CPO レーベル~2021年12月発売新譜情報(5タイトル)
知られざる名曲の発掘、古楽から現代まで幅広く揃えたコレクション、高品質の録音で人気を誇るドイツのCPOレーベル。知られざる名曲の発掘、古楽から現代まで幅広く揃えたコレクション、高品質の録音で人気を誇るドイツのCPOレーベル。
今回はオルフェオ・バロック管弦楽団創立25周年記念のシューベルトの交響曲全集&断章集(4枚組)、CPOレーベルが力を入れている作曲家の一人がユリウス・レントヘンの交響曲集(2枚組)、フリードヘルム・フランメによるブクステフーデのオルガン作品全集第2集(2枚組SACDハイブリッド)、フォーグラー弦楽四重奏団によるドヴォルザーク:弦楽四重奏曲集第4集、グリエルモ&ラルテ・デラルコによるヴェラチーニ:序曲と協奏曲集第3集などCD5タイトルがリリースされます。
一部世界初録音
フランツ・シューベルト(1797-1828):交響曲全集と断章集(4枚組)
ミヒ・ガイック(指揮)オルフェオ・バロック管弦楽団(古楽器使用)
オルフェオ・バロック管弦楽団の創立25年記念企画は、新シューベルト全集及びホーエネムスのシューベルティアーデ音楽祭との協力によるシューベルト交響曲全集&断章集です。もととなっているのは、2018年5月にシューベルティアーデ音楽祭で4日間連続で行われた演奏会のライヴ録音。演奏会では新シューベルト全集(Neue Schubert-Ausgabe)の研究者ミヒャエル・クーベが作品紹介を行いましたが、CD1 に収められた6曲の断章はクーベによって校訂譜が編集されたもので、これが世界初録音です。
ガイッグとオルフェオ・バロック管は2011年にドイツ・ハルモニア・ムンディにシューベルトの交響曲第5番と序曲集の録音を行っていますが、ここでは更に一歩進んだ最新の知見に基づくシューベルト演奏をしているものと期待されます。
指揮者のミヒ・ガイックはオーストリア、シェーフリング出身。ザルツブルク・モーツァルテウム大学でヴァイオリンを学び、在学中にニコラウス・アーノンクールから強い影響を受け、イングリッド・セイファートとシギスヴァルト・クイケンからバロック・ヴァイオリンの指導を受けました。1983年にラルパ・フェスタンテ・バロック管弦楽団を創設、1995年まで音楽監督を務めた後、1996年にオーボエ奏者のカリン・ファン・ヘールデンとともにオルフェオ・バロック管弦楽団を創設。これまでに40作以上のアルバムを録音し、世界中で高く評価されました。
(ナクソス・ジャパン)
ユリウス・レントヘン(1855-1932):交響曲集(2枚組)
ダーヴィッド・ポルセライ(指揮)フランクフルト・ブランデンブルク州立管弦楽団、ヘルシンボリ交響楽団
cpoレーベルが力を入れている作曲家の一人がユリウス・レントヘン。ライプツィヒに生まれ、オランダに帰化したピアニスト・作曲家で、ブラームスと交流がありました。1887年にはブラームスの指揮で「ピアノ協奏曲第2番」のソリストを務めています。そのためか初期作品にはブラームスやシューマンの影響も見られますが、晩年にはここから脱却し、かなり独創的な作品を書いていました。
この2枚組はダヴィッド・ポルセラインの指揮による一連の交響曲シリーズの続編で、今作にはレントヘンの最後の3つの交響曲が含まれています。交響曲第7番以外の6曲は、全て10分から15分程度の単一楽章で書かれており、凝縮された形式の中に多彩な音楽が詰まっています。なかでも第12番「バビロンにて」ではティンパニ、スネアドラムとバスドラム、シンバル、トライアングルによる「トルコ風音楽」の使用と壮大なオルガンの響きが全体を印象付けています。第7番の「エディンバラ」のみ4楽章。1930年12月4日にアッシャーホールで初演され大好評を博しました。
(ナクソス・ジャパン)
アントニン・ドヴォルザーク(1841-1904):弦楽四重奏曲集 第4集(2枚組)
フォーグラー弦楽四重奏団
フォーグラー弦楽四重奏団によるドヴォルザークの弦楽四重奏曲集。第4集には第2番と第5番の四重奏曲と三重奏曲が収録されています。1870年頃に作曲された第2番は若々しく瑞々しい旋律で彩られた作品ですが、ドヴォルザークの生前には演奏されることなく、現在でも演奏機会は多くありません。第5番は伝統的な形式で書かれていますが、全ての楽章がへ短調という珍しい作品でもあります。三重奏曲は4つの性格的小品で構成された組曲のような作品。スラヴ民謡が多用されており、最終曲の「ラルゲット」は哀愁に満ちた旋律による変奏曲です。
演奏するフォーグラー弦楽四重奏団は1985年、ベルリンのハンス・アイスラー音楽アカデミーの学生たちによって結成されたアンサンブル。その翌年に開催されたエヴィアン弦楽四重奏団コンクールで1位を獲得したことで、一躍知名度を得て国際的な活躍を始めました。創設以来、メンバーの交代をすることなくハイドンからバルトークまで幅広いレパートリーを演奏、時にはタンゴやポップスまでをも易々と演奏することで知られます。
(ナクソス・ジャパン)
ディートリヒ・ブクステフーデ(1637-1707):オルガン作品全集 第2集(2枚組SACDハイブリッド)
フリードヘルム・フランメ(オルガン)
「北ドイツ・バロックの作曲家たちのオルガン作品集」で知られるフリードヘルム・フランメによるブクステフーデのオルガン作品全集第2集。デンマーク出身でありながらリューベックを中心に活躍したブクステフーデは、約40年に渡りリューベックの聖母マリア教会のオルガニストを務め、朝や日曜日の礼拝時でのオルガン演奏のほか、前任のトゥンダーが始めた演奏会「夕べの音楽」を拡大し、多くの聴衆たちを喜ばせたことでも知られています。
ブクステフーデのオルガン曲はコラール編曲と自由な形式の曲を併せて40曲ほどが遺されており、この第2集のSACD1では前奏曲に組み合わせたコラールの数々を紹介し、SACD2では同じコラールによるいくつかの異なるヴァージョンが中心に紹介されています。グラウホフのトロイトマン=オルガンの美しい低音の響きが存分に捉えられた高音質の録音も聴きどころです。
(ナクソス・ジャパン)
フランチェスコ・マリア・ヴェラチーニ(1690-1768):序曲と協奏曲集 第3集(SACDハイブリッド)
フェデリコ・グリエルモ(ヴァイオリン&指揮)、ラルテ・デラルコ(ピリオド楽器使用)
フェデリコ・グリエルモが指揮するラルテ・デラルコによるヴェラチーニの序曲と協奏曲集。シリーズの完結編となる第3集には、1721年に出版された作品番号1に含まれるソナタ第6番と1716年に出版された作品番号なしの曲集に含まれるソナタ第3番を収録。他、2曲の序曲を聴くことができます。序曲の写本はヴェネツィアのベネデット・マルチェッロ音楽院に所蔵されており、恐らく1716年にヴェネツィアで作曲されたものと考えられていますが、作品自体はドレスデンとロンドンで大成功を収めた可能性も指摘されています。
(ナクソス・ジャパン)
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カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2021年10月22日 00:00