Naxos~2021年4月第2回発売新譜情報(9タイトル)
今回は、南米を横断する「インカ・トレイル」を巡る音楽集に、ジモン・マイールの2曲の“グローリア・ミサ”、録音がほとんど無いアドルフ・アダンのバレエ音楽“妖精の名付け子”、ヴォルフ=フェラーリのヴァイオリン・ソナタ集、名ギター奏者、グレアム・アンソニー・デヴァインによる『イギリスのギター音楽集 第2集』など世界初録音を含むCD9タイトルがリリースされます。
一部世界初録音
インカ・トレイル・コネクション(インカを通る道)
ミゲル・アルト=ベドヤ(指揮)ノルウェー放送管弦楽団
「Caminos del Inca」とは南アメリカを横断する道路網。多くのインカの遺跡を含むペルー、ボリビア、エクアドル、チリ、アルゼンチン、コロンビアを横断するこの道行には、さまざまな文化と伝統音楽が存在します。
このアルバムに登場する作曲家たちの音楽には、これらの伝統とヨーロッパ文化の影響が融合されたユニークな味わいが見てとれます。ここには後期ロマン派の音楽や民族舞踊、ストラヴィンスキーの音楽のような原始的な衝動、ポピュラー音楽からの影響、シンプルな美しさなどあらゆる要素が含まれており、これらのカラフルな音楽は聴き手を想像上の旅へといざないます。タンゴ風のリズムが躍動的なトバルの「カラマリー」、冒頭のエキゾチックな旋律が耳に残るカンポスの「田園舞曲」、多彩な表情を持つ5つの小品で構成されたガリード=レッカの「アンデス民族舞曲」などどこから聴いても楽しい1枚を、ペルー出身のミゲル・アルト=ベドヤが、現在首席指揮者を務めるノルウェー放送管弦楽団とともに見事な演奏で聴かせています。
(ナクソス・ジャパン)
世界初録音
ヨハン・ジモン・マイール(1763-1845):グローリア・ミサ ホ短調、グローリア・ミサ ヘ短調
フランツ・ハウク(指揮)コンチェルト・デ・バッスス
ドイツで生まれ、イタリアで活躍した古典派の作曲家ジモン・マイール。近年作品の紹介が進み、NAXOSレーベルからも歌劇や声楽曲を中心に数多くの作品がリリースされています。
このアルバムに収録された2つのミサ曲は、マイールの存命当時、ヨーロッパ全土で高い人気を博した作品で、17世紀イタリアで流行した「ミサ・コンチェルタータ」(各々の曲は連続せず、独立して奏される)の様式に根差しています。60分近い大作であるホ短調ミサ曲は、歌い手とオーケストラが巧みな掛け合いを聴かせる華麗な仕上がりを誇り、とりわけオーケストラ・パートの優れた対位法の書法が見事です。小振りの作品であるヘ短調ミサ曲は、時には憂いを帯びた旋律が現れる印象的な作品。どちらもマイールの後期のスタイルの優れた作例として長く認識されていたものです。
1955年生まれの指揮者フランツ・ハウクは教会音楽のスペシャリストとして知られ、2003年にジモン・マイール合唱団を設立。マイール作品を中心とした18-19世紀の合唱作品の紹介に尽力しています。
(ナクソス・ジャパン)
世界初録音
アドルフ・アダン(1803-1856):バレエ音楽『妖精の名付け子』全曲(2枚組)
アンドルー・モグレリア(指揮)クイーンズランド交響楽団
バレエ『ジゼル』で知られるフランスの作曲家アドルフ・アダン。20代で28作もの舞台音楽を書きあげるなど才能に溢れた彼は、1847年にパリで3つ目の歌劇場「テアトル・ナショナル座」を創設しましたが、その翌年に起きた1848年革命の余波を受け、劇場は閉鎖され莫大な借金を抱えてしまいました。そんなアダンは『ジゼル』の他にもいくつかのバレエ曲を作曲。
この『妖精の名付け子』は1849年にパリ・オペラ劇場で初演された3幕からなるバレエ。田園地帯で繰り広げられる神の娘イサウレの恋物語が描かれた作品で、全編にわたる音楽は名作『ジゼル』を凌駕するほどの美しさを誇ります。しかし、録音は少なく、このアンドリュー・モグレリアとクイーンズランド交響楽団による1996年の演奏が世界初録音です。
(ナクソス・ジャパン)
エルマンノ・ヴォルフ=フェラーリ(1876-1948):ヴァイオリン・ソナタ第1番 - 第3番
エマヌエーレ・バルディーニ(ヴァイオリン)、ルカ・デッレ・ドンネ(ピアノ)
歌劇《マドンナの宝石》の美しい間奏曲が有名なイタリアの作曲家ヴォルフ=フェラーリ。若い頃には画家を志していたものの、10代の終わりに父の故郷であるドイツに移った頃から音楽に魅了され、ラインベルガーから対位法を個人的に学び20代で作曲を手掛けるようになりました。1900年には自作のオペラ《チェネレントラ》をヴェネツィアで初演、その時は失敗に終わったものの、のちにブレーメンで上演し大成功を収めています。以降、数多くのオペラを作曲し、イタリア・オペラ界の重鎮として評価されました。そんなヴォルフ=フェラーリ、作曲を始めたばかりの頃と、晩年になってから数多くの器楽曲を作曲しましたが、これらのほとんどは現在に至るまで演奏されることがありません。
このアルバムには初期の作品であるヴァイオリン・ソナタ第1番と第2番、そして後期の第3番を収録。息の長い旋律が美しい初期の2曲はもちろんのこと、神秘的な雰囲気を持つ第3番の美しさがとりわけ印象に残ることでしょう。
(ナクソス・ジャパン)
一部世界初録音
イギリスのギター音楽集 第2集
グレアム・アンソニー・デヴァイン(ギター)
イギリス出身の世界的ギタリスト、ジュリアン・ブリーム(1933-2020)は,ギター音楽の中心的なレパートリーを占めるスペイン音楽だけではなく、自国の作品を積極的に演奏しました。その中にはイギリス・ルネサンス期の音楽や、彼と同時代の作曲家たちに委嘱した多くの作品が含まれています。現代イギリスにおける名ギター奏者グレアム・アンソニー・デヴァインはこれらの作品を21世紀に紹介することで、改めてブリームの偉大さを称えています。
ウォルトンやロースソーン、バークリー作品などが収録された第1集に続く第2集では、自らリュートも演奏したというブリームが愛奏したダウランド作品をはじめ、ブリームの依頼で書かれたブリテンによる名作「ダウランドによる夜想曲」、現代イギリスを代表する作曲家ジョン・ラターの2作品と、世界初録音となるブリームが校訂したシリル・スコットのソナチネ、そしてニコラス・モーの大作「ミュージック・オブ・メモリー」が演奏されています。
(ナクソス・ジャパン)
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カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2021年03月12日 00:00