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WEEKEND JAZZ ~週末ジャズ名盤探訪 Vol.156

カーメル・ジョーンズ『ザ・リマーカブル・カーメル・ジョーンズ』(1961)

CJ

カーメル・ジョーンズ(tp)
ハロルド・ランド(ts)
フランク・ストラッチェリ(p)
ゲイリー・ピーコック(b)
レオン・ペティス(ds)

1961年6月、ロサンジェルス録音

曲目:
01.アイム・ゴナ・ゴー・フィッシング
02.カム・レイン・オア・カム・シャイン
03.ナイト・タイド
04.サッド・マーチ
05.ステリーサ
06.フル・ムーン・アンド・エンプティ・アームズ

【アルバム紹介】
1.ウェストコーストのトランペッター、カーメル・ジョーンズの初リーダー作
2.レコーディング時は若干24歳
3.かつてクリフォード・ブラウンと共演したテナー・マン、ハロルド・ランドが参加

50年代から60年代にかけてウェストコースト・ジャズの名盤を世に送り出したパシフィック・ジャズ・レーベルからのトランペッター、カーメル・ジョーンズの初リーダー作を今回は取り上げます。

カンザス・シティに生まれ、幼少からピアノ、トランペットに親しみ、60年代に活動の拠点をカリフォルニアに置き、本格的なジャズ・トランぺッターとして始動し始めた頃の記念すべき一作で、このレコーディング時は24歳という若さでした。

フロント2管によるクインテット編成で、テナー・サックスには50年代に天才トランぺッター、クリフォード・ブラウンと共演したハロルド・ランドを配し、ベースには若き日のゲイリー・ピーコックが参加しています。楽曲はデューク・エリントンのナンバー“アイム・ゴナ・ゴー・フィッシング”やスタンダード名曲“カム・レイン・オア・カム・シャイン”に加え、自身のオリジナル2曲“サッド・マーチ”“ステリーサ”を含む全6曲という構成です。

【スタッフのつぶやき:この1曲を必ず聴いて下さい】
11分以上にわたるアーシーなセッション“アイム・ゴナ・ゴー・フィッシング”。

カーメル・ジョーンズという人は決してリーダー作が多いトランペッターはなく、知る人ぞ知る部類のプレイヤーかもしれませんが、ツヤっとしたトーンで奏でるトランペットはどこかクリフォード・ブラウンを想起させるところがあります。
本作1曲目のこの曲はデューク・エリントンの作曲したナンバーで、1959年の映画『或る殺人』のメインテーマだったもので、ジャズ・シンガーのペギー・リーが歌詞をつけて歌った際、このタイトルになったようです。
アーシーなリズムの上を、トランペット、テナー・サックスの2管がブルージーなテーマ・メロディを提示し、そこから尺がたっぷりと取られたソロがトランペット、テナー・サックス、ピアノの順に展開してゆきます。トータル・タイム11分超えのセッションとなっており、この1曲で、カーメル・ジョーンズの素晴らしさを余すところなくお披露目しているようにもとれます。
1996年に60歳で生涯を閉じたカーメル・ジョーンズですが、ホレス・シルヴァーの1965年の傑作『ソング・フォー・マイ・ファーザー』への参加はそのキャリアの中で特筆すべきレコーディングとなっています。

国内盤CD

タグ : WEEKEND JAZZ

掲載: 2021年12月03日 10:00