注目アイテム詳細

ヴィヴァルディをユニークな楽器編成でアレンジ!カチュナー&ラウテン・カンパニー~『ニュー・ヴィヴァルディ』

ラウテン・カンパニー

時空を超えて蘇る、ヴィヴァルディの豊饒な音世界

2010年にラウテン・カンパニーがリリースした、フィリップ・グラス[1937-]とタルクィニオ・メールラ[c.1594-1665]の音楽によるアルバム『Timeless』は、「時を経るエキサイティングな旅、魅力的なアイデア! ここで、300年以上離れた数千キロ離れた2つの世界が出会っている。それは大きなコントラストだと思うかもしれないが、この録音には驚くほど多くの類似点があることを示している」(NDR Kultur)と評され、エコー・クラシック賞の「アンサンブル・オブ・ザ・イヤー」を受賞し、世界中で素晴らしいレビューを受け、国際的なベストセラーになりました。
その後も「ビーバーとピアソラ」「デュファイとフィリップ・グラス」「サティとシャイト」「パーセルとザ・ビートルズ」など、古楽と近現代音楽やポップスとを組み合わせた魅力的なアイデアは、音楽監督のヴォルフガング・カチュナー&ラウテン・カンパニーの「独創的なクロスオーバーアルバムの制作」というモットーによって、現代のユーザーに驚きを与えています。

本作の『ニュー・ヴィヴァルディ』は、その路線の延長上にあるもので、アントニオ・ヴィヴァルディの「四季」やその他の人気作品を、バロック・アンサンブル、リコーダー、サクソフォーン、パーカッションというユニークな楽器編成で再アレンジしたものです。
ラウテン・カンパニーは、ヴィヴァルディ自身が完成させたバロック音楽の原則である「パスティッチョ」(=オリジナルの作品から自由に改変、元のテキストを新しいテキストへの置き換え、既存の作品からの組み変えなど)を踏襲し、想像力豊かなアレンジで、これらの古い作品に新しい解釈を施し、新しい位置づけを行っています。
パーカッション(ドラムスやタブラなど)を加えてロック風やインド風のテイストを加えたり、サックスを入れてモダン・ジャズのように変容させたりするかと思えば、リコーダーの鳥のさえずり、複数のリュート属による牧歌的で中世的な雰囲気などを醸し出すなど、ジャンルや時代を超えたアレンジは、これまでの彼らの演奏スタイルを踏襲しています。

収録曲は、いずれもヴィヴァルディの有名な作品ばかり。ヴィヴァルディの名協奏曲集『四季』からは6つの楽章を取り出し、『夏』のアレグロでは「そよ風」、プレストでは「雷」、冬のアレグロやラルゴでは「厳しい風」、パーカッシブな効果で「降雪」という自然の力を表現させています。また、ヴィヴァルディのオペラ「バヤゼット」や、現存する唯一のオラトリオ「勝利のユディータ」からのアリアを器楽版で美しく演奏したものも収録されています。
(ソニーミュージック)

『ニュー・ヴィヴァルディ』
【曲目】
ヴィヴァルディ:
1. 《鳥のさえずり》:協奏曲集『四季』より「春」~第1楽章
2. 《羊飼いの娘のラルゴ》:室内協奏曲 ニ長調『羊飼いの娘』RV.95~第2楽章
3. 《羊飼いの娘のアレグロ》:室内協奏曲 ニ長調『羊飼いの娘』RV.95~第3楽章
4. 《ラルゲット》:トリオ・ソナタ ト短調RV.85~第2楽章
5. 《けだるい夏の暑さ》:協奏曲集『四季』より「夏」~第2楽章
6. 《ラルゴ》:ヴァイオリン協奏曲 ト短調 RV.317~ 第2楽章
7. 《サマー・スロー・ホット・ブルース》:協奏曲集『四季』より「夏」~第1楽章
8. 《ラルゲット》:4つのヴァイオリンとチェロのための協奏曲 ロ短調RV.580より
9. 《娘はどこに》:歌劇『バヤゼット』よりアリア「娘はどこに」
10.《冬のラルゴ》:協奏曲集『四季』より「冬」~第2楽章
11.《冬の激情》:協奏曲集『四季』より「冬」~第1楽章
12. 《こちらにおいで》:オラトリオ『勝利のユディータ』よりアリア「こちらにおいで」
13. 《パッサカリア》:弦楽のための協奏曲 ト短調RV.157~第1楽章
14. 《そうすれば私の涙は》:モテット『いと公正なる怒りの激しさに』より「そうすれば私の涙は」
15. 《コンチェルト・ブルース》:フラウティーノ協奏曲 ハ長調 RV.444より
16. 《私は蔑ろにされた妻》:歌劇『バヤゼット』よりアリア「私は蔑ろにされた妻」
17. 《暗雲や嵐の後には》 :歌劇『試練の中の真実』よりアリア「暗雲や嵐の後には」
18. 《夏の嵐》:協奏曲集『四季』より「夏」~第3楽章

[編曲]
ボー・ワイジェット(1,2,3,5,7,9,10,11,13,18)
マルティン・リッパー(1,6,15)
ヴォルフガング・カチュナー(4,8,12,14,16,17)

【演奏】
ラウテン・カンパニー、ベルリン
ヴォルフガング・カチュナー(芸術監督)

【録音】
2022年3月16-18日、ベルリン、スタジオ・ベルネ

カテゴリ : ニューリリース

掲載: 2022年09月02日 15:30