『激ロック』スペシャルコーナー【9月レコメンドアイテム】
BARONESS / 『Stone』
GENRE : ART METAL, PROGRESSIVE METAL
世界屈指のアート・メタル・バンド BARONESS
バンド史上初の“色”ではないタイトル採用した6thアルバム!
結成20周年を迎え、現代ヘヴィ・メタル界の中でも屈指のアート性と独自の美学でもって孤高の存在感を放ち続ける4人組による通算6枚目となるニュー・アルバム。バンドにとってはキャリア史上初となる“色”ではないタイトルの付いた本作、彼ららしい重厚でいてしなやかなヘヴィ・グルーヴは健在でいて、豊潤なメロディと各楽器の鳴りが生み出す有機的なハーモニーの素晴らしさは過去最高レベル。Gina Gleason(Gt)によるコーラスの比重も増した印象だ。前作に引き続き同じメンバーで臨んだアルバムということで、4人の個性が時にスリリングに時に慎重に絡み合う、強固なアンサンブルの説得力も段違い。2023年を代表するメタル作品として名を連ねることは間違いないだろう。
井上 光一【ライター推薦】
Edu Falaschi / 『Eldorado』
GENRE : HEAVY METAL, POWER METAL
テクニカル且つメロディックなパワー・メタル・リスナーなら歓喜間違いなし!
前作『Vera Cruz』の続編
ANGRAやALMAHのフロントマンとしてシーンに名を馳せ、近年はソロとして活動を続けるブラジルの至宝、Edu Falaschi。彼がソロ・アーティストとしては初めて全曲オリジナル楽曲で臨んだ前作『Vera Cruz』(2021年)の続編として位置づける本作、美麗なハイトーンやシャウト、じっくりと歌い上げる落ち着いた歌唱まで多彩な表現力で魅せるEduの見事なヴォーカル・パフォーマンスを軸として、テクニカル且つメロディックなパワー・メタルを望むリスナーであれば歓喜することは間違いのない内容となっている。情熱的なフラメンコ風のギターの導入も聴きどころで、10分を超えるドラマチックな長尺曲から哀愁のバラードまで総じて完成度の高い楽曲群に思わず脱帽。
井上 光一【ライター推薦】
ASKING ALEXANDRIA / 『Where Do We Go From Here?』
GENRE : METALCORE, HEAVY METAL, POST-HARDCORE
英国が誇るメタルコア・ヒーロー ASKING ALEXANDRIAが
結成15年という節目に放つ通算8枚目のニュー・アルバム!
音楽性を変化させながら今もシーンの最前線で活躍するASKING ALEXANDRIA通算8枚目のニュー・アルバムは、15年ものキャリアの集大成といっても過言ではないバラエティ豊かな作風の楽曲がずらりと並ぶ力作。ヘヴィなリフやブラストビートが飛び出す鮮烈なTrack.1やシンセを大々的に取り入れたメタルコア・ナンバーのTrack.2、ハードコア色の強いショート・チューン Track.11といったように彼らの持つラウドな側面も過去最高レベルで全面的に押し出しつつ、あくまでメロディックなキャッチーさを失わない曲作りの上手さはさらに磨き上げられた印象だ。多彩な音楽性は時にリスナーを混乱させるものだが、異なる要素をシームレスに聴かせる手腕は流石のひと言で、新旧のファンを満足させることだろう。
井上 光一【ライター推薦】
THE WORD ALIVE / 『Hard Reset』
GENRE : METALCORE, ALTERNATIVE METAL
創始者 Craig Mabbitt(ESCAPE THE FATE)含むゲスト陣多数参加
THE WORD ALIVEの新たな一歩に相応しい作品
