輸入盤情報解禁!カウフマン~「愛の夢」の原曲「おお愛して下さい、愛しうる限り」を含む『リスト:歌曲集』
19世紀ヨーロッパ音楽界の巨人が残したあまりにも豊かな歌曲の世界。
ヨナス・カウフマン/リスト:歌曲集
2020年に発売された「喜びの時」に続き、ヨナス・カウフマンとヘルムート・ドイチュのコンビがコロナ下だからこそ成し遂げることのできた最新録音がこのリストの歌曲集です。二人のアーティストはともにリストの歌曲に対して特別な共感を寄せ、長年にわたってリサイタルで取り上げてきました。特に難曲「ペトラルカのソネット」はカウフマンお得意の演目で、2015年の久々の来日となったリサイタルでも取り上げられていましたし、「おお愛して下さい、愛しうる限り」「ローレライ」「それは素晴らしいことに違いない」はアンコールの定番でもあります。
一方で「喜びに満ち、悲しみに満ち」のような宝石のような輝きに満ちていながらも、より有名な歌曲の陰に隠れていた歌曲を発見できたのはコロナが作り出してくれた時間に心ゆくまで道の音楽を探求することができたためでした。
「コロナ禍ゆえに演奏活動を休止しなければならなかったことから、このアルバムが生まれたのです。普通の状況ならばこんなに早く実現することは叶わなかったでしょう。結果として、私とヘルムートが馴染んできた作品だけでなく、これまでより有名な作品の陰に隠れていた秘曲を発掘することができました。中でも「静かな睡蓮」は、聴けば聴くほど魅力を感じます。このような宝のような歌曲の数々の世界へ導いてくれたヘルムートに感謝するとともに、お聴きになる皆さんも喜んでくださると思います。」(カウフマン)
ヘルムート・ドイチュにとってリストは、エリザベス・テイラー、ヘルベルト・フォン・カラヤンと並んで少年時代からの憧れでした。リストの歌曲集の録音も、すでに鮫島由美子(1994年)やディアナ・ダムラウ(2011年)と実現しているほどです。
「これらの作品を生み出したことだけでも、リストは芸術歌曲の歴史に輝かしい名前を残しているのに、実のところは今日でも、優れた歌曲作曲家としての認識がされているとは言えません。リストの歌曲についての私の思いを、ヨナス・カウフマンと分かち合い、彼と1枚のアルバムを録音することができたのは、私にとってこの上ない喜びと言えましょう。」(ドイチュ)
(ソニーミュージック)
【収録曲】
リスト
1. 僕の歌には毒があるS 289
2. 喜びに満ち、悲しみに満ち S 280
3. 喜びに満ち、悲しみに満ち S 280[1848年第2稿]
4. 昔トゥーレに一人の王がいた S 278
5. ライン河、その美しい流れの S 272
6. ローレライ S 273/2
7. マルリングの鐘よ S 328
8. 3人のジプシー S 320
ペトラルカの3つのソネット S270
9. 第1曲:平和が見付からず、さりとて戦う気にもならず S 270a/1
10. 第2曲:祝福あれ、あの日、あの月、あの年に S 270a/2
11. 第3曲:僕はこの地上で天使の姿を S 270a/3
12. それは素晴らしいことに違いない S 314
13. おお愛して下さい、愛しうる限り S 298
14. 静かな睡蓮 S 321
15. 唐松の木が孤独に立つ S 309
16. 風がざわめく S 294
17. 私は死にたいのです S 296
18. 御身、天から来たり S 279 [1842年第1稿]
19. 御身、天から来たり S 279 [1860年最終稿]
20. すべての峰に安らぎがある S 306
ヨナス・カウフマン(テノール)
ヘルムート・ドイチュ(ピアノ)
[録音]
2020年6月8日~12日、ペッキング、ベックルト市民の家