WEEKEND JAZZ ~週末ジャズ名盤探訪 Vol.152
ミルト・ジャクソン『ミルト・ジャクソン・カルテット』(1955)
ミルト・ジャクソン(vib)
ホレス・シルヴァー(p)
パーシー・ヒース(b)
コニー・ケイ(ds)
1955年5月20日、ニュージャージーにて録音
曲目:
01.ワンダー・ホワイ
02.マイ・ファニー・ヴァレンタイン
03.ムーンレイ
04.ニアネス・オブ・ユー
05.ストーンウォール
06.アイ・シュド・ケア
【アルバム紹介】
1.名ヴァイヴ奏者、ミルト・ジャクソンの初期リーダー作
2.ピアノがホレス・シルヴァーに代わったMJQの演奏
3.スタンダード5曲+オリジナル・ブルース1曲の全6曲
今回もヴィブラフォンのレジェンドをご紹介いたします。ライオネル・ハンプトンの次の時代を担った名プレイヤー、ミルト・ジャクソンの初期リーダー作になります。
ミルト・ジャクソンはピアノのジョン・ルイスらとのモダン・ジャズ・カルテット(MJQ)のメンバーとしても活躍しましたが、本作はそのジョン・ルイスを、ファンキー・ピアニストで知られたホレス・シルヴァーにチェンジし、MJQのベーシスト、パーシー・ヒースとドラマーのコニー・ケイによるカルテットで聴かせるスタンダード・ジャズ・アルバムです。
収録曲は6曲中、5曲がスタンダード、1曲はミルト・ジャクソンのオリジナル・ブルースになっており、どの曲もミルト・ジャクソンのヴィブラフォンの音色が醸し出す大人のジャズ・サウンドに魅了される演奏になっています。
【スタッフのつぶやき:この1曲を必ず聴いて下さい】
名スタンダード・バラード“ニアネス・オブ・ユー”。
この曲は前回紹介しました名曲“スターダスト”を作曲したホーギー・カーマイケルの名バラードで、ロマンティシズムに満ちたメロディが印象に残るナンバーです。
サックスで聴いても、ヴォーカルで聴いても、ムーディで美しい雰囲気を醸し出す曲調ですが、ヴィブラフォンで聴くこの曲もまた格別です。
イントロ、テーマ、ソロとミルト・ジャクソンがヴィブラフォンのドリーミーな響きで夜のしじまの中に誘うような、そんな展開が見事です。
その昔、ヴィブラフォンの音が入ったジャズの演奏を聴くと、どこかの高級ホテルのラウンジにいるかのような気分になりました。本作を聴くと、その時味わったラグジュアリーな感覚が蘇るような気がいたします。
モダン・ジャズ期のヴォブラフォンをメインにフィーチャーしたジャズの素晴らしさを堪能できる一枚です。
国内盤SHM-CD(一般普及盤)
タグ : WEEKEND JAZZ
掲載: 2021年11月05日 10:00