フルトヴェングラーの劇的名演《オテロ》(51年ライヴ)チェトラ社マスターテープからCD化!
フルトヴェングラーの劇的名演《オテロ》、良好音質CDで復活!!
世紀のオテロ歌いとして有名なラモン・ヴィナイを迎えて、1951年のザルツブルクでフルトヴェングラーが振った《オテロ》。ヴェルディ没後50年記念の新演出、巨匠には珍しいイタリアオペラ。極彩色の華やかさより、骨太のモノクローム。ワーグナーを聴くかのごとき、緊迫感ある、重厚で劇的な演奏で圧倒されます。識者の間で評価の高い巨匠の貴重オペラが、最初期LPの良好マスターから復刻されます!
米MRF、米ワルター協会についで、LP発売された伊チェトラ盤(LO-6)。ミラノ、ディスコス社制作のこの音源をキングレコード(セブンシーズ・レーベル)は1980年に国内発売しましたが、CD化は他社に先行され、マスターテープはキングレコードの倉庫に眠ったまま。今回、このアナログテープ(2トラック、38cm/秒)から、キング関口台スタジオで40年ぶりにデジタル・マスタリング&初CD化。音はかつてないほど鮮明、明瞭です!欧州のいくつかのレーベルでは疑似ステ処理したCDが出回りましたが、こちらは真正モノラル録音。迫力ある芯のしっかりした音をお聴き下さい。
以下、フルトヴェングラーのディスク批評の2大名著より。
「フルトヴェングラーの《オテロ》は、総譜に交響楽的な要素が多く含まれているために、貴重な記録となり、珍品となることを免れている。フルトヴェングラーは《オテロ》を壮大な交響詩として振っており、それゆえ歌手たちは単なる焦点ではなく、全体を形作る印象的な要素に昇格した。」(ジョン・アードイン著 藤井留美訳《フルトヴェングラー・グレート・レコーディングズ》音楽之友社刊、2000年)
「フルトヴェングラーのオテロは巨人的な力を持った演奏で、オーケストラ・パートはその異質なアクセントにもかかわらず、いつもよりは、はるかに見事に演奏されている。・・・(中略)フルトヴェングラーの二つの崇高な特性、すなわち、長大な作品をひとつの全体として造型する能力と、耐え難い緊張のクライマックスを設定する能力が、ここに最高に示されている。さらには伴奏者としてのみごとな特質が加わっている。まことに偉大な演奏というべきである。」(ピーター・ピリー著 横山一雄訳《レコードのフルトヴェングラー》音楽之友社刊、1983年)
日本語解説書(浅里公三氏のライナーノーツ)付。
(キングインターナショナル)
【曲目】
ヴェルディ:歌劇《オテロ》全曲
【演奏】
ラモン・ヴィナイ(テノール:オテロ)
パウル・シェフラー(バリトン:イヤーゴ)
アントン・デルモータ(テノール:カッシオ)
カルラ・マルティニス(ソプラノ:デズデーモナ)
ジークリンデ・ワーグナー(アルト:エミーリア)
アウグスト・ヤレシュ(テノール:ロデリーゴ)
ヨーゼフ・グラインドル(バス:ロドヴィーコ)
、ゲオルク・モンティ(バス:モンターノ)ほか
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
ウィーン国立歌劇場合唱団
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指揮)
【録音】
1951年8月7日
フェストシュピールハウス、ザルツブルク(ライヴ)
音源提供:DISCOS, Milano
国内発売旧LP:セブンシーズGT-7101/3(1980.3.21)(オリジナルLPはチェトラLO-6)
カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2020年11月02日 13:00