Naxos~2023年12月発売新譜情報(9タイトル)
[Polish Violin Sonatas by Noskowski and Żeleński
/Naxos Music 公式チャンネルより]
今回はドミトリ・ヤブロンスキーのチェロで聴くカタルーニャのチェロ曲集に、好評シリーズ、イグナツ・ラハナーの編曲によるモーツァルトのピアノ協奏曲(弦楽五重奏伴奏版)、今作は第19番と第25番。ズガンバーティのシンフォニア・フェスティヴァ&ピアノ協奏曲、20世紀のピッコロ協奏曲集、ポーランドの国民楽派として活動した2人の作曲家、ノスコフスキとジェレンスキのヴァイオリン・ソナタ集など、世界初録音を含むCD9タイトルがリリースされます。
一部世界初録音
『カタルーニャのチェロ曲集』~カサド/グラナドス/カザルス/カサブランカス/モンポウ
ドミトリ・ヤブロンスキー(チェロ)、ライア・マルティン(ピアノ)
20世紀前半のカタルーニャ音楽を語るには、名チェロ奏者・作曲家として活躍したパブロ・カザルスを筆頭とするチェロの演奏家や、作曲家たちの存在が欠かせません。このアルバムにはカザルスの作品をはじめ、カザルスの弟子ガスパール・カサドによる「スペイン古典様式によるソナタ」や「愛の言葉」、カザルスより少し前の世代にあたるグラナドスの「ゴイエスカス」や、モンポウの「歌と踊り」の中の曲をカサドがチェロとピアノ用に編曲したもの、また現代の作曲家カサブランカスによるモンポウへのオマージュ作品など、様々な繋がりのある曲を収録。どれも情熱的な音楽です。演奏は指揮者としてもおなじみドミトリ・ヤブロンスキー。哀愁に満ちた旋律や楽し気な舞曲を朗々と歌い上げています。
(ナクソス・ジャパン)
世界初録音
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756-1791):ピアノ協奏曲第19番、第25番(イグナツ・ラハナー[1807-1895]による弦楽四重奏とコントラバス伴奏版)
アーロン・ゴールドスタイン(ピアノ)、ファイン・アーツ四重奏団
1781年、ウィーンに戻ってからのモーツァルトは、フリーの音楽家として精力的に作曲活動を始めました。1784年の後半に書かれたピアノ協奏曲第19番は、この年に書かれた6曲のピアノ協奏曲の最後を飾るもので、のちの1790年10月にはレオポルト2世の戴冠式を祝して催された演奏会でモーツァルト自身がピアノを演奏したことでも知られます。第25番は1786年の作品。最も編成の大きな第24番に比べ、クラリネットは加わらないものの、トランペットとティンパニを加えた編成から生まれる華麗なオーケストラと精緻なピアノ・パートが特徴です。
ラハナーの編曲は、ピアノ・パートにはほとんど手を加えず、伴奏部の弦楽四重奏にコントラバスを加えることで豊かな響きが味わえるとともに、管楽器パートの旋律もうまく弦楽器へと移し替えられています。また第25番第1楽章のカデンツァはゴールドスタイン自身によるものです。
(ナクソス・ジャパン)
一部世界初録音
ジョヴァンニ・ズガンバーティ(1841-1914):シンフォニア・フェスティヴァ/ピアノ協奏曲
マッシミリアーノ・ダメリーニ(ピアノ)、フランチェスコ・ラ・ヴェッキア(指揮)ローマ交響楽団
イタリア人の父とイギリス人の母の下に生まれたジョヴァンニ・ズガンバーティ。トレヴィで初期の音楽教育を受けたあと、1860年にローマに移住。当時ローマに住んでいたフランツ・リストに師事するとともに親交を結び、師から多大な影響を受けました。またワーグナーの音楽にも接したことで、当時ベルカント・オペラが支配していたイタリアの音楽界にドイツ音楽を採り入れ、オーケストラ音楽の普及に力を尽くしたことでも知られています。
