ツァイーデ四重奏団&ドルプレール~ベートーヴェン“クロイツェル・ソナタ”(弦楽五重奏版)
[Quatuor Zaide 公式チャンネルより]
まるでロックのような迫力とスピード感、
弦楽五重奏版の「クロイツェル・ソナタ」
これは衝撃的。2009年結成の女性4名から成るツァイーデ四重奏団に、ベルリン・フィルの若き第1ソロ・チェロ奏者ブリュノ・ドルプレールを加えた五重奏でベートーヴェンの「クロイツェル・ソナタ」に挑戦。
「クロイツェル・ソナタ」は言うまでもなくヴァイオリンとピアノが火花を散らすボルテージの高い力作。それを弦楽五重奏にしているのは興味津々ですが、ピアノ・パートを4人に振り分けるような単純な編曲ではなく、ヴァイオリンのパートも5人に分け、完全な室内楽作品に仕上げています。ヴァイオリンが奏でるはずのメロディーをチェロが歌うなど、予期せぬ驚き満載です。ベートーヴェンの死後にジムロック社から楽譜が出版されましたが、編曲者名は記されてません。
チェロを加えることで音の視野が広がり、低域の深みが倍増。一説にはベートーヴェン自身か弟子のリースによる編曲ではないかとされ、各楽器への効果的な分配やボルテージの高さ、充実度は驚くべきもので、まるで古典派のロックンロールとでも言うような凄さ。良く知る曲ながら思いがけぬ新しい魅力を発見させてくれます。
カップリングは彼の弦楽四重奏曲の実質的に最初の曲である第3番。こちらは原曲通り弦楽四重奏で演奏。明朗で平和なこの曲と、デモーニッシュなクロイツェルを並べることで、ベートーヴェンの表現力の幅広さを証明しています。
(キングインターナショナル)
『ルートヴィヒ』
【曲目】
ベートーヴェン:
1.ヴァイオリン・ソナタ第9番 イ長調 Op.47「クロイツェル」(弦楽五重奏版)
2.弦楽四重奏曲第3番 ニ長調 OP.18の3
【演奏】
ツァイーデ四重奏団
[メンバー]
シャルロット・マクレ(ヴァイオリン)
レスリー・ブーラン・ローレ(ヴァイオリン)
サラ・シュナフ(ヴィオラ)
ジュリエット・サルモナ(チェロ)
ブリュノ・ドルプレール(チェロ)[1]
【録音】
2019年12月
Riffxスタジオ(ラ・セーヌ・ミュジカル)
カテゴリ : ニューリリース | タグ : BEETHOVEN 2020
掲載: 2020年11月17日 00:00