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『激ロック』スペシャルコーナー【7月レコメンドアイテム】

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THE RAVEN AGE / 『Blood Omen』
GENRE : ALTERNATIVE METAL

Steve Harris(IRON MAIDEN/Ba)の実子、George Harris(Gt)率いる5人組
THE RAVEN AGEおよそ4年ぶりの最新作


IRON MAIDENのベーシストにしてリーダー、Steve Harrisの実子であるGeorge Harris(Gt)率いる5人組が放つ、およそ4年ぶりの最新作。全9曲とコンパクトな作りながらどれも粒揃いの出来栄えで、持ち前のメロディックさとモダンなヘヴィネスとの絶妙なバランス感覚はネクスト・レベルへと達した印象だ。英国産らしい哀愁を帯びたギター・プレイの充実ぶりは、新ギタリスト Tommy Gentryが加入したことも大きいのだろう。数々の大物バンドのストリングス・アレンジを手掛けたイギリス人チェリスト、Audrey Rileyの参加も特筆すべき点で、重厚なバンド・アンサンブルと絡み合うストリングスが劇的な効果を上げていることにも注目してほしい。

井上 光一【ライター推薦】

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GRETA VAN FLEET / 『Starcatcher』
GENRE : CLASSIC ROCK, HARD ROCK

ロックンロールを救う新世代のロック・スターが放つ最新作!


ロックンロールを救う存在として、驚異的なスピードでロック・スターへの道を駆け上がってきたGRETA VAN FLEET。ブルージーでワイルドなロック・スタイルはLED ZEPPELINと何かと比べられがちだが、彼らなりのロックを突き詰めて得てきたものが今作にもよく表れている。まず聴く者を惹きつけるのは、グルーヴィでノリやすいメロディ。ロックのパワフルな面だけでなく、洗練された聴きやすさと、女の子がサウンドに身を任せて踊れるようなキャッチーさがある。また、Josh Kiszka(Vo)のワイルドなだけでなくどこか素朴さのある美しいハイトーン・ヴォーカルも魅力的だ。ミドル・テンポの楽曲に映える、重厚感のあるギター・プレイも世代を超えて愛されるポイントだろう。ロックンロールの力強さと儚い美しさを未来に伝える重要な1枚。

山本 真由【ライター推薦】

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VOIVOD / 『Morgöth Tales』
GENRE : THRASH METAL

異形のスラッシュ・レジェンド、VOIVODの過去の楽曲が新たに生まれ変わる!
結成40周年記念したアニバーサリーなセルフカバー・アルバム登場!


2022年に結成40周年を迎えた、カナダが生んだ異形のスラッシュ・メタルの生ける伝説によるアニバーサリー・アルバムとして発表される本作は、過去の楽曲を現在の彼らが改めて再レコーディングした、いわゆるセルフカバー集である。単なる企画ものかと侮ることなかれ、何せ相手はVOIVODだ。選ばれた9曲は彼らのディスコグラフィの中でもそれほど知られていない曲が中心で、Track.1「Condemned To The Gallows」のような彼らの始まりの曲とも言えるレアな楽曲も選ばれており、多面的な彼らの音楽性の変遷に別の角度から光を当てるような、非常に興味深い内容となっている。日本盤には「ウルトラマンの歌」の衝撃的なカバーも収録、ファンならずとも要チェックだ。

井上 光一【ライター推薦】

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VEXED / 『Negative Energy』
GENRE : ALTERNATIVE METAL

現代エクストリーム・メタル・シーン最前線!
死と裏切り、痛みと悲しみが渦を巻く暗黒のヘヴィネスを体感せよ


紅一点のMegan Targettによる凄まじいグロウルから美麗なクリーンVo、ラップ風のリズミカルなスクリームまで操る多彩な表現力、徹底したダークネスを極めたヘヴィ・グルーヴ、人間の負の部分に真正面から切り込んだ歌詞が注目を集めるUK出身のトリオによる2ndアルバム。ニューメタルコアやDjent風のリフ、プログレッシヴ・メタルといった要素を巧みに取り入れた本作は前作『Culling Culture』以上に暗く重々しいが、それでいてキャッチーなフックも兼ね備えており、2023年のエクストリーム・メタル・シーンを語るうえで欠かせない作品として今後も記憶されることは間違いない。目を背けたくなるような現実をあらゆる手法で吐き出すMeganの歌声も、深い深い闇の行きつく先にこそ光があると信じるすべての人々の救いとなるはず。