このアルバムには、優れたピアニストでもあったズガンヴァーティの技巧がうかがえる華麗な「ピアノ協奏曲」と、短いながらも、ベートーヴェンの第7交響曲を彷彿させる舞踏的な性格を持つ「シンフォニア・フェスティヴァ」の2曲を収録。既発の交響曲第1番(8.573007)と同じく、フランチェスコ・ラ・ヴェッキアが指揮するローマ交響楽団の演奏です。
(ナクソス・ジャパン)
一部世界初録音
『20世紀のピッコロ協奏曲集』~バクサ/クレーク/パパンドプロ
フランチェスコ・ヴィオラ(ピッコロ)、サルヴァトーレ・ペルカッチョーロ(指揮)マンハイム国立劇場管弦楽団
20世紀初頭にはあまり書かれることのなかったピッコロのための協奏曲ですが、現在では多くの作曲家たちがこのジャンルの作品を手掛けています。このアルバムの演奏者、1987年生まれのフランチェスコ・ヴィオラは、2015年に開催されたセヴェリーノ・ガッゼッローニ国際コンクールのピッコロ部門で優勝し現在マンハイム国立劇場とフィレンツェ五月祭管弦楽団でピッコロを担当しています。このアルバムではルーマニアのバクサ、スロヴェニアのクレーク、クロアチアのパパンドプロとハンガリーのヒダス、4人の東ヨーロッパの作曲家たちの作品を取り上げています。どの作品もピッコロの妙技が遺憾なく発揮されていますが、とりわけバクサから大きな影響を受けたというヴィオラは、このアルバムを手がかりにバクサの音楽に親しんでほしいとブックレットに記しています。
(ナクソス・ジャパン)
ノスコフスキ/ジェレンスキ:ヴァイオリン・ソナタ集
ロロンス・カヤレイ(ヴァイオリン)、バーナーディーン・ブラハ(ピアノ)
19世紀後半、ポーランドの国民楽派として活動した2人の作曲家、ノスコフスキとジェレンスキのヴァイオリン・ソナタ集。交響曲の作曲家として知られるノスコフスキのイ短調ソナタは、ベートーヴェンの「クロイツェル・ソナタ」とブラームスからの影響を感じさせる雄大な作品。第1楽章冒頭の印象的なユニゾンを幕開けに、ヴァイオリンとピアノが流麗な旋律を奏でます。第2楽章は「クロイツェル・ソナタ」に倣うかのような変奏曲形式で書かれており、第3楽章ではタランテッラ風のリズムが弾む情熱的な音楽が展開します。
ジェレンスキはポーランド民俗音楽を採り入れた歌劇《ヤネク》で知られる作曲家であるとともに、教師としても広く活躍しました。このヴァイオリン・ソナタは1879年頃の円熟期の作品で、活発な表情を持つ第1楽章、マズルカ風のリズムによる第2楽章、ゆったりとした序奏に導かれた情熱的な第3楽章と、伝統的な作風を守りながら雄弁な音楽が展開されています。演奏はラフやメトネルなどのヴァイオリン・ソナタの録音で知られるスイス出身のロロンス・カヤレイ。1742年製のピエトロ・グァルネリから紡ぎだされる音色が魅力です。
(ナクソス・ジャパン)
期待の新進演奏家シリーズ/エンジェル・スタニスラフ・ワン
ピアノ・リサイタル
中国系ロシア人でアメリカ在住のピアニスト、エンジェル・スタニスラフ・ワン。彼は2022年に開催された第63回ハエン国際ピアノ・コンクールの優勝者で、このアルバムにはコンクールで演奏した4曲が収録されています。このコンクールは、スペインの現代作曲家の作品の演奏が必須であり、第63回で新作を提供したのはグラン・カナリア島出身のラウラ・ベガでした。同じくグラン・カナリア島出身の詩人サンティアゴ・ジルの愛と死をモティーフとした詩からインスパイアされたという彼の作品は、決して超絶技巧を要求するのではなく、演奏者に詩人としての役割を求めたもの。8分程度の長さでありながら、起伏に富んだ内容をもっています。他にはリストのソナタとグラナドス、そしてブレトン弦楽四重奏団との共演によるショスタコーヴィチのピアノ五重奏の演奏を披露しています。
(ナクソス・ジャパン)
世界初録音
ギター作品集
ビリー・アルシラ(ギター)