結成時からツイン・ギターの片割れとしてバンドを支えてきたTony Pizzutiが脱退、今後の展開を不安視していたファンもいるかもしれない。結論から言えば、アリゾナ州出身の4人組による通算7枚目となる本作は、近年の作品の中でも特にパワフルなアルバムとしてバンドの新たな一歩に相応しい作品となった。ヘヴィでメロディック、モダンなメタルコアという基本軸はそのままに、エモーショナルなメロディと激しいグロウルが織りなす充実の楽曲群にはキャリアを重ねたバンドならではの貫禄を感じることだろう。珍しく多くのゲスト陣を迎えていることも本作の特徴で、特にバンドの創始者であるCraig Mabbitt(ESCAPE THE FATE)の参加には驚かされた。
井上 光一【ライター推薦】
ROYAL BLOOD / 『Back To The Water Below』
GENRE : HARD ROCK, ALTERNATIVE ROCK
一切の無駄のないヘヴィ且つ踊れるキャッチーな楽曲が粒揃い
セルフ・プロデュースの4thアルバム
リリースしたアルバム3作品がすべて全英1位を獲得、今や国民的な人気を誇るベース&ドラムの最強ロック・デュオ、ROYAL BLOOD。ダンサンブルな要素など意欲的な音楽的変化も取り入れた前作『Typhoons』(2021年)に続く通算4枚目となる本作は彼ら自身によるセルフ・プロデュースで、その選択が正しかったことは本作を聴けば明白であろう。初期の彼らを思わせるハードで強烈なベースのリフと、重厚さとしなやかさを兼ね備えたドラムスによる一切の無駄のないヘヴィ且つ踊れるキャッチーな楽曲群はどれも粒揃いの出来栄えだ。同時に、キャリアを経て培ってきた幅広い音楽性は随所に盛り込まれており、いかにも英国的な憂いを帯びたメロディの素晴らしさにもぜひ注目してほしい。
井上 光一【ライター推薦】
SKINDRED / 『Smile』
GENRE : MIXTURE, REGGAE, LOUDROCK
ハイテンションなビートと否応なしに踊らせにかかるグルーヴが炸裂!
ラウドロック・ファンだけで楽しむにはもったいない!
デビュー25年を迎えたレゲエ・メタル界のトップランナー、SKINDREDが8作目となるアルバムをリリース! 今作でも、衰えることを知らないハイテンションなビートと、否応なしに踊らせにかかるグルーヴが炸裂。まさにファンの期待通りの新作と言えるだろう。ルーツ・ミュージックへのリスペクトに溢れたレトロな雰囲気もあるレゲエ要素と、尖りまくった破壊力満載のラウドロックの融合は、まさに唯一無二。特に、先行公開された楽曲「Gimme That Boom」は、ヘヴィでアゲアゲで最高にSKINDREDな1曲。また、ポップでハッピーなレゲエ・ナンバー「L.O.V.E.(Smile Please)」のような楽曲もあり、ラウドロック・ファンだけで楽しむにはもったいないキャッチーな魅力に満ちたアルバムだ。
山本 真由【ライター推薦】
HAIL THE SUN / 『Divine Inner Tension』
GENRE : POST-HARDCORE, PROGRESSIVE ROCK
難解になりすぎず商業的にも寄りすぎない
テクニカルなフレーズが複雑に絡み合う変化自在のバンド・アンサンブル
今や名門 Equal Visionを代表するバンドのひとつと言っても過言ではない、カリフォルニア出身の4人組による通算6枚目となる最新作。“Swancore”なるサブジャンルのバンドとしても位置づけられていた彼らだが、ジャンルが形骸化した今も進化と深化を続ける姿が、本作には明確に感じ取れることをまず明言しておこう。テクニカルなフレーズが複雑に絡み合う変化自在のバンド・アンサンブルから生まれる楽曲のクオリティの高さは折り紙付きで、澄んだ高音が魅力的なDonovan Meleroによるカリスマティックなヴォーカルもさらに表現力が増した印象だ。難解になりすぎず商業的にも寄りすぎないという、彼ら独自のバランス感覚の素晴らしさも強調しておきたい。
井上 光一【ライター推薦】
DANKO JONES / 『Electric Sounds』