井上 光一【ライター推薦】

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SLEEP TOKEN / 『Take Me Back To Eden』
GENRE : POST-METAL, LOUDROCK

覆面オルタナティヴ・メタル・バンド、SLEEP TOKEN
1stアルバムから続く3部作の完結編


UKを中心に熱狂的に支持されている覆面オルタナティヴ・メタル・バンド、SLEEP TOKENの3rdアルバム。今作は、1stアルバム『Sundowning』(2019年)から続いた一連の流れを締めくくる、3部作の完結編だ。メタルをベースとしながらも激しいだけでなく、R&Bのグルーヴや浮遊感のあるシンセ・サウンドも巧みに用いて、独特の空気感を作り上げている。静かに聴かせるパートと激しいパートのギャップがかなりあるが、どちらかが浮いてしまうこともなく、不思議なほど絶妙なバランス感覚で成立している。ポップ・シンガーにも引けを取らない普遍性のあるヴォーカルも、ヘヴィなサウンドに負けない存在感があり、ポスト・メタル/ラウドロックとしてだけでなく、歌モノとしても楽しめる。

山本 真由【ライター推薦】

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OMNIUM GATHERUM / 『Slasher』
GENRE : MELODIC DEATH METAL

北欧メロデスの重鎮 OMNIUM GATHERUMによる充実の新作EP


25年以上のキャリアを誇り、北欧メロデスの歴史にその名を刻むフィンランドの重鎮による新作EP。Michael Sembelloが1983年にリリース、映画“フラッシュダンス”のサウンドトラックに収録されて大ヒットした楽曲「Maniac」のカバーという意外なチョイスにも驚かされるが、4曲入りのEPながらその内容は充実したものとなっている。OG節全開の新たなアンセムのTrack.1「Slasher」を皮切りに、アグレッシヴなリフとスペーシーなシンセの音色、隠し切れぬ叙情性が際立つTrack.3「Sacred」、北欧ならではの哀愁が音の節々にまで刻まれたTrack.4「Lovelorn」と、どの楽曲も水準以上の出来栄えでファンであれば満足できるはずだ。

井上 光一【ライター推薦】

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TORTURED DEMON / 『Rise Of The Lifeless』
GENRE : THRASH METAL, METALCORE

平均年齢15歳でデビュー果たしたイギリス出身の若武者たち
TORTURED DEMONの理想的な2ndアルバム


2021年に平均年齢15歳という若さでデビューを果たし、圧巻の演奏能力と曲の完成度の高さで耳の早い音楽ファンを唸らせた、イギリス出身の若武者たちによる2ndアルバム。殺傷能力の高いソリッドなリフやテクニカルなギター・ソロなど、往年のスラッシュ・メタルからの色濃い影響を刻みながらも、2000年代のメタルコアを彷彿させるブルータリティとシンガロング必至の熱いメロディ、強烈なブレイクダウンといった要素をも取り込んだ強固なバンド・アンサンブルから生まれる楽曲群はどれも粒揃いの出来栄えで、世界中のメタル・ヘッズを熱狂させるだろう。デビュー作が高い評価を受けた多くのバンドにありがちな2ndアルバムのジンクスなどは微塵も感じさせない、理想的な1枚だ。

井上 光一【ライター推薦】

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【激ロック】
ラウドミュージックに特化したフリーマガジン、ポータルサイトの運営、そして国内外のバンドを招聘してのライブイベント、13年間続くROCK DJパーティーの企画、運営を行っている。さらには渋谷宇田川町に位置する「Music Bar ROCKAHOLIC」と同じく宇田川町にあるロックファッション・ショップ&通販サイト「GEKIROCK CLOTHING」の運営など、クロスメディアを超えたクロスカルチャー展開をシーンに仕掛けるラウドミュージック専門のクリエイティブ集団である。

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タグ : PUNK/EMO ハードロック/ヘヴィメタル(HR/HM)

掲載: 2023年07月31日 17:50