CPO レーベル~2022年1月第1回発売新譜情報(6タイトル)
知られざる名曲の発掘、古楽から現代まで幅広く揃えたコレクション、高品質の録音で人気を誇るドイツのCPOレーベル。知られざる名曲の発掘、古楽から現代まで幅広く揃えたコレクション、高品質の録音で人気を誇るドイツのCPOレーベル。
今回はヴァイトハースが弾くブルッフのヴァイオリンとオーケストラのための作品全集がBOX化!『弦楽のためのイギリス音楽 第3集』は近代イギリスで活躍した4人の女性作曲家の弦楽作品集。ほかに、ハイペリオン・トリオによるカール・ライネッケのピアノ三重奏曲全集、ジェノヴァ&ディミトロフ・ピアノ・デュオによるエイミー・ビーチのピアノ・デュオのための作品全集などCD6タイトルがリリースされます。
マックス・ブルッフ(1838-1920):ヴァイオリンとオーケストラのための作品全集(3枚組)
アンチェ・ヴァイトハース(ヴァイオリン)、ヘルマン・ボイマー(指揮)北ドイツ放送フィルハーモニー管弦楽団
【名ヴァイオリニスト、アンチェ・ヴァイトハースによるブルッフのヴァイオリンとオーケストラのための作品全集がBOX化!】
ブルッフのヴァイオリン協奏曲と言えば、誰もが美しい第1番を思い浮かべることでしょう。また郷愁に満ちた旋律で知られる「スコットランド幻想曲」も演奏頻度の高い名作です。しかし他の作品はあまり耳にする機会がありません。
このcpoのプロジェクトではブルッフのヴァイオリンとオーケストラのための全ての作品を録音。これまであまり知られていなかった曲も紹介されています。作曲当時親交を結んでいたサラサーテに献呈されたヴァイオリン協奏曲第2番や、ブルッフが尊敬していたヨーゼフ・ヨアヒムの助言が取り入れられた第3番をはじめ、当初協奏曲第2番の楽章として構想されたという「ロマンス」、緊張感溢れる晩年の作品「コンツェルトシュテュック」、美しい「イン・メモリアム」など、ブルッフならではの素晴らしい作品が目白押しです。
(ナクソス・ジャパン)
『弦楽のためのイギリス音楽 第3集』~英国の女性作曲家たちの作品集
ダグラス・ボストック(指揮)プフォルツハイム南西ドイツ室内管弦楽団
ダグラス・ボストックが指揮する「弦楽のためのイギリス音楽」シリーズ第3集では、4人の女性作曲家の作品を紹介しています。
「プロムナード・コンサート」(BBCプロムス)を長らく指揮したヘンリー・ウッド卿と、ボーンマス交響楽団の創設者ダン・ゴドフリーの2人は、新作の発表に熱心であり、才能あふれる作曲家を支援していました。これは、当時新作を発表したいと考える女性作曲家たちにとっても素晴らしいチャンスであり、1893年から1934年にかけて合計で25人の女性たちの作品が2人の指揮者によって紹介されることとなりました。とりわけエセル・スマイスとスーザン・スペイン=ダンクの2人はこの支援を最大に活用し、大きな人気を獲得したのです。
もともと弦楽五重奏曲として1883年に書かれたスマイスの作品は、1890年にロンドン交響楽団のコンサートで披露される際、コントラバス・パートが加えられ響きが増強されました。スペイン=ダンクの組曲は1924年にヘンリー・ウッド卿によって演奏されたロマンティックな作品。その後も彼女の作品はしばしば取り上げられています。
コンスタンス・ウォーレンはヨーク・ボウエンに師事し、学生時代にいくつかの作品を発表。これらはヘンリー・ウッド卿によって演奏されましたが、彼女は1932年に作曲活動を停止、以降は教育者として後進の指導にあたりました。ルース・ギップスはゴードン・ジェイコブとレイフ・ヴォーン・ウィリアムズに作曲を師事、作曲家・ピアニストとして活動し1942年には彼女の交響詩をヘンリー・ウッド卿が演奏しています。ボストックはオーケストラの音色を最大に引き出すことで、これらの知られざる作品に光をあてました。
(ナクソス・ジャパン)
カール・ライネッケ(1824-1910):ピアノ三重奏曲全集(2枚組)
ハイペリオン・トリオ
85年という当時としては長い生涯を送った作曲家カール・ライネッケ。7歳までに作曲をはじめ、ライプツィヒ音楽院の教授とライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団の楽長を務めながら作曲活動に従事、1902年に公職から引退した後も亡くなる直前まで作品を書いていました。300とも1000とも目される彼の作品はどれもロマン派の風情を湛えた魅力的なものですが、保守的な作風のためか、一部の曲を除いて彼の死後はほとんど演奏されることがありません。
