CPO レーベル~2021年10月発売新譜情報(6タイトル)
知られざる名曲の発掘、古楽から現代まで幅広く揃えたコレクション、高品質の録音で人気を誇るドイツのCPOレーベル。知られざる名曲の発掘、古楽から現代まで幅広く揃えたコレクション、高品質の録音で人気を誇るドイツのCPOレーベル。
今回は既発売のダーヴィッド・ポルセラインとオランダ交響楽団(初出当時)によるヘンドリク・アンドリーセンの4枚のアルバムをまとめた交響的作品集全集に、オルフェオ管楽アンサンブルによるテレマンの『管楽のための序曲集第2集』、カール・シュターミッツの4つの交響曲集、カールマンの喜歌劇“伯爵夫人マリツァ”などCD6タイトルがリリースされます。
ヘンドリク・アンドリーセン(1892-1981):交響的作品集全集(4枚組)
ダーヴィッド・ポルセライン(指揮)フィオン(ヘルダーラント&オーファーアイセル管弦楽団)(旧名称: オランダ交響楽団)
既発売のダーヴィッド・ポルセラインとオランダ交響楽団(初出当時)によるヘンドリク・アンドリーセンの4枚のアルバムをまとめたBOXの登場!
ヘンドリク・アンドリーセンはオランダの作曲家、オルガン奏者。即興演奏の巧みさで知られ、オランダのカトリック典礼音楽を一新した人でもあります。しかし、実はとても多才な作曲家であり、その作品もオルガン曲だけに留まらず、ここで聴ける4つの交響曲や管弦楽曲など注目すべきものが数多くあります。ロマン派と前衛の折衷ともいえる作風で、旋律は聴きやすく、生前から管弦楽作品も高い人気を誇っていました。
交響曲第1番は1930年10月1日にエドゥアルト・ファン・ベイヌム指揮のハールレム管弦楽団によって初演され、その2年後にはアンドリーセン自身が同じオーケストラを指揮して演奏するなど注目を浴びた作品です。コンセルトヘボウ管の創立50周年の記念に書かれた交響曲第2番、1932年に正式にオランダの国歌に認定されたメロディを用いた「ヴィルヘルムス・ラプソディ」、終楽章に輝かしいフーガが置かれたエネルギッシュな交響曲第3番、そして彼の作品の中で最も知られる交響曲第4番などのほか、1941年に書かれたにもかかわらず、戦争の暗い気分を払拭するかのように陽気で華麗なラプソディ『リベルタス・ヴェニト』など、アンドリーセンの作曲技法の集大成ともいえる作品群を楽しめます。
※フィオンは2019年にオランダ交響楽団とアーネム・フィルとの合併で誕生したオーケストラ。ヘルダーラント州とオーバーアイセル州の音楽活動の中心的存在です。
(ナクソス・ジャパン)
ゲオルク・フィリップ・テレマン(1681-1767):管楽のための序曲集 第2集
カリン・ファン・へールデン(指揮)オルフェオ管楽アンサンブル(古楽器使用)
知られざるテレマン作品の発掘に力を入れるcpoレーベル。今作は第1作(555085)に続く管楽のための序曲集第2集です。
軍楽のための音楽や、狩猟時の音楽、そして食卓の音楽などのハルモニームジークの分野でも活躍したテレマンは、この分野に数多くの作品を残しています。なかでも「アルスター序曲」と題された管弦楽曲の吹奏楽ヴァージョンは、弦楽パート抜きでも素晴らしいサウンドを生み出すことに成功しています。アルスターとはハンブルクにある人造湖の名前で、13世紀に水車を回すためにアルスター川をせき止めて作られました。テレマンのこの曲は、川が流れていた当時ののどかな風景を魅力的な音で表現したもの。サラバンドでは優雅な白鳥の姿が、またカラスとカエルの鳴き交わしやニンフたちの舞いなど様々な情景が描かれています。鄙びた響きが魅力的なオルフェオ管楽アンサンブルの演奏です。
(ナクソス・ジャパン)
エメリッヒ・カールマン(1882-1953):喜歌劇《伯爵夫人マリツァ》(2枚組)
エルンスト・タイス(指揮)ミュンヘン放送管弦楽団
田舎で暮らす伯爵令嬢マリツァの領地を守っているのはテレクと名乗る没落貴族タシロ。彼は妹リーザのために必死に持参金を稼いでいます。ある日、婚約を決めたというマリツァが戻ってきますが、実はそれは作り話。架空の人物「コロマン・ジュパン男爵」と婚約をするという名目で他の男たちから逃げたかっただけなのですが、そこに現れたのは実在のコロマン・ジュパン男爵。そしてタシロの前にはマリツァの友人としてリーザが現れます。召使の身分を妹に知られたくないタシロは憂鬱な気分を収めるために庭で素晴らしいチャールダーシュを歌い…
