ダヴィッド・オイストラフ唯一のバッハ無伴奏録音を含む、現在入手困難なメロディアへの録音集!
オイストラフ唯一のバッハ無伴奏曲録音を含む、現在入手困難なメロディアへの録音集!
オデッサ(現ウクライナ)に生まれたダヴィッド・オイストラフ(1908-1974)が20世紀のヴァイオリニストたちの中でも抜きん出て巨大な存在であったことは論を俟ちません。Biddulphは、オイストラフのメロディア録音の中から復刻盤が存在しない、または入手困難と思われるものをとりあげ、ここにCD化します。
オイストラフは古典からロマン派にかけてのレパートリーに優れた演奏を聴かせましたが、バッハの無伴奏ヴァイオリン曲についてはソナタ第1番を一度録音しただけ。バッハの音楽については「厳格過ぎても、気持ちを出し過ぎてもいけない」と語っており、この復刻は彼のアプローチを音で証言する貴重なものです。
演奏時間45分を要する長大なメトネルのソナタ第3番では共演者にも注目。アレクサンドル・ゴリデンヴェイゼル(1875-1961)は現モルドバのベッサラビアに生まれたピアニスト・作曲家で、モスクワ音楽院でジロティらに学び、ラフマニノフと親交を持ち、後にフェインベルク、ニコラーエワ、ベルマン、カプースチンらを育てました。メトネルの高難度なピアノ・パートを受け持ち、オイストラフと対等にわたり合っています。この曲の記念碑的録音です。
ザーラ・レヴィーナ(1906-76)はクリミア生まれの作曲家・ピアニストで、オイストラフがオデッサにいた頃から交流があったといいます。ソナタ第1番は急-緩-急の3楽章構成で15分あまりの作品。荘重な緩徐楽章とユーモラスで急速なテンポによるフィナーレが対照的です。
ブックレットにはTully Potter氏による8ページに及ぶオイストラフの評伝が掲載され、オイストラフの孫ヴァレリー・オイストラフ氏提供の貴重な写真が掲載されています。
(ナクソス・ジャパン)
【曲目】
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(1685-1750):
無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第1番 ト短調 BWV 1001
1. I. Allegro
2. II. Fuga: Allegro
3. III. Siciliano
4. IV. Presto
ニコライ・メトネル(1880-1951):
ヴァイオリン・ソナタ第3番 ホ短調「エピカ」 Op. 57
5. I. Andante meditamente (Introduzione) - Allegro
6. II. Scherzo: Allegro molto vivace e leggiero
7. III. Andante con moto
8. IV. Finale: Allegro molto
ザーラ・レヴィーナ(1906-1976): ヴァイオリン・ソナタ第1番(1928)
9. I. Allegretto
10. II. Andante
11. III. Allegro con brio
【演奏】
アレクサンドル・ゴリデンヴェイゼル(ピアノ)…5-8
ザーラ・レヴィーナ(ピアノ)…9-11
【録音】
全てモノラル
1947年10月1日 Mezhdunarodnaya Kniga D04044…1-4
1959年 Mezhdunarodnaya Kniga D05596/97…5-8
1948年 Mezhdunarodnaya Kniga M10-38010…9-11
Reissue producer: Eric Wen
Transfer engineer: David Hermann
Digital mastering: Dennis Patterson
カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2022年03月10日 00:00