このアルバムにはライネッケの活動の初期から晩年にわたるピアノ三重奏曲がすべて収録されています。1853年に出版されたシューマンの影響が強く感じられる第1番ニ長調、そのほぼ20年後の1873年頃に書かれた、豊かな質感を持つた2つのセレナード、そして1895年に出版された精緻なアンサンブルによる第2番ハ短調。これらからはライネッケの優れた作曲技法がうかがえます。またアルバムには、ベートーヴェンの三重協奏曲をライネッケがピアノ三重奏曲に編曲した版も収録。1999年に設立され、メンバーを変えることなく数多くの世界初演を含む250作品以上を演奏してきたハイペリオン・トリオの演奏です。
(ナクソス・ジャパン)
エイミー・ビーチ(1867-1944):ピアノ・デュオのための作品全集
ジェノヴァ&ディミトロフ・ピアノ・デュオ
近代アメリカにおける「最初に成功した女性作曲家」として知られるエイミー・ビーチ。
当時、男性が主流であった作曲の分野に進出することでアメリカ音楽界に刺激を与えた人物としてその功績が称えられています。ドイツ・ロマン派音楽に影響を受けながらも、イギリス民謡の旋律を積極的に採り入れた作品を数多く発表しましたが、一番愛着を抱いていたのはピアノであり、26曲の独奏作品の作曲年代は1880年代から1930年代までとバランスよく配置されています。連弾と2台ピアノのための作品はこのアルバムに収録されたものが全てですが、どれもビーチの才能が証明される見事なものです。なかでも「バルカン半島の主題による変奏曲」は彼女の民謡への傾倒が示された美しい作品です。
ラフマニノフのデュオ全集(555326)をはじめとした数多くのアルバムで知られるジェノヴァ&ディミトロフ・ピアノ・デュオは、ここでも息のあった演奏を披露しています。
(ナクソス・ジャパン)
『音の錬金術』~ゼバスティアン・オクゼンクン(1521-1574)編纂:ハイデルベルクのリュート写本
アンドレアス・アーレント(リュート、指揮)、ニコラス・トリュステット(アルト・ヴィオラ・ダ・ガンバ)、マティアス・ミュラー(バス・ヴィオラ・ダ・ガンバ)、他
16世紀ドイツのリュート奏者・作曲家、ゼバスティアン・オクゼンクンが編纂した「リュートのためのタブラチュア集」は、ラテン語のモテット、ドイツ語の詩篇と歌、イタリアとフランスの曲を含む当時最先端の音楽をリュート独奏用に編曲して1558年に出版されました。ジョスカン・デ・プレを筆頭にニコラ・ゴンベールやイオアネス(ヨハネス)・ムートンなど、当時の宮廷で流行した音楽をうかがい知ることができます。
オクゼンクンはプファルツ選帝侯のオットー・ハインリヒお抱えのリュート奏者。当時のリュート用編曲(インタブレーション)は、多声音楽を2声か3声に編曲するのが通常でしたが、リュート奏者のアーレントと歌手のクリストフ・ブルメスターはオクゼンクンのアレンジが声のパートを付け加えるのに向いていると考え、独自に歌のパートを加えています。ここではドロテー・ミールズとヤン・コボウによる優れた歌唱を聴くことができます。
(ナクソス・ジャパン)
ドメニコ・スカルラッティ(1685-1757):鍵盤のための37のソナタ集(2枚組)
ミヒャエル・コルスティック(ピアノ)
ベートーヴェンのソナタ全集をはじめ、リストやカバレフスキー、フランスのケクランやドビュッシーなどの数多くの録音を出し、多くの受賞歴を持つピアニスト、ミヒャエル・コルスティック。今回彼が挑んだのはドメニコ・スカルラッティのソナタ集です。スペインのマリア・マグダレーナ・バルバラ王女の教育用として書かれたとされる500曲以上のソナタは、原則として2つの部分で構成されており、どれも洗練された書法を特長としています。作品自体はシンプルですが、装飾の付け方は奏者に任されており譜面には書かれていません。またアクロバティックな技術や、様々な楽器の音色の模倣、喜びから深い瞑想まで演奏者には幅広い表現が求められます。
コルスティックは、これらのソナタの中から有名曲を含む37曲を選び出し「ベスト・オブ・スカルラッティ・ソナタ」と呼ぶべきセットを創り上げました。優れたテクニックと解釈、そしてスタインウェイの輝かしい音色が聴きどころです。
(ナクソス・ジャパン)
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カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2021年11月25日 00:00