WEEKEND JAZZ ~週末ジャズ名盤探訪 Vol.257
ジョー・サンプル『ザ・スリー』(1976)
ジョー・サンプル(p)
レイ・ブラウン(b)
シェリー・マン(ds)
1975年11月28日、ロサンジェルス、ワーナー・ブラザーズ・スタジオにて録音
曲目(オリジナルLP発売時):
01,ヤーニン
02.グリーン・ドルフィン・ストリート
03.サテン・ドール
04.カーニヴァルの朝
05.ラウンド・アバウト・ミッドナイト
06.ファンキー・ブルース
【アルバム紹介】
1.異色のピアノ・トリオによるストレート・ジャズ・セッション
2.フュージョン界注目のプレイヤーとウェストコースト・ジャズの名手たちが合体
3.有名スタンダードをメインとした超一流の解釈による演奏
今回ご紹介するピアノ・トリオ名盤はジョー・サンプルにレイ・ブラウン、シェリー・マンというリズム・セクションが加わった異色のトリオによるアルバムです。
ジョー・サンプルはフュージョン・シーンの名グループ、クルセイダーズのピアノ&キーボード奏者で知られている通り、70年代のこの当時は屈指の名プレイヤーとして名を馳せていました。
そこにウェストコースト・ジャズ・シーンの名プレイヤーであるベースのレイ・ブラウンと、ドラムスのシェリー・マンが加わり、ストレートなジャズ・セッションを試みたのが本作です。
取り上げている楽曲は有名スタンダード曲がメインになっており、名手たちの超一流の解釈による演奏が聴けます。1曲目はオリヴァー・ネルソン作のブルースで始まり、2曲目以降に“グリーン・ドルフィン・ストリート”他スタンダード名チューンが連続、そして最後にジョー・サンプルのオリジナル曲“ファンキー・ブルース”で締めます。
【スタッフのつぶやき:この1曲を必ず聴いて下さい】
8ビートの快演“ファンキー・ブルース”。
アルバム中唯一のオリジナル曲ですが、リラックス&エンジョイしたいい演奏になっていて、何度も聴き返してみたくなるトラックです。
ジャズのビートは4ビート=スイング・ビートが主たるものですが、ここではリズム・セクションの2人のベテランが8ビートを聴かせている、という面白みが終始堪能できます。
イントロはジョー・サンプルのピアノで始まり、ドラムスがフィルインしてくるとゴキゲンなファンキー・チューンが展開されてゆきます。グルーヴするビートの上でフレーズを散りばめてゆき、やがて、ベースがメインになるセクションを経て、再びピアノが徐々に盛り上げてゆきつつ、ドラムスのキメ&ソロによる聴かせどころの後、鮮やかにエンディングとなります。
時代的には70年代の半ばのレコーディングゆえ、その頃はフュージョン全盛期でもありました。そんな中で生まれた奇跡のストレート・ジャズ・セッションともいえる一枚です。
国内盤SHM-CD
タグ : WEEKEND JAZZ
掲載: 2023年12月15日 10:00