『激ロック』スペシャルコーナー【11月レコメンドアイテム】

OMNIUM GATHERUM / 『May The Bridges We Burn Light The Way』
GENRE : MELODIC DEATH METALキャッチー&アグレッシヴなメロデス・サウンドが炸裂!
フィンランドが誇るメロデス・シーンの重鎮が放つ10thアルバム!
2024年にも来日公演を開催した、フィンランドが誇る人気バンドの記念すべき10thアルバム。バンドを結成した90年代当時のマインドを意識したという本作では、彼等がこれまで積み上げてきたプログレッシヴ/ポップ等の多彩な音楽性を継承しつつ、原点回帰したアグレッシヴなサウンドも取り入れたキャッチーなメロデスが炸裂している。緊迫感あるギターとクリーンVoがマッチしたTrack.2を筆頭に、ドラマチックな情景を描く長尺曲のTrack.4、壮大なフレーズと切れ味鋭いファスト・リフが交錯するTrack.6、ツイン・リードと複雑な展開がクライマックスを彩るTrack.8等、高強度の楽曲を揃えた充実の出来栄えだ。熟練の妙技と、進化を止めない創造力を体感できる快作。
菅谷 透【ライター推薦】
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ALL TIME LOW / 『Everyone’s Talking!』
GENRE : POP ROCK変わらぬポップネスに
大人の余裕も加わった10thアルバム
ALL TIME LOWが、記念すべき10作目のアルバムをリリース! 今作は、20年以上メンバー・チェンジもなく、安定したクオリティと変わらぬポジティヴさでポップ・パンク・シーンの最前線を突き進んできた彼等の集大成とも言える内容。軽快なポップ・ロック、エレクトロ・ポップ・アレンジの楽曲、セクシーなハード・ロックを取り入れた楽曲、ドラマチックなバラード……。元気いっぱいでやんちゃなイメージのATLが、頼もしい大人になったんだなぁ、と感慨深い。ポップ・パンクという枠にとらわれない自由な表現と、トライすることを恐れない探求心、そしてそれを裏付ける確かな演奏力。新たなフェーズに入り、ますますの進化を見せる彼等からまだまだ目が離せない。
山本 真由【ライター推薦】
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DROPKICK MURPHYS / 『For The People』
GENRE : CELTIC PUNK朗らかなケルト音楽と直進するパンクの共鳴――
2025年に鳴らされるべきパンクのあり方として多分に示唆的なニュー・アルバム
朗らかなケルト音楽と直進するパンクの共鳴。これぞDROPKICK MURPHYSといった本作『For The People』の中には、しかし同時に深刻な眼光が込められている。“人々のために”と宣誓するタイトル、シンボルとして掲げられた薔薇、“Who’ll Stand With Us?”と問うオープナー……そのエネルギーを、「The Big Man」のようなヘヴィネスのみならず、「The Vultures Circle High」に刻まれた聴き手を鼓舞する気高さとしても音楽的にアウトプットしてみせるのは、さすがの貫禄と言うべきか。そして何より、民俗性を宿した音楽性で連帯を呼び掛け、分断と不正義に中指を立てるアティテュードは、2025年に鳴らされるべきパンクのあり方として多分に示唆的。
藤村 太智【ライター推薦】
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MAYDAY PARADE / 『Sad』
GENRE : EMO, POP ROCK結成20周年迎えたMAYDAY PARADEの自主制作による3部作
ポップでありつつも哀愁を帯びたエモメロ全開な第2弾
今年結成20周年を迎えたMAYDAY PARADEが、8曲入りのニュー・アルバムをリリースした。今作は、4月にリリースされた『Sweet』に続く、自主制作による3部作の第2弾となる作品だ。前作『Sweet』がタイトルのイメージ通り、甘美で明るくパワフルなポップ・パンクだったのに対し、この『Sad』はポップでありつつも哀愁を帯びたエモメロ全開の対照的な作品となっている。作品全体を通して丁寧な印象を受ける内容で、キャッチーなTrack.1「It’s Not All Bad」から緩急を付けつつ、ドラマチックなラストのTrack.8「I Must Obey The Inscrutable Exhortations Of My Soul」に持っていく作品構成も芸術点が高い。
山本 真由【ライター推薦】
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YELLOWCARD / 『Better Days』
GENRE : POP PUNKTravis Barker(BLINK-182)プロデュース、Matt Skiba、Avril Lavigne参加!
全方位的にファンを喜ばせる要素に満ちた再結成後初、9年ぶりのアルバム
YELLOWCARDが、再結成後初となる実に9年ぶりのアルバムをリリースした。全体的には、ワクワクするような疾走感とグッとくるエモーショナルなメロディが満載の、まさに王道のエモ/ポップ・パンクといった内容。Travis BarkerプロデュースだけあってBLINK-182っぽい曲もあるなと思ったら一時期BLINK-182のメンバーでもあったALKALINE TRIOのMatt Skibaがゲスト・ヴォーカルだったり、破壊的に切ないバラードだと思ったらAvril Lavigneとのデュエット曲だったり、そんななかでもYELLOWCARDらしさの象徴でもあるヴァイオリンの響きが際立つ楽曲が光っていたり。全方位的にファンを喜ばせる要素に満ちた復活アルバムだ。
山本 真由【ライター推薦】
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SYNSNAKE / 『Nodes』
GENRE : METALCORE, POST-HARDCORE韓国 ソウルの男女ツイン・ヴォーカル擁する5人組 SYNSNAKEの2ndアルバム
日本でも話題を集めて然るべきの必勝パターンから生まれる楽曲群
活況を呈するアジアのメタル・シーンの中でも、韓国はソウルを拠点とする男女ツイン・ヴォーカルを擁するSYNSNAKEは、特に韓国の音楽はK-POPしか知らないという人には間違いなく衝撃を与えるであろう、新進気鋭の5人組だ。本作『Nodes』は好評を博したデビュー・アルバム『Fluxus』(2021年)に続く2ndアルバム。気合十分のグロウルと重厚なメタルコア・サウンドにエレクトロ・サウンドを大々的に導入、ここぞというタイミングで女性ヴォーカルが惜しみなくメロディアスに歌い上げる、という必勝パターンから生まれる楽曲群は、欧米のバンドと比べても見劣りしないクオリティを誇り、日本でも話題を集めて然るべきものだろう。早々に来日させるべし。
井上 光一【ライター推薦】
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【激ロック】
ラウドミュージックに特化したフリー・マガジン、ポータル・サイトの運営、そして国内外のバンドを招聘してのライヴ・イベント、24年間続くROCK DJパーティーの企画、運営を行っている。さらには渋谷/新宿/下北沢に位置する「Music Bar ROCKAHOLIC」、また渋谷にあるロック・ファッション・ショップ&通販サイト「GEKIROCK CLOTHING」の運営等、クロスメディアを超えたクロスカルチャー展開をシーンに仕掛けるラウドミュージック専門のクリエイティヴ集団である。
タグ : PUNK/EMO ハードロック/ヘヴィメタル(HR/HM)
掲載: 2025年11月25日 13:01
