マルクス・ポシュナー / ブルックナー全交響曲の全稿を録音する#bruckner2024プロジェクト始動~ 第1弾は第6番!
ブルックナーの生誕200年である2024年までに全交響曲の全稿を録音する#bruckner2024プロジェクト始動!
第1弾は第6番。リンツ・ブルックナー管弦楽団と首席指揮者マルクス・ポシュナーの演奏
国内仕様盤には国際ブルックナー協会会員、石原勇太郎氏の解説が付属!
ブルックナーは交響曲を一旦完成させてからも、さまざまな理由で手を加えることがあったために、同じ作品にいくつもの異稿・異版が存在する場合があり、これらの違いを聞き分けるのも熱心なブルックナー・ファンにとって大いなる喜びとなっています。
今回のプロジェクトはブルックナー自身による全11曲、19稿を"ブルックナー生誕200周年"にあたる2024年までに全て録音するというもの。プロジェクトはヴァージョン違いが存在しない第6番からスタートしますが、最新の校訂譜(未出版)を使用している点が注目されます。
2017年からリンツ・ブルックナー管弦楽団の首席指揮者を務めるポシュナーの演奏は、全体的にどっしりとした低弦の響きが印象的。第1楽章、第1主題の引き締まった歌わせ方に対して第2主題はやわらかく、メリハリのある表現が聴きどころ。第2楽章は清冽かつ荘重、第1主題のオーボエの切々とした旋律が突出した美しさを誇ります。低弦の刻みの上で様々な旋律が展開していく第3楽章は息詰まるほどの興奮に満ちたもの。第4楽章も全体を支配する付点リズムの処理が素晴らしく、テンポの緩急の変化を交えながら、クライマックスへと導きます。
#bruckner2024について
ウィーンを拠点とするレーベルCapriccioがブルックナー研究の第一人者でイェール音楽大学院のポール・ホークショーの監修の下、ブルックナーの全交響曲のすべての稿を録音するというプロジェクトです。少なからぬ曲で目下刊行が進んでいる新ブルックナー全集の楽譜が使われる予定。第1弾となる第6番では、出版準備中の新全集「Williamson NBG III/1: 6」を使用しています。
指揮者には全曲を通じてマルクス・ポシュナーを、オーケストラはポシュナーの手兵リンツ・ブルックナー管弦楽団を主体にウィーン放送交響楽団も起用。
【#bruckner2024へ寄せて】
ブルックナーの生誕200年である2024年までに全交響曲の全稿を録音する#bruckner2024プロジェクト。このような企画自体は、ブルックナーに異稿の問題があることを知る者であれば誰でも思いつくが、このシリーズが他と一線を画すのは「最新の研究を反映しようとする」点だ。指揮者の価値観やオーケストラの事情ではなく、音楽学的な研究成果を中心に全集を作り上げるのは実は難しい。しかし、このプロジェクトではブルックナー研究で知られるポール・ホークショー博士が相談役を務め、学術的なバックアップも万全。演奏には現在進行中の「新アントン・ブルックナー全集」で出版された/される予定の楽譜(コーストヴェット校訂「第4番」や、ゴールト校訂「第5番」、ホークショー校訂「第8番」等)を可能な限り使用。ブルックナー生誕200年を祝うと同時に、ブルックナー研究100年の積み重ねを知ることのできる#bruckner2024は、わたしたちの耳と好奇心を満たしてくれるものになっていくだろう。
石原勇太郎(音楽学/国際ブルックナー協会会員)
(ナクソス・ジャパン)
【曲目】
アントン・ブルックナー(1824-1896): 交響曲第6番 イ長調 WAB106(1881)
1. I. Maestoso
2. II. Adagio. Sehr feierlich .
3. III. Scherzo. Nicht schnell - Trio. Langsam
4. IV. Finale. Bewegt, doch nicht zu schnell
【演奏】
リンツ・ブルックナー管弦楽団
マルクス・ポシュナー(指揮)
【録音】
2021年1月19-22日
リンツ・ミュージックシアター、リハーサル・ホール(オーストリア)
CD(輸入盤)
CD(輸入盤・国内流通仕様・日本語解説付き)
カテゴリ : ニューリリース | タグ : ANTON BRUCKNER
掲載: 2021年07月22日 12:00