WEEKEND JAZZ ~週末ジャズ名盤探訪 Vol.105
ジョン・スコフィールド『A GO GO』(1998)
ジョン・スコフィールド(g)
ジョン・メデスキ(org, p)
ビリー・マーティン(ds)
クリス・ウッド(b)
1997年10月30日~11月1日、ニューヨークにて録音
曲目:
01.AGOGO
02.チャンク
03.ブーザー
04.サザン・パシフィック
05.ジープ・オン35
06.カブリック
07.グリーン・ティー
08.ホッテントット
09.チキン・ドッグ
10.デッジー
11.ライク・イット・オア・ノット(日本盤ボーナス・トラック)
12.ホープ・スプリングズ・イターナル(日本盤ボーナス・トラック)
【アルバム紹介】
1.新感覚ジャズ・ギタリストが持つファンクのエッセンスが炸裂
2.人気ジャム・バンドとの初コラボレーション・アルバム
3.全曲オリジナル、“スタジオの中、4人で自在にジャムってファンクした”ナンバーが連続
100回目達成記念「90年代の名盤特集」第5回目は、1998年にリリースされた、ギタリストのジョン・スコフィールドとジャム系オルガン・トリオのメデスキ、マーティン・アンド・ウッドの共演による傑作です。
80年代にマイルス・デイヴィスのバンドでブレイクし、90年代に新感覚のジャズ・ギタリストとして注目を浴びたジョンスコ(ジョン・スコフィールド)が、自身のもつファンクのエッセンスを前面に打ち出し、そこに同時代のジャムバンド・ブームの中で人気のあったMM&W(メデスキ、マーティン・アンド・ウッド)のジャム・グルーヴが加わったことで独特のファンクネスを生み出した両者の初コラボレーション・アルバムで、その後、メデスキ、スコフィールド、マーティン&ウッド名義の活動に繋がっていくきっかけとなった一作です。
作曲はすべてジョンスコのオリジナル。1曲目のクールなファンク・ビートの上をジョンスコの粘りっけのあるギターワークがからむタイトル曲から、“スタジオの中、4人で自在にジャムってファンクした”ナンバーが連続し、聴き進むにつれてその躍動感の中に、このメンバーならでは“タメ”や“間”が入り乱れ、独特の世界観を持って迫ってきます。
【スタッフのつぶやき:この1曲を必ず聴いて下さい】
JBノリを消化したファンク・ナンバー“チャンク”。
この曲以外にもタイトル曲“AGOGO”、“ジープ・オン35”、“ホッテントット”など、聴きどころ満載の本作ですが、その中でもジェームス・ブラウン(JB)の“コールド・スウェット”に似たビート感を持つこの曲を聴いてみてください。
ジョンスコのルーズなカッティング・ギター、ジョン・メデスキのドライなオルガン、裏打ちのアクセントを生かしたリズムが徐々に高揚し、やがてドライヴするオルガン・ソロが展開されてゆきます。
深夜のソウル・ライヴ・バーなどで演奏されているとジャスト・フィットしそうなグルーヴィなナンバーです。
総じて、本作は、90年代後半の、ジャズ、ロック、R&Bなど異ジャンルが入り乱れたハイブリッドでカッコいいインストゥルメンタルが聴けるアルバムのひとつ、と位置づけられます。
国内盤SHM-CD(一般普及盤)
輸入盤CD
タグ : WEEKEND JAZZ
掲載: 2020年11月27日 12:00