コロンビア生まれ、アメリカ在住のコンポーザー・ギタリスト、ビリー・アルシラのセルフ・ポートレイト的なアルバム。アルシラは40年以上アメリカに住み、現在はカリフォルニアで最も優れたギタリストの一人として活動しています。ここでは、初出版作品の「Just Passing By」から最近作まで、選りすぐった自作を収め、その間に彼が影響を受けた作曲家たちがコロンビアの伝統的舞曲のリズムを用いて書いた作品をちりばめています。最後に収められた「ナン・マイ Nang Mai」は、森に棲む精霊がフルートを吹く様子を美しい女性になぞらえたノスタルジックな作品で、ここではタイの伝統的な笛クルーイーが共演しています。
(ナクソス・ジャパン)
ヨハネス・ブラームス(1833-1897):歌曲全集 第4集
アリーナ・ヴンダーリン(ソプラノ)、キーラン・カレル(テノール)、ウルリヒ・アイゼンロール(ピアノ)
NAXOSのブラームス歌曲全集シリーズ。第2集と第3集は民謡集でしたが、第4集では20代の頃に書かれた独唱のための歌曲に焦点が当てられています。ボレロのリズムによる「スペインの歌」を含むOp. 6は20歳頃の作品。Op. 14は彼の恋人となったアガーテ・フォン・シーボルトとの出会いがきっかけで書かれたと言われる歌曲集。どちらの曲集も、当時彼が魅了されていた民謡をベースとした簡素な作風でありながら、ブラームスらしい旋律美があふれています。「Op. 19のタイトルは「歌(Gesänge、Lieder、Romanzeなど)」ではなく「詩(Gedichte)」とされているのが特徴。どの曲もピアノ・パートにも重要な役割が与えられています。「7つの歌」Op. 48は約10年の歳月をかけて書かれたもので、スイス民謡からの影響が感じられる「恋しい人のもとへ」や、コラールを思わせる「心変わり」、シューベルトを思わせる長調と短調がめまぐるしく交代する「涙の中の慰め」など聴きどころの多い曲集です。クリストフ・プレガルディエンに師事したテノール、カレルと、オペラ、コンサートの両面で活躍するソプラノ、ヴンダーリンの演奏で。
(ナクソス・ジャパン)
カヴァッリ:歌劇《セルセ》(2枚組)
フェデリコ・マリア・サルデッリ(指揮)オーケストラ・バロッカ・モード・アンティクオ、カルロ・ヴィストーリ(カウンターテナー)
ペルシャ王セルセ(クセルクセス)はスシア王オッターネの娘アマストレという婚約者があるにも関わらず、弟アルサメーネの恋人ロミルダに横恋慕。そのロミルダの妹アデランタはアルサメーネを愛しているが故に、ロミルダにセルセの愛を受け入れるようそそのかしますが…
興味深い蘇演プロジェクトの数々で話題を集めるヴァッレ・ディトリア音楽祭より、イタリア・バロック・オペラの創始者モンテヴェルディの高弟として、17世紀中盤に絶大な人気を誇ったフランチェスコ・カヴァッリの歌劇《セルセ》、DYNAMICから発売され好評を博した映像のCDが登場です。
《セルセ》といえば、ヘンデルのオペラがその冒頭のアリア〈オンブラ・マイ・フ〉と共によく知られていますが、この台本は作家ニコロ・ミナートが元々はカヴァッリのために書いたもの。作品は1655年ヴェネツィア初演の後1660年パリで再演され、カヴァッリの声価はフランスでも大いに高まりました。
外題役のカルロ・ヴィストーリ、セルセの弟アルサメーネ役のガイア・ペトローネら中堅、若手を中心としたフレッシュな歌手陣による歌唱は、バロック・オペラの名匠、フェデリコ・マリア・サルデッリ率いるオーケストラ・バロッカ・モード・アンティクオの伸びやかな演奏と相まって、この隠れていた名作を見事、現代に蘇らせています。
【同内容の映像】
DYNAMIC
DVD…DYNDVD37983
Blu-ray…NYDX50300(国内仕様盤) DYNBRD57983(輸入盤)
(ナクソス・ジャパン)
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カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2023年10月26日 00:00