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WEEKEND JAZZ ~週末ジャズ名盤探訪 Vol.212

クリスチャン・マクブライド『ファースト・ベース』(1995)

CM

クリスチャン・マクブライド(b)
ロイ・ハーグローヴ(tp) on 01,02,04,06,09
スティーヴ・トゥーレ(tb) on 01,06
ジョシュア・レッドマン(ts) on 01,02,06,08,09
サイラス・チェスナット(p) on 01 to 04,06 to 09
ルイス・ナッシュ(ds) on 01 to 04,06 to 09
ミルト・ヒントン、レイ・ブラウン(b) on 05

1994年8月、ニューヨーク録音

曲目:
01.イン・ア・ハリー
02.ザ・シェイド・オブ・ザ・シダー・トゥリー
03.トゥー・クロース・フォー・コンフォート
04.シッティング・オン・ア・クラウド
05.スプランキー
06.ゲッティング・トゥ・イット
07.アラバマに星落ちて
08.ブラック・ムーン
09.キング・フレディ・オブ・ハバード
10.ナイト・トレイン

【アルバム紹介】
1.実力派ベーシスト、クリスチャン・マクブライド、22歳の初リーダー作
2.注目の若手ミュージシャン勢が参加
3.編成も曲によってセクステット、クインテット、カルテット、トリオ、ソロと多彩

90年代の名盤を特集、今回は今や実力派ベース・プレイヤーとして多方面で活躍中のクリスチャン・マクブライドのアルバムを取り上げます。

80年代にアコースティック・ジャズが見直され、やがてそれが回帰する中、90年代にむかって、シーンを担う若手ジャズ・ミュージシャンが続々と登場し、クリスチャン・マクブライドもそんな中の一人でした。ジャズ・ベース奏者としては圧倒的な存在感で数々のセッションに参加、ベテランから若手まで幅広く共演するファースト・コールのプレイヤーになりました。

本作は、そんなクリスチャン・マクブライドが満を持して発表した初リーダー作で、このレコーディング時は22歳でした。参加メンバーは当時クリスチャン・マクブライドと並んで、同じく20代の注目の若手であったテナー・サックスのジョシュア・レッドマン、トランペットのロイ・ハーグローヴらが顔を揃え、編成も曲によってセクステット、クインテット、カルテット、トリオ、ソロと多彩です。楽曲はスタンダード曲(03、05、07、10曲目)以外はすべてクリスチャン・マクブライド自身のオリジナルでかためられています。中でも5曲目はミルト・ヒントン、レイ・ブラウンという大先輩にあたるベーシストと3ベースでの3世代共演というユニークなナンバーです。

【スタッフのつぶやき:この1曲を必ず聴いて下さい】
グルーヴィーなオリジナル曲“ゲッティング・トゥ・イット”。

本作は90年代ストレート・アヘッド・ジャズとしては非常に出来のいいアルバムで、クリスチャン・マクブライドにとって、初リーダー作たる意気込みが十分に伝わってくる内容です。
そんな中、アルバム中セクステット編成で聴かせる楽曲は2曲あり、そのうちの1曲がこの曲になります。クリスチャン・マクブライドによるオリジナル曲ですが、グルーヴィーなビートの上を各人見事なソロを回していくゴキゲンなナンバーです。テーマはピアノとホーン陣とのコール&レスポンスが印象的です。ソロはまずトランペットから始まり、テナー・サックス、トロンボーン、ピアノと続いてゆきます。終始ブンブン鳴っているベースがなんとも爽快です。
他の曲では、クリスチャン・マクブライドはアルコ(弓弾き)奏法も披露し、ベーシストのリーダー作ゆえ、ベースという楽器の持つ多彩さを存分に表現している一作といえます。

国内盤SHM-CD

タグ : WEEKEND JAZZ

掲載: 2023年01月20日 10:00