マリオ・ブルネロが4弦チェロ・ピッコロで弾く、バッハの協奏曲集!
ヴァイオリン作品をチェロ・ピッコロで弾くブルネロの情熱、バッハの協奏曲へ!
通常のチェロ演奏でも世界的な活躍を続けてきたイタリアの名手マリオ・ブルネロ。近年はバロック期に使われていたという小型のチェロ(4弦チェロ・ピッコロ=ヴァイオリンと丁度1オクターヴ低い調弦となる楽器)をピリオド奏法で弾きこなし、ARCANAでのバッハの無伴奏曲集や二重奏ソナタ6曲の全曲録音など、当時の習慣に従ってヴァイオリン作品を演奏する機会も増えています。
今回は同じイタリアの古楽器シーン最前線をゆくアカデミア・デッラヌンチアータとともに、バッハの協奏曲6曲をチェロ・ピッコロで演奏。
収録曲の大半は当初別の独奏楽器のために書かれていた作品をバッハがチェンバロ向けに編曲したもので、原曲の特定や復元の試みも多くの専門家たちによってなされてきました。
18世紀当時は演奏環境に合わせた編成のために楽譜を調えることまでが音楽家の仕事でもあり、バッハ自身も多くの教会カンタータに使用したチェロ・ピッコロでこれらの協奏曲を演奏する試みは、当時流の正当なアプローチであるといえるでしょう。
ブルネロが繰り出す中低音で綴られる旋律は、室内協奏曲型の編曲でも弦楽合奏ありの編曲でも過去の観賞体験を一新する瑞々しさ。合奏向け協奏曲を二段鍵盤チェンバロひとつで再現した独奏曲「イタリア協奏曲」も合奏向けに逆編曲。抜群のピリオド奏法とあいまって作品の意外な一面に驚かされるのではないでしょうか。
なおライナーにはブルネロ自身のコメントの他、ライプツィヒ・バッハ・アルヒーフ館長ペーター・ヴォルニーによる解説が添えられています(英・仏・伊語/国内仕様盤は日本語訳付)。
(ナクソス・ジャパン)
[解説日本語訳付き]
国内仕様盤解説日本語訳…白沢達生
『J.S.バッハ:チェロ・ピッコロによる協奏曲集』
【曲目】
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(1685-1750):
1-3. チェロ・ピッコロ、弦楽と通奏低音のための協奏曲 ニ長調
〔チェンバロ協奏曲 第3番 ニ長調 BWV 1054(ヴァイオリン協奏曲 第2番 ホ長調 BWV 1042 による)からの編曲〕
4-6. チェロ・ピッコロと通奏低音のための協奏曲 ニ長調
〔チェンバロ独奏のための協奏曲 ニ長調 BWV 972(アントニオ・ヴィヴァルディ[1678-1741]:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.3-9 RV 230 による)からの編曲〕
7-9. チェロ・ピッコロ、弦楽と通奏低音のための協奏曲 ト短調
〔ヴァイオリンあるいはオーボエ協奏曲 ト短調 BWV 1056R(チェンバロ協奏曲 第5番 ヘ短調 BWV 1056 から復元)からの編曲〕
10-12. チェロ・ピッコロと通奏低音のための協奏曲 ニ短調
〔チェンバロ独奏のための協奏曲 ニ短調 BWV 974(アレッサンドロ・マルチェッロ[1678-1741]:オーボエ協奏曲 ニ短調 による)からの編曲〕
13-15. チェロ・ピッコロ、弦楽と通奏低音のための協奏曲 イ長調
〔オーボエ・ダモーレ協奏曲 イ長調 BWV 1055R(チェンバロ協奏曲 第4番 イ長調 BWV 1055 から復元)による〕
16-18. チェロ・ピッコロ、弦楽と通奏低音のための「イタリア協奏曲」 ヘ長調
〔チェンバロ独奏のための協奏曲 ヘ長調 BWV 971「イタリア協奏曲」からリッカルド・ドーニによるオーケストレーション〕
【演奏】
マリオ・ブルネロ(チェロ・ピッコロ)
アカデミア・デッラヌンチアータ(古楽器使用)
〔コンサートマスター: カルロ・ラッザローニ(ヴァイオリン)〕
リッカルド・ドーニ(指揮、チェンバロ、ポジティフ・オルガン)
【録音】
2021年7月1-5日
サン・ベルナルディーノ教会、アッビアーテグラッソ(イタリア北部ミラノ県)
カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2022年11月01日 00:00