卓越したボウイング!トッシー・スピヴァコフスキー/バッハ、ベートーヴェン、メノッティ
卓越したボウイングで知られるヴァイオリニスト、スピヴァコフスキー
彼の代名詞ともいえるバッハ、メノッティを中心に収録した1枚!
トッシー・スピヴァコフスキー(1906-98)はウクライナのオデッサ生まれ。9人兄弟の末っ子で、彼を含む5人が音楽家になりました。後に一家はベルリンへ移住。6歳でヴァイオリンを始めたスピヴァコフスキーは目覚ましい上達ぶりを見せ、1917年には早くもベルリンでリサイタル・デビュー。その後、アドルフ・ブッシュやゲオルク・クーレンカンプを育てたヴィリー・ヘスに師事し、ソリストとしてキャリアを積みました。1926年にフルトヴェングラーに招かれてベルリン・フィルのコンサートマスターに就きますが、翌年には辞職しソリストに専念。ナチスが台頭するとオーストラリアを経てアメリカに移住し、1942年から45年までアルトゥール・ロジンスキが率いるクリーヴランド管弦楽団のコンサートマスターを務めました。在任中の1943年1月にはバルトークのヴァイオリン協奏曲第2番のアメリカ初演でソリストを担当しています。
スピヴァコフスキーは特に卓越したボウイングで知られ、専門家による研究書が出ているほど。1950年代にはバロック音楽の演奏に大きく湾曲した弓(いわゆる「バッハ弓」に相当)を併用し、原盤解説によれば、バッハのソナタ第1番では速い楽章は通常の弓を、緩徐楽章やフーガでは「バッハ弓」を使用しています。また同時代の曲にも意欲的に取り組み、バルトークに加えて、セッションズ、マルタン、キルヒナー、ニールセン、ハルトマン、ロージャ、ストラヴィンスキーらの協奏曲を演奏しました。ここに収められたメノッティはジンバリストが委嘱・初演した作品ですが、スピヴァコフスキーが頻繁に演奏したことによって彼の代名詞のようになりました。
(ナクソス・ジャパン)
【曲目】
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(1685-1750):
無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第1番 ト短調 BWV 1001
1. I. Adagio
2. II. Fuga: Allegro
3. III. Siciliano
4. IV. Presto
録音 1949年6月10日 Columbia ML 2089/39999/41001
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770-1827):
ヴァイオリン・ソナタ第8番 ト長調 Op. 30 No. 3
5. I. Allegro assai
6. II. tempo di Menuetto, ma molto moderato e grazioso
7. III. Allegro vivace
ロバート・コーンマン(ピアノ)
録音 1949年5月15日 Columbia ML 2089/ 41253/56
8. ニコロ・パガニーニ(1782-1840): カプリース イ短調 Op. 1 No. 24
録音 1950年5月9日 Columbia ML 4402/43415
9. ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー(1840-1893): ワルツ・スケルツォ Op. 34
10. パブロ・デ・サラサーテ(1844-1908): 序奏とタランテラ Op. 43
11. フリッツ・クライスラー(1875-1962): ウィーン奇想曲 Op. 2
アルトゥール・バルサム(ピアノ)
録音
1950年5月9日 Columbia ML 4402/43416/17…9
1950年5月25日 Columbia ML 4402/43457…10
1950年5月29日 Columbia ML 4402/43460…11
ジャン・カルロ・メノッティ(1911-2007): ヴァイオリン協奏曲 イ短調
12. I. Allegro moderato
13. II Adagio
14. III Allegro vivace
ボストン交響楽団
シャルル・ミュンシュ(指揮)
録音 1954年11月8日 RCA LM 1868
復刻プロデューサー: Eric Wen
復刻エンジニア: David Hermann
マスタリング: Dennis Patterson
カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2021年11月10日 00:00