ダニエル・イゾワールが当時のエラール・ピアノを弾くフランク:ピアノ作品集
当時のパリの楽器による透明感ある音色で紡ぎだす、端正な演奏が真価をあらわす傑作群!
凄腕ピアニストとして幼い頃から楽壇を沸かせたのち、後年はオルガンの世界で独自の作風を追求、交響詩や交響曲の作曲家となる前からオルガン奏者としての名声もきわめて大きかったセザール・フランク。
ピアノのための作品にもオルガン音楽と相通じる、バロックとロマン派の特性を併せ持つような独特の魅力が息づいており、20世紀にも数々のヴィルトゥオーゾ・ピアニストたちがその世界に魅せられてきました。しかしその作品の真価は、フランク自身が知っていた19世紀当時のピアノの音色に立ち返ってこそ見えてくるのではないでしょうか。
フォルテピアノ奏者として近年存在感を増しつつあるフランスの名手ダニエル・イゾワールはここで、フランクがフランス国民音楽協会などで注目されるようになった1870年代にパリで作られた、オリジナルのエラール・ピアノを使用。
オルガンの大家だった父アンドレ・イゾワールが弾くフランクの音楽にも昔から愛着を覚えてきたという彼が、細やかな感覚とメリハリのある演奏で聴かせる「19世紀直送」の響きによるフランク作品は、エラールの透明感ある音色とあいまって、音作りの見通しの良さも抜群に伝わってきます。作曲家像を捉え直すうえでも貴重な新録音。
オリジナル・ブックレットにはFuga Libera創設者で音楽学者でもあるミシェル・ストッケム氏の充実した解説が掲載されています。
(ナクソス・ジャパン)
『フランク:歴史的楽器によるピアノ作品集』
【曲目】
セザール・フランク(1822-1890):
1-3. 前奏曲、コラールとフーガ ロ短調 CFF 24/FWV 21(1884)
4. コラール第3番 イ短調 CFF 107/FWV 40
-『大オルガンのための三つのコラール』(1890)より
-ブランシュ・セルヴァ(1884-1942)によるピアノ独奏版(1910)
5-7. 前奏曲、アリアと終曲 ホ長調 CFF 26/FWV 23(1887)
8-10. 前奏曲、フーガと変奏曲 ロ短調 Op.18 CFF 30b/FWV 30(1860-62)
-ハロルド・バウアー(1873-1951)によるピアノ独奏版(1910)
11. ゆるやかな舞曲 ヘ短調 CFF 25/FWV 22(1885)
【演奏】
ダニエル・イゾワール(1875年製エラール・ピアノ)
【録音】
2019年2月18-21日
ウー城劇場、ノルマンディ地方、フランス
[日本語解説付き]
カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2021年01月26日 00:00