数々の名旋律で彩られたカールマンの《伯爵夫人マリツァ》の物語は、現在のドイツ語圏を中心に上演回数の高い作品として知られています。とりわけミュンヘン放送管弦楽団は長年にわたり、この作品を採り上げていますが、今回この曲を指揮したのはオペレッタ上演に実績のあるエルンスト・タイス。各地で活躍する名歌手を揃え、万全の演奏を聴かせます。ジュバン男爵とボツェーナ伯爵夫人の二役を演じるジェフリー・トレガンツァの歌声も聴きどころです。
(ナクソス・ジャパン)
カール・シュターミッツ(1745-1801):4つの交響曲集
ミヒャエル・アレクサンダー・ヴィレンズ(指揮)ケルン・アカデミー(古楽器使用)
マンハイム楽派の創始者として知られるヨハン・シュターミッツの長男、カール・シュターミッツは父から教えを受け、父の死後、1762年からマンハイム宮廷楽団で演奏、その後、パリでヴァイオリニスト、ヴィオラ奏者としてとして活躍しました。また多感様式やギャラント様式の影響を受けた交響曲と協奏曲をあわせて100曲以上残し作曲家としても成功。
ヴェルサイユで構想した「大田園交響曲」で素晴らしい表題付きの交響曲を生み出しました。田園のすがすがしい朝から夜、そして狩りの風景を描いたこの作品は当時としてはかなり革新的な雰囲気を備えています。以前、ラ・フォル・ジュルネで演奏されて話題となったクネヒトの「自然の音楽による描写」よりも早く書かれたこの曲は、まさしく ベートーヴェンの「田園交響曲」の先取りといえるでしょう。第1楽章の鳥の歌を模した響きや、第2楽章の嵐の場面、静かな夜の情景を描いた第3楽章、そして最終楽章のホルンの響きに耳を奪われます。
(ナクソス・ジャパン)
ルドミル・ルジツキ(1883-1953):ヴァイオリン協奏曲、他
エヴェリナ・ノヴィツカ(ヴァイオリン)、ジグムント・リヒェルト(指揮)ポーランド国立放送交響楽団カトヴィツェ、他
ポーランドの作曲家・指揮者ルドミル・ルジツキ。カロル・シマノフスキ、グジェゴシュ・フィテルベルクらとともに「若きポーランド」を組織し、近代ポーランドの音楽文化の活性化に努めた功績で知られました。今では、その作品を耳にすることはあまりありませんが、生前の彼は間違いなくモニューシュコに続くポーランドを代表するオペラ・バレエ作曲家の一人としてみなされていました。なかでも『パン・トファルドフスキ(トファルドフスキ氏)』は、ポーランド最初の大規模なバレエで、伝説に登場する貴族で錬金術師のトファルドフスキが、悪魔に魂を売り荒唐無稽な旅を繰り返すという物語。ポーランド民謡を採り入れたわかりやすい旋律が人気を獲得、ワルシャワだけでも800回以上の上演記録が残っています。
器楽作品もいくつか書いており、このアルバムに収録されたヴァイオリン協奏曲は演奏者に高い技巧を要求する作品で、第2楽章まで完結しているものの、未完成なのが惜しまれます。また『パン・トファルドフスキ』からの旋律を用いたトランスクリプション集も聴きどころ。ポーランド出身の若き奏者エヴェリナ・ノヴィツカが巧みに弾きこなしています。
(ナクソス・ジャパン)
テオドール・フォン・シャハト(1748-1823):シンフォニア集 第2集
ゲルノート・シュマルフス(指揮)エヴァーグリーン交響楽団
ドイツ・バロック期の作曲家シャハト(1748-1823)。レーゲンスブルクの宮廷音楽家ヨーゼフ・リーペルから最初の音楽指導を受け、1766年にはシュトゥッツガルトのニコロ・ヨンメッリの弟子になります。その後はレーゲンスブルクに戻り、1773年から宮廷音楽監督に就任し、宮廷音楽界の中心人物として活躍しながら、ヨンメッリの伝統を受け継ぐイタリア・オペラの普及にも力を尽くしました。1796年には王室から特別の地位を得て、その後は自由な作曲家としてウィーンに旅行し、ベートーヴェンやルドルフ大公、ナポレオンなどにまつわる作品を書いたことでも知られています。
ハイドンの躍動感にも似た快活な雰囲気を持つシンフォニアを収録した第1集に続き、この第2集でも古典的な形式に基づいた躍動的な雰囲気を湛えた3つのシンフォニアを楽しめます。第1集と同じく、この時代の作品を得意とする台湾のエヴァーグリーン管弦楽団とゲルノート・シュマルフスによる演奏です。
(ナクソス・ジャパン)
2021年9月発売分はこちら>>>
2021年8月発売分はこちら>>>
2021年7月第2回発売分はこちら>>>
2021年7月第1回発売分はこちら>>>
2021年5月発売分はこちら>>>
2021年4月発売分はこちら>>>
2021年3月発売分はこちら>>>
2021年2月発売分はこちら>>>
2021年1月発売分はこちら>>>
カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2021年09月22日 00:00