GENRE : HARD ROCK, MODERN ROCK
古き良きロックなスタイルと、古臭くない音作りの見事なバランスで飽きさせない
カナダのハード・ロック・バンド DANKO JONESの最新作
カナダのハード・ロック・バンド DANKO JONESの最新作。リード・シングルの「Guess Who's Back」を聴けば、思わず“待ってました!”とファンなら歓喜を隠せないだろう、ロック・スター然とした王道を行くパワフルなサウンド、そしてワンフレーズ聴けばノリのわかるキャッチーなリフ。勢いで畳み掛けるのではなく、ひとつひとつの音の重みで表現する、古き良きロックなスタイルと、古臭くない音作りの見事なバランスでリスナーを飽きさせないアルバムに仕上げている。エネルギッシュなライヴ・パフォーマンスでも知られる彼らだが、20年以上にわたり、ほぼコンスタントに2年に1作程度のペースで変わらぬクオリティのアルバムをリリースを続けるという、そのバイタリティには本当に驚かされる。
山本 真由【ライター推薦】
TO KILL ACHILLES / 『Recovery』
GENRE : POST-HARDCORE
激しい感情がこもっている演奏ながらヘヴィに寄りすぎない
幅広い世代のラウドロック・ファンにリーチしそうな世界観
激情スクリームと切ないエモメロのコントラストに定評のある、スコットランド出身のポスト・ハードコア・バンド TO KILL ACHILLESがニュー・アルバムをリリースした! 重厚感のあるコーラスや、クリアなサウンドとディストーションの効いたサウンドの絶妙な重ね具合など、激しい感情がこもっている演奏ながら、ヘヴィに寄りすぎないバランス感が素晴らしい。2000年代初頭のエモ/スクリーモ的なパンキッシュなノリもあったかと思えば、ゴリゴリのハードコア/メタルコア的なヘヴィに落とし込んだアプローチも見せ、幅広い世代のラウドロック・ファンにリーチしそうな世界観。アメリカのバンドとはひと味違った、ダークな雰囲気も相まってアイデンティティを確立している雰囲気のあるバンドだ。
山本 真由【ライター推薦】
GRYMHEART / 『Hellish Hunt』
GENRE : MELODIC DEATH METAL, FOLK METAL
ハンガリーのパワー・メタル・バンド WISDOMのGábor Kovács(Gt)の新バンド始動!
2018年に解散したハンガリーのパワー・メタル・バンド、WISDOMのリーダー/メイン・コンポーザー Gábor Kovács(Gt)がGabriel Blacksmithとして始動させた新バンドのデビュー・アルバム。パワー・メタルの勇ましさとフォーク・メタルの壮大さを組み合わせたメロディック・デス・メタルのキャッチーなギター・リフ、そして荒々しいグロウルが、クラーケンやサキュバスをはじめとする怪物たちの跋扈するファンタジーの世界に誘う。「Hellbent Horde」や「My Hellish Hunt」などの勢い良く駆け抜けるトラックはもちろん、スピードを落としてヘヴィネスを強調し、まさにタイトル通り、墓場より蘇りし兵士たちが迫りくる様を表現する「Army From The Graves」も必聴。
内堀 文佳【ライター推薦】
【激ロック】
ラウドミュージックに特化したフリーマガジン、ポータルサイトの運営、そして国内外のバンドを招聘してのライブイベント、13年間続くROCK DJパーティーの企画、運営を行っている。さらには渋谷宇田川町に位置する「Music Bar ROCKAHOLIC」と同じく宇田川町にあるロックファッション・ショップ&通販サイト「GEKIROCK CLOTHING」の運営など、クロスメディアを超えたクロスカルチャー展開をシーンに仕掛けるラウドミュージック専門のクリエイティブ集団である。
タグ : PUNK/EMO ハードロック/ヘヴィメタル(HR/HM)
掲載: 2023年09月25日 19:20