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トリオ・ジャコブ/モーツァルト:ディヴェルティメント 変ホ長調 K.563~レジス・パスキエに師事したフランスの新進!

トリオ・ジャコブ
(C) Alain Volute

モーツァルト唯一の弦楽三重奏曲「ディヴェルティメント」を
レジス・パスキエ門下のトリオ・ジャコブが録音!

ヴァイオリン奏者ラファエル・ジャコブ、ヴィオラ奏者ジェレミー・パスキエ、チェロ奏者サラ・ジャコブからなる「トリオ・ジャコブ」が、モーツァルトが作曲した唯一の弦楽三重奏曲、ディヴェルティメント 変ホ長調 K.563を録音しました。
全6楽章からなるこの作品は1788年作曲。ソナタ形式の第1楽章、崇高な第2楽章、変奏手法の第4楽章、主題の展開を含むロンド形式の第6楽章など、多くの弦楽四重奏曲を作曲した後の成果があらわれたモーツァルト後期の傑作です。
レジス・パスキエに師事し、クレール・デゼール、エマニュエル・シュトロッセら高名な演奏家と共演してきたラファエル・ジャコブ率いる「トリオ・ジャコブ」が芳醇な香り漂うモーツァルトを演奏しております。
(キングインターナショナル)

トリオ・ジャコブに受け継がれた音楽的遺伝子は、録音により1935年までさかのぼることができます。それはパスキエ・トリオによるSPレコードへの録音です。1927年に結成されたパスキエ・トリオは、20世紀前半のフランスでの多様な編成による室内楽運動の一翼を担い、クラシック音楽界に大きな影響を与えました。
フランスのヴィオラ奏者、ピエール・パスキエ(1902-1986)はトゥールに生まれ、モーリス・ヴューに師事。1927年にパリ音楽院を卒業してすぐに、弟でヴァイオリニストのジャン(1903-1992)、チェロ奏者のエティエンヌ(1905-1997)とともにパスキエ・トリオを結成しました。そして1974年まで、約半世紀の長きにわたって演奏会に、レコードに活躍しました。
彼らの見事なアンサンブルは同時代の作曲家たちの創作欲を刺激し、1936年にはモーランから弦楽三重奏曲ト長調、1937年にはルーセルから弦楽三重奏曲Op.58、1938年にはサマズイユから三重奏のための組曲、1946年にはフローラン・シュミットから弦楽三重奏曲Op.105を献呈されています。
レコードには、1934年にフランス・パテ社にベートーヴェンの弦楽三重奏曲ハ短調Op.9-3を録音してデビュー。翌1935年にはSP時代の名盤として知られるモーツァルトのディヴェルティメントK.563を録音。この作品は彼らの看板楽曲となり、モノラルLP(1951年=仏ディスコフィル・フランセ)、ステレオLP(1964年=仏エラート)への再録音が行われました。
ピエール・パスキエの息子たち、1943年生まれのブリュノ・パスキエ(ヴィオラ)、1945年生まれのレジス・パスキエ(ヴァイオリン)は、父親たちがトリオを解散した後、ロラン・ピドゥー(チェロ)とともに新パスキエ・トリオを結成。1976年にモーツァルトのディヴェルティメントK.563を録音し(仏IPG)、レコード・デビューしました。
このようにパスキエ一族とモーツァルトのディヴェルティメントK.563は芸術上の強い結びつきがあります。それはフランス弦楽派ならではの解釈の一典型と言えるでしょう。ちなみに、この作品には、他にウィーン弦楽派を代表するウィーン・ムジークフェライン四重奏団メンバーによるデッカ録音(PROC-1396)、イタリア弦楽派を代表するイタリア弦楽三重奏団によるドイツ・グラモフォン録音(未CD化、その後、彼らの名称を受け継いだ新イタリア弦楽三重奏団の2023年録音がBrilliant Classicsからリリースされました)という、それぞれの様式を代表する名盤が存在します。
レジス・パスキエに師事したトリオ・ジャコブ盤の登場は、この名作を愛する方々にとって見逃せないものと言えるでしょう。
(タワーレコード 商品統括部 板倉重雄)

【曲目】
モーツァルト:ディヴェルティメント 変ホ長調 K.563
[i.アレグロ/ii.アダージョ/iii.メヌエットI/iv.アンダンテ/v.メヌエットII/vi.フィナーレ。アレグロ]
【演奏】
トリオ・ジャコブ [ラファエル・ジャコブ(ヴァイオリン) ジェレミー・パスキエ(ヴィオラ) サラ・ジャコブ(チェロ)]
【録音】
セッション録音:2021年5月/モンテジエ劇場

カテゴリ : ニューリリース

掲載: 2023年08月15日 00:00