WEEKEND JAZZ ~週末ジャズ名盤探訪 Vol.220
ジュニア・マンス『ジュニア』(1959)
ジュニア・マンス(p)
レイ・ブラウン(b)
レックス・ハンフリーズ(ds)
1959年4月9日、ニューヨークにて録音
曲目:
01.ア・スムース・ワン
02.ミス・ジャッキーズ・デライト
03.ウィスパー・ノット
04.ラヴ・フォー・セール
05.ライラックス・イン・ザ・レイン
06.スモール・フライ
07.ジュビレイション
08.バークス・ワークス
09.ブルース・フォー・ビヴァリー
10.ジュニアズ・テューン
【アルバム紹介】
1.名ピアニスト、ジュニア・マンスの初リーダー作
2.時にファンキーでブルージー、品のいいバップ・スタイルのピアノが特徴
3.ベースには名手レイ・ブラウンを配したトリオ編成
今回取り上げる渋いピアノ・トリオ名盤はジュニア・マンスの初リーダー作になります。
2023年はジュニア・マンス(1928年10月10日生まれ、2021年1月17日没)にとって、生誕95年にあたります。
品のいいバップ・スタイルのピアノを特徴とし、そこにファンキーなフィーリングやブルージーなアプローチが共存したプレイが魅力です。
10歳の時に初めてプロとしての演奏を経験し、その後、本格的な活動を始めてからダイナ・ワシントン、キャノンボール・アダレイ、ディジー・ガレスピーのバンド等で活躍し、名門レーベル、ヴァーヴから初リーダーとなる本作をリリースしました。
メンバーは、ベースには名手レイ・ブラウンを配し、ドラムスにはディジー・ガレスピー・バンドでいっしょだったレックス・ハンフリーズが参加。
楽曲は“ウィスパー・ノット”、“ラヴ・フォー・セール”などの名スタンダードを取り上げ、自身のオリジナル曲(07、09、10)も聴きどころとなっています。スインギーなナンバーに加え、バラード、ブルースなど多彩な楽曲を味わい深い演奏で魅了します。
【スタッフのつぶやき:この1曲を必ず聴いて下さい】
渋さが光る名演“ウィスパー・ノット”。
この曲は、ジャズ・スタンダードとしては非常にポピュラーなナンバーで、数多くのジャズ・ミュージシャンによる演奏があります。作曲は名テナー・サックス奏者でありコンポーザーであるベニー・ゴルソン。
ここでの演奏は極めてオーソドックスな解釈になっていますが、ジュニア・マンスのピアノの渋さがにじみ出たような名演になっています。
哀愁の漂うテーマ・メロディーを提示した後、ソロに移りますが、繰り出されるいぶし銀のフレーズの数々に引き込まれます。端正に歌わせつつ、さりげなくブルージー。身も心もどっぷりとつかって聴いていたくなるピアノです。
ジュニア・マンスは2000年代にはいってから、日本のレーベルにもいくつかリーダー作を残しており、日本のジャズ・ファンにも馴染みの深いピアニストでしたが、2016年頃引退し、2021年に92歳でこの世を去りました。一度聴いたら、いつまでも心に残る、そんなピアニストの一人であったように思います。
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タグ : WEEKEND JAZZ
掲載: 2023年03月17日 10:00