WEEKEND JAZZ ~週末ジャズ名盤探訪 Vol.251
ジーン・アモンズ、ソニー・スティット『ボス・テナーズ』(1962)
ジーン・アモンズ(ts)
ソニー・スティット(as, ts)
ジョン・ヒューストン(p)
チャールズ・ウィリアムス(b)
ジョージ・ブラウン(ds)
1961年8月27日、シカゴにて録音
曲目:
01.ゼアズ・ノー・グレーター・ラヴ
02.ザ・ワン・ビフォー・ジス
03.枯葉
04.ブルース・アップ・アンド・ダウン
05.カウンター・クロックワイズ
【アルバム紹介】
1.ジーン・アモンズとソニー・スティットという2テナー共演盤
2.スタンダード2曲と、アモンズ、スティットのオリジナル曲で構成
3.プロデュースはクリード・テイラー
テナー・サックス奏者が活躍する隠れ名盤、最後の今回はヴァ―ヴ・レーベルでのジーン・アモンズとソニー・スティットという二人のレジェンドによる2テナーものです。
通常テナー・サックスが二人揃うと“バトルもの”となる傾向がありますが、本作は“共演”といった趣旨が前面に出た一作といっても良いかもしれません。
タイトルにある“ボス・テナー”はジーン・アモンズのあだ名(別のあだ名で“ジャグ”というのもあります)で、本作は“ボス・テナー”級の二人が顔をそろえているという意味にもなります。またソニー・スティットは本作ではアルト・サックスも吹いている点も聴きどころでしょう。
楽曲は2曲のスタンダード(01、03)を除いて、アモンズ、スティットのオリジナル曲になっています。
本作はシカゴでレコーディングされており、プロデューサーをつとめているのは後にCTIレーベルを立ち上げるクリード・テイラーです。
【スタッフのつぶやき:この1曲を必ず聴いて下さい】
2テナーによる名スタンダード“枯葉”。
いろいろなアーティストによって歌唱・演奏されている名曲“枯葉”ですが、この曲を2テナーで演奏しているというのはかなり珍しい部類に入るかもしれません。
イントロはどこかキャノンボール・アダレイ、マイルス・デイヴィスの同曲の歴史的名演を思わせる音使いがしなくもない演奏ですが、すぐにソニー・スティットのテナーがテーマを奏で始めます。そのあと、8小節ごとにジーン・アモンズのテナーと交互に吹き分ける演出の後、アモンズのテナーによるどっしりとしたソロが始まります。終始、貫禄のブロウともいうべきプレイを展開。やがて、ソロがスティットに渡ると、流暢なフレージングでのプレイで魅了してゆきます。そしてピアノ、ベースと短いソロを経て、テーマに回帰しますが、2テナーが抜群のコンビネーションで再現、見事なエンディングで締めくくります。
この二人は相性がとてもよかったせいか、本作以外にも連名での共演作が6枚ほどあり、50年代から始まった共演は70年代まで続きました。
国内盤CD
タグ : WEEKEND JAZZ
掲載: 2023年10月27日 10:00