桶に寝かされる時、幼子を見守る動物や羊飼いを描いた牧歌(6/8拍子か12/8拍子によるパストラーレ)を組み込むことで、コレッリのいくつかの協奏曲が知られていますが、他の作曲家もこの様式による作品を数多く書いています。
このアルバムには、そのようなクリスマス協奏曲を収録。デンマークを代表する演奏家モルテンセン率いるコンチェルト・コペンハーゲンの演奏は、落ち着いた響きを存分に生かした美しいものです。演奏家が拠点とする北欧のクリスマスのお祝いは、ヴァイキングが冬至の頃に行った「ユール」祭りが起源とされています。人々は貯蔵していた食べ物を料理し、大きな薪を燃やして悪霊をなだめ、太陽の復活を祝うものですが、クリスマスの喜びは世界共通です。
(ナクソス・ジャパン)
一部世界初録音
フンパーディンク(1854-1921):劇付随音楽集
ダリオ・サルヴィ(指揮)マルメ歌劇場管弦楽団、マルメ歌劇場合唱団
子供むけ歌劇《ヘンゼルとグレーテル》で知られる作曲家フンパーディンク。彼は他にもワーグナー譲りの重厚なオーケストレーションを用いた歌劇や、数多くの劇音楽を書いています。このアルバムでは、主としてフンパーディンクの劇付随音楽を収録。これまで見過ごされてきた、革新的でロマンティックな作風による音楽がダリオ・サルヴィの指揮でここに蘇ります。
中でも『奇跡』は初期のフルカラーによる無声映画のための作品で、この映画の上演のためにフルサイズのオーケストラと合唱団、教会の鐘や群衆の騒音までが準備されたという大がかりな演出を伴っていました。ここではアドルフ・ロッターの編曲による組曲版が収録されていますが、良く知られた旋律も散りばめられた、当時の情景が目に浮かぶような壮大な音楽です。他にはカンタータ形式の「ケヴラールへの巡礼」や劇付随音楽『女の平和』など世界初録音を3曲含みます。
(ナクソス・ジャパン)
マイアベーア(1791-1864):歌劇《ロミルダとコンスタンツァ》(3枚組)
ルチアーノ・アコチェッラ(指揮)クラクフ・パッショナルト管弦楽団
ユダヤ系ドイツ人の歌劇作曲家マイアベーア。主としてフランスでの活躍が知られていますが、若いころはロッシーニに憧れ、何曲かのイタリア語による歌劇を作曲しています。この《ロミルダとコンスタンツァ》は、26歳の若き作曲家初の成功作。いくつかのトラブルを乗り越えながらも、1817年にバドヴァで初演され「天才の作品」と大絶賛されました。その後、ヴェネツィア、ミラノ、フィレンツェ、コペンハーゲン、ミュンヘンで上演され幅広い人気を獲得しました。プロヴァンス王国における架空の王位継承を取り巻く陰謀と男女の愛を描いた内容で、劇的な展開に美しい旋律を絡めた聴きどころの多い作品です。
主役のロミルダにはメゾ・ソプラノ(もしくは)アルトの声が用いられており、女性の落ち着きと感情の強さが表現されています。この"ヴィルトバートのロッシーニ"音楽祭では初演時のオリジナル・ヴァージョンが演奏されています。
(ナクソス・ジャパン)
ウォルトン(1902-1983):ヴァイオリンとピアノのための室内音楽作品集
マシュー・ジョーンズ(ヴァイオリン)、アナベル・スウェイト(ピアノ)
ベンジャミン・ブリテン、レイフ・ヴォーン・ウィリアムズと並ぶ20世紀のイギリス音楽を代表する作曲家の一人、ウィリアム・ウォルトン。このアルバムに収録されているのは、1918年から1950年までに書かれたヴァイオリンとピアノを用いた全ての作品です。
ドビュッシーを思わせるピアノ四重奏曲は1919年に完成されたものの、総譜が失われてしまったため、ウォルトンによって何度も改訂が繰り返されており、エルガーやラヴェル作品からの引用も見られる初期の若々しさに成熟の作風が融合した特異な作品に仕上っています。トッカータも初期の作品で、刺激的な音のぶつかり合いが楽しい曲です。
1951年に初演された「2つの小品」は彼が力を入れていた映画音楽「ヘンリー五世」のメロディを用いたもの。第2楽章が大規模な変奏曲形式で書かれたヴァイオリン・ソナタは、イェフディ・メニューインの委嘱作。抒情的な旋律が美しいソナタです。
(ナクソス・ジャパン)
『Unerhörte Schätze』~女性作曲家の音楽集
トリオW(イングリッド・ヴェンデル(ピアノ)、カタリーナ・ヴィンマー(ヴァイオリン)、シュテファン・ベルシュ(チェロ))
女性が作曲することについて偏見の多かったロマン派の時代、そして近代にかけて活躍した女性作曲家たちの作品を集めた1枚。
アマンダ・マイエルは1872年にストックホルム音楽大学で初の「音楽監督」の称号を獲得。その後ライプツィヒで学び、ブラームスやグリーグ、クララ・シューマンと親交を結びいくつかの作品を作曲した後、ユリウス・レントヘンと結婚。以降は作曲に専念し、41歳でこの世を去った作曲家・ヴァイオリニスト。彼女の友人たちを思わせるロマンティックな美しい作品が特徴です。クロアチア出身のペヤチェヴィチは最近注目が高まる作曲家。残された56作品が次々と録音されています。他、リリー・ブーランジェ、エイミー・ビーチ、クララ・シューマンの作品を収録。これらのエレガントで個性的な曲をドイツの3人の奏者による「トリオW」が熱意を込めて演奏しています。
(ナクソス・ジャパン)
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カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2020年10月21日